先週のウルトラマンメビウスでサコミズ隊長&総監が‘メビウスを引き渡せ’という政府の命令に背いてTVを通じて国民に語りかけるシーンがあった。 これは異例の事である。 そもそもこれまでの防衛組織のトップである長官は、メディアを使って国民に訴えかけるという事はしなかった。
セブンの‘史上最大の侵略’で世界の主要都市がゴース星人の地底ミサイルで壊滅しても、ヤマオカ長官はそういう行動は起さなかった。
唯一ミラーマンで防衛組織・SGMの顧問である御手洗博士がインベーダーの惑星Xが地球に接近して津波や竜巻、地震などの天変地異が起きて動揺する民衆に対し、
‘全ての地球人よ、人々よ。動揺してはいけない、理性を失ってはいけない。我々には不可能を可能に替える科学の力がある。科学の力に人類の理性と愛と勇気が加われば必ずこの試練が乗り切れるのだ。全世界の人々よ、今こそ地球人の素晴らしさを見せる時だ!頑張ってくれ!’
とみんなに語りかけるシーンがある。 これで民衆は平静を取り戻すのだ。 私の知っている限り防衛組織のトップが自らの考えを民衆に語りかけて落ち着かせるシーンの代表的な例だ。 だから先週のサコミズ総監のTV演説はそれだけ切羽詰まっている状況を表しているし、だからこそ効果的だったのだ。 やはりサコミズ総監の言葉と悪名高いゴシップ記者の言葉では最初から重みが違うのだ。