ミラーマン、二次元の世界に帰る

 
 上京中にネットを検索していたら俳優の石田信之氏が亡くなった
という記事を見つけた驚いたと共に‘ガンとの長い戦いご苦労様で
した’という思いにかられた。
 
 14年に大腸や胃などにガンが見つかりステージ4の末期だという
事を明かし、15年2月まで4度の手術を受けたわけだが余命20~30
ヶ月を宣告をされていたとの事でよくぞ頑張ったと思う。
 
 個人的に石田信之といえば最初は柔道一直線で大沢健二という一
条直也のライバルとしての存在だったし、すし屋のケンちゃんでは
少年野球チームのコーチ‘三五郎さん’という熱血キャラのイメージ
だったのでミラーマンの主役・鏡京太郎を演じたのには驚いた。
 
 当初ミラーマンはパイロット版では後のシルバー仮面に変身する
春日光二役の柴俊夫が京太郎を演じていたのだから、ある意味すご
い縁だったと思うのだ。
 
 ご存知のようにミラーマンはウルトラ以外では、最も円谷作品で
のメジャーなキャラ。
 
 二次元人の父と三次元人の母との間に生まれたものの幼少期に京
太郎自身の身を案じた母が御手洗博士の下で育てられており、作品
ではインベーダーとの戦いの合間に自らの出自の秘密などで苦悩し
たり若さゆえの暴走でピンチに陥る事も度々あった。
 
 こういったナイーブな鏡京太郎のキャラはミラーマンでも引き継
がれており、石田信之=鏡京太郎=ミラーマンという共通のイメー
ジができるのは珍しいと思う。
 
 その後も時代劇などで演じるのは実直過ぎるゆえに悪役から利用
されるキャラの代表格だったし、どっこい大作では風の又三郎をイ
メージした風野三郎のスカした演技は忘れがたい。
 
 また‘故郷’ともいうべき特撮作品では続ミラーマンともいえるジャ
ンボーグAで岸隊長の弟・京一郎としてゲスト出演し立花ナオキを
凌ぐインパクトを残していたし、スーパーロボット・レッドバロン
では紅健一郎博士としてレッドバロンを完成させているのだ。
 
 そして最後に氏の存在の大きさを感じたのがウルトラマンゼロ
THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国で、ミラーマンを模した
ミラーナイトの故郷・鏡の星の民として声の出演だけだったもの
のミラーマンの父を髣髴させるものだった。
 
 個人的には06年程前に某サイトのチャットコーナーに参加され
私が‘ミラーマンの今救え死の海の時の髪形が違うのは?’という
質問に‘ヘアスタイルのセットの時に居眠りしていたらなっていた’
という裏話を聞く事ができたし‘理容師だから’と言うと‘今度髪を
切ってください’と言われたのには社交辞令とはいえ感激したも
のだ。
 
 ガンの告白をした時も‘ガンという名のインベーダーとの戦い’
と称するなど最後までミラーマンに対する愛情溢れるコメントを
発していたわけで、氏以外のミラーマンは考えられないしガンと
いう名のインベーダーとの戦いを終えて二次元の世界に帰って行
ったという表現がピッタリくるのではないか。
 
 というワケで氏が亡くなったのを知った翌日に行ったカラオケ
では最初に氏を偲ぶ形で‘戦えミラーマン’を歌ったのだった。
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コメント
 
 
 
さよならミラーマン さよなら石田信之さん (柴田真樹)
2019-06-23 22:28:55
とうとうこの日がきてしまった、という感じです。
ずっと闘病されていたことは、ブログで拝見していたし、イベントでも
「癌というインベーダーと戦い続けます」と常に前向きにおっしゃっておられて、ステージ4からの復帰だったので、もう大丈夫なのかな~ と思ってしまったほどでした。
イベント時のサインや写メの日付を見て、ああ、もっとお会いしたかった、色々なお話を伺いたかった、と後悔しています。
本当に、会いたい人には会っておけ ですね。

YouTubeを見に行ったら、ファンの方々のコメントがすごくて、それを読みながらまた泣いています。
 
 
 
そうですよね (こーじ)
2019-06-24 21:27:42
>柴田真紀様

 ガンをカミングアウトされていたのを聞いて、いつかはこの日が来るとは覚悟してましたけど実際に来ると悲しいですね。

‘ガンというインベーダー’という比喩はミラーマンに対する並々ならぬ愛着を感じますし、インベーダーからガンというエネルギー時限爆弾を仕込まれたと思いました。

 私も今日のブログに書きましたけど、先週の今頃友人達と行ったカラオケで石田氏を偲んで戦えミラーマンを歌いましたよ。
 
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