山中慎介-アンセルモ・モレノ戦は、具志堅-イラリオ・サパタの平成版

山中 9度目の防衛戦決まる 左のモレノ「強いというよりやりにくい印象」

 10日ほど前にWBCバンタム級王者・山中慎介が9月22日に、元WBA
バンタム級王者アンセルモ・モレノ相手に9度目の防衛戦を行う
事が決まったというニュースが載っていた。

 アンセルモ・モレノは某一家の長男が対戦を忌避したあげく
逃亡するように持っていたタイトルを返上したぐらい強いの
だが、実は35勝中12KOと23勝中17KOの山中よりKO数は少ないし
防衛戦でも12度防衛中TKOが4と強打者というわけではない。

 その代わりに‘亡霊’の異名を持つテクニシャンでノラクラ
試合を進めながら気が付いたらポイントがモレノに流れていた
というタイプだが、問題なのが日本人選手は この手のタイプを
凄く苦手としており個人的に一筋縄ではいかないと思う所以で
ある。

 70年代後半から日本人選手はパナマのエウセビオ・ペドロサ
やイラリオ・サパタにプエルトリコのサムエル・セラノやアメリ
カのジェフ・チャンドラーら決してKO率は高くないものの、独
特の距離感を崩せずにジャブで突き放され接近するとクリンチ
で攻撃を寸断され判定負けという負け試合を見てきた。

‘被害者’の中にはKO仕掛け人と呼ばれたロイヤル小林をはじめ
上原康恒やバトルホーク風間などパンチ力だけなら引けを取ら
ないにも関わらず、ズルズルとポイントをピックアップされて
完敗というパターンで歯痒い思いをしたものだった。

 ちなみにイラリオ・サパタは79年後半はWBA&WBCでも1位だった
事から具志堅用高の11度目の防衛戦の相手として指名されていた
ものの、WBCタイトルに行ったため対戦は幻となったのだが仮に
対戦していたら具志堅の強打が炸裂するかサパタがごまかして
しまったか興味は尽きない。

 あれから30年以上経って対戦が決まった時にモレノが長いリー
チを持つサウスポーでサパタを髣髴させるのに対し、山中も具志
堅を髣髴させるサウスポーの強打者という組み合わせに幻の具志
堅VSサパタ戦を被せてしまう。

 強打者を誇るボクサーがテクニシャンからごまかされて苦杯を
舐め続けた昭和と違い、5月に三浦隆司がビリー・ディブを3Rで
失神KO勝ちしたようにKOで仕留めるケースも増えているのを考え
ると日本のボクシング界の進化が問われる事になる。

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