‘安息=キュア’と‘忘却=AD2004’

 ウルトラマンネクサスの千樹憐編はEP25からEXエピソードを
含めてEP36までの実質15話あるのだが、溝呂木眞也が退場する
EP32で一旦区切りを付けて憐編の最終章となるEP35~36まで
の構成になっている。

 そんな中でEP33と34の2話は最終章のプロローグとなっており、
そのためか劇場版のヒロイン・水原沙羅が登場したり姫矢編から
張られた伏線が解きほぐされていく感が強い。

 特に溝呂木が死ぬ間際にTLTに裏切り者の存在を仄めかした事
からナイトレーダーのメンバーも、これまでになくTLTに不信感
を持ち遂にはアナライズ担当の石堀光彦が北米本部にハッキング
をかけデータの一部のダウンロードに成功。

 これには4年前の新宿でのビースト・ザ・ワンとウルトラマン・
ネクストの戦いが収録されており、劇中で語られていた隕石落下に
よる新宿大災害は本当はウルトラマンとビーストの戦いだった事を
知る。

 こういったゴタゴタがある中でラストでようやくビーストのメガ
フラシが登場し、憐もウルトラマンに変身して立ち向かうシーンで
次回へ続くとなるのは姫矢編のEP22に似たパターンになっている。

 とはいえEP22が姫矢が最終決戦に臨む前に束の間の安息時間を
得る形でラストに変身してクトゥーラに挑んで行くのと比べると、
むしろ憐が瑞生に対する思いを確認する形になるなど姫矢と佐久田
恵に比べて親交度合いが深まる事を表していた。

 つまりウルトラマンの戦闘シーンがほとんどないというのが特徴
になっているEP33だが、ネクサスの世界の全貌が暴かれ始めると
いう形で時間を使うので姫矢編の悪く言えば退屈さがないのである。

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