山中慎介、残念なラストファイト

山中、王者返り咲きならず 王座剥奪のネリに2回TKO負け 王座は空位に

 今日両国国技館で行われたWBCバンタム級タイトルマッチで元
王者の山中慎介は、体重オーバーでタイトルを剥奪されたルイス
・ネリに4度のダウンを奪われ2RでKO負けし返り咲きに失敗する
と共に試合後に引退を表明した。

 前日の計量で2㌔以上リミットをオーバーしタイトルを剥奪され
たネリに対して山中は1R中盤まではジャブを突いてネリの動きを
止め打ってくるパンチもしっかりガードするなど前回の敗戦を反省
した戦いを見せていたが、残り30秒でネリのパンチでスリップダ
ウンし立ってきたところに連打を食い今度は本当のダウン。

 とりあえず立ったところでゴングが鳴ったものの効いているうえ
右足を捻った形で当然ながら2R開始と同時にネリが攻勢に出ると
右のカウンターを受けてダウンし、何とか立ったが勝敗の行方は
明らかで完全に打ち負けて2度のダウンを追加されレフェリーが止
めた。

 昨年の8月に山中をストップしたネリは直後にドーピング疑惑が
発覚し再戦が決まったわけだが正直言って山中がネリとの再戦を
ステップにして更なる強敵と戦う雰囲気なら勝ち目はあるが、キ
ャリアの集大成とするような雰囲気だったので‘勝っても引退’と
いう位置付けで臨むなら厳しいと思っていた。

 しかもネリが前日の計量ではバンタムどころかフェザー級の体重
である2,3㌔オーバーし、最計量でも1,3㌔オーバーの失態を犯して
タイトルを剥奪された事から山中としては熱くなる要素はあった。

 ネリの当日の体重は57,5㌔だった事から相当なハンデになるわけ
で1階級上のパンチを直撃されれば最近打たれモロさが目立っていた
山中には厳しいわけで、実際に1R終盤にもらったパンチであっさり
ダウンした時点で敗戦は時間の問題だったと思う。

 今回の再戦は組まれた時点で‘ドーピング疑惑のある選手との試
合を認めるのか’といった反対意見が多かったし、体重オーバーで
タイトルを剥奪された時点で‘中止にするべき’といった声も多く
実際セミファイナルで防衛に成功した岩佐亮佑はアメリカでの挑戦
者決定戦では相手の体重オーバーに対し試合を中止にしたし再起戦
を行った粟生隆寛はアメリカで体重オーバーでドーピング疑惑のあ
るベルトランに2RTKO負けしたでなく2年ものブランクを作るハメに
なった。

 そういうワケで皮肉にも今日のリングでは体重オーバーの相手と
絡んだ選手3人が戦ったわけだが、全国ネットの地上波中継が組まれ
ていた事から中止というのも難しかったのだろう。

 ネリ戦を現役ラストマッチという位置付けで臨んだ時点で山中が
勝つのは難しいと予想したのだが、体重オーバーによるハンデ戦と
いう形になったのは本当に気の毒な話だった。

 とはいえ12度の防衛の功績は何ら傷が付く事はないのは歴然たる
事実だが…

 

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