今から30年前の今日82年3月23日に後楽園ホールで行われた東洋太平洋
バンタム級タイトルマッチの村田英次郎vs磯上修一戦を筑波の叔父さんと観戦
したのだが、これが私の後楽園ホール観戦デビューとなった。
70年代後半から日本のバンタム級屈指の好カードと言われていた このカード
が ようやく実現し、世界戦で2度引き分けた事がある東洋王者の村田が世界戦
で惨敗した日本王者の磯上を圧倒し3RでKO勝ちしたので迫力あるKOシーン
を北側のひな壇席の最前列で観戦する事ができた。
実は この日に一緒に観戦した叔父さんからの提言で忘れられない一言が
あった。
私の東京卒業旅行でのスケジュールは3月19日に上京して調布のM叔父さん
宅に22日まで滞在し、20日に深大寺などの調布観光をして21日に後楽園球場
でジャイアンツのプレシーズンゲームを観戦、22日は新宿で映画・ブッシュマン
を見たのだった。
そして23日の午後からは新宿で筑波に住むM叔父さんの兄・K叔父さんと合流
し後楽園ホールでボクシングを観戦してから筑波に2泊3日滞在し、25日に帰ると
いうものだった。
ところが運の悪い事に20日の午後から雨模様となり肝心の21日は本格的な
雨でジャイアンツ戦は中止になり叔父さん宅で従兄弟達とブラブラして遊ぶハメ
に なったのだ。
23日の昼過ぎにK叔父さんと合流して後楽園ホールに行く途中で‘昨日まで
何をした?’と聞かれて前記したような事を答えると‘オマエ、何を考えてる
のか!’と一喝された。
K叔父さん曰く
‘調布観光はともかく映画を見たりM叔父さん宅でグダグダ
過ごすなど東京に来てやる事ではない。
例えば20日にジャイアンツは横浜で試合をしていたのだから
横浜まで足を伸ばして観戦するとか、21日の後楽園球場の
試合が中止なら隣の後楽園ホールで行われていた全日本
プロレスを観戦するなど東京でないとできない事をしないと
上京した意味がない’
言われて見れば確かに そう。
実際 翌日の筑波では叔父さんが勤めている筑波大学の構内を半日かけて
案内してもらい、帰宅後はTV中継されていたタイマー録画していたジャイアン
ツのプレシーズンゲームを観戦したのだが‘時間は こうして有効に使うもの’
と身をもって知ったのだった。
余談ながら叔父さんから‘Uボートは絶対に見ておけ’とも言われた。
それから30年経った今 旅行などで出かけても‘そこでしかできない事’を
最優先したスケジュールを立てて行動するようにしているし、その叔父さんの
言葉が卒業旅行で最も役に立ったのだった。