連覇は叶わずも、女子サッカーの未来に夢を与えたなでしこジャパン
カナダで開催されていたサッカー女子W杯ファイナルは開始3分に
CKから先制したアメリカが16分間に4点を挙げる猛攻を見せ、連覇を
狙った日本に5-3で勝ち4大会ぶりの優勝を飾った。
高さを警戒する日本の裏をかいたグラウンダーのCKとFKからの
2失点は仕方ないが、敵陣でボールを奪われて打たれたロングシュ
ートがGKの頭を越して入った時点で勝負ありと思っていたのでOGを
含めて2点を返したのは見事だと思う。
男子のブラジルですら昨年のW杯ではドイツ相手に23分から6分間に
4失点すると完全に覇気をなくしてなず術なく1-6の歴史的惨敗を
喫したのだが、今大会で僅か1失点のアメリカから2点を奪っている
のだから最後まで折れない心で戦うのは素晴らしい。
考えてみれば4年前のW杯ではPK戦で勝ったものの最初の15分間は
完全に今日以上に押されまくっていたので、1点でも入っていれば
今日のように一気に差を広げられても仕方なかっただろう。
アメリカの凄いところは相手をしっかりスカウティングし自らの
長所で敵の弱点を徹底的に突いてくるわけだから完全に研究され
尽くし、4点目のようなロングシュートまでが入るという展開では
完全に勝ち運もなかったという事になる。
逆に言えば日本はアメリカから徹底的に分析されるぐらい強く
なっていたという事だし、ライバル国から研究される中で勝ち進
んできたのだから称賛ものだ。
今年初めのアルガルベ杯では10位に終わりケガ人も続出していた
ので個人的にも‘ベスト8ぐらいが限界か’と思っていたのを五輪
も含めて3大会連続でのファイナリストはさすがだし、ファイナル
での完敗も何ら恥ずべき事ではないと思うのだ。