タフだったラファエル・ペドロサ

 今から40年前の今日、北九州市総合体育館で行われたWBA:
Jフライ級タイトルマッチで王者の具志堅用高は1位のラファエル
・ペドロサに3-0の大差判定勝ちで9度目の防衛に成功した。

‘パナマのサソリ’の異名を持つ指名挑戦者のペドロサは大柄な体
躯で重そうなパンチを放つのだが、スピードに勝る具志堅が序盤
から縦横無尽に打ちまくる。

 ただしペドロサはタフで時おりグラつくもののダウンすら奪わ
れる事なくフルラウンド戦い抜き3度目の防衛戦から続いていた
具志堅の連続KO防衛記録は6で止まる事になったわけで、指名挑
戦者に倒せなかったものの圧勝したにも拘わらず試合後の具志堅
はガックリで‘倒せなくて申し訳ない’などと言う始末。

 実は会場となった北九州市総合体育館は今回が3度目の世界戦
で最初が75年6月にタイトルを奪回した輪島功一が柳済斗相手に
行った初防衛戦でゴング後の加撃というアクシデントもありKO
負けしてタイトルを失っているし、前年の78年1月には前王者の
ロイヤル小林がデビュー戦で引き分けた以外は全試合KO勝ちと
いうWBC:Jフェザー級王者ウィルフレド・ゴメスに挑戦し3R
kO負けするなど決して縁起のいい会場ではない。

 更に挑戦者のペドロサは大柄な強打者でハイメ・リオスやアル
フォンソ・ロペスに続くパナマ第3の刺客で、対具志堅のデータ
をしっかり持っているため不気味な挑戦者といわれていたのだ。

 それを毎ラウンド縦横無尽に打ちまくって大差の判定勝ちした
のだから称賛されるはずが、あまりの強さを見せていた具志堅が
倒すどころかダウンすら奪えなかったという事で‘倒せずに残念’
的な論評をされたのだから正直気の毒だった。

 驚いたのは具志堅戦から約2年半後の81年12月にペドロサは
新設されたWBA:Jバンタム級王者グスタボ・バラスに挑戦し
タイトルを奪取して、渡辺二郎との初防衛戦に臨むため来日した
のだ。

 結果的に渡辺はペドロサをフルラウンド打ちまくって何度も
ダウン寸前まで追い込み150-135のスコアで大差の判定勝ちし
タイトルを奪取したのだが、遂にダウン1つも奪う事ができずに
終わったのだった。

 渡辺はWBAタイトルを6度にわたって防衛するのだが5試合は
KO防衛で判定になった4度目の防衛戦でもダウンを奪っているの
だからペドロサのタフさが分かるし、具志堅がフルラウンド打ち
まくってもダウンすら奪えなくても仕方なかったわけだ。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« バーコード頭... 本当に製作さ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。