かど番豪栄道が涙の初優勝「今日で少し報われた」
14日目を迎えた大相撲秋場所は今場所ただ1人全勝の大関・豪栄
道が玉鷲に勝って14戦全勝とし1敗力士がいないため初優勝を飾った。
今場所をカド番で迎えたの豪栄道だが初日から快調に飛ばして全勝を
キープし7日目には2横綱3大関に勝って勢いに乗る隠岐の海にも勝
つと8日目には嘉風に勝ってストレートでカド番を脱出し、10日目以
降の上位対決でも今場所の綱取りを目指していた稀勢の里にも勝って
更に鶴竜&日馬富士の両横綱にも勝ち昨日の時点では続くのは2敗の
遠藤のみとなっていた。
もともと今場所は3場所連続で横綱を狙う稀勢の里の初優勝なるか
というのが最大の焦点で、絶対王者の横綱・白鵬が初日から休場して
いる事から初優勝=横綱昇進が期待されていた。
ところが稀勢の里は初日から持ち前の勝負弱さをいかんなく発揮し
初日に隠岐の海から敗れただけでなく、3日目も昨日まで4勝9敗と
負け越している栃ノ心にも敗れるなど完全にスタートに失敗し横綱は
絶望と思われていたのだが4日目以降調子を上げて7連勝し11日目
の豪栄道戦を迎える。
一方の豪栄道は全勝だったので稀勢の里の真価が問われるところ
だったのだが、豪栄道は突っ張りという意外な攻撃にも対処して勝ち
全勝を守る。
日本人力士のライバルに勝ったのだから豪栄道は勢いを加速させ、
14日目まで全勝をキープしたのだから驚く。
とはいえ豪栄道が今場所優勝したからといって横綱昇進を期待さ
れるに事になるかと言えば、さにあらず。
一昨年の名古屋で12勝を上げて3場所で32勝となって秋場所から
大関に昇進したものの先場所まで計12場所で大関の勝ち越しと言わ
れる二桁勝利は今年の春場所に1度あったのみで、負け越してカド
番に追い込まれる事4度と安定感という面では全く物足りない。
とりあえず日本出身力士が優勝するのは今年初場所の琴奨菊以来と
いう事で日本人横綱待望論が出てくるのだろうし、日本人横綱を誕生
させたいばかりにマスコミが強引な理論を持ち出して来るのは目に見
えている。
正直言って今の取り口では横綱になったところで力士寿命を縮める
事になりかねないので琴奨菊同様、安定大関として余生?を送った方
がいいと思えるのだ。
それにしても日本人大関で最も安定感があり横綱を期待されている
稀勢の里が、琴奨菊や豪栄道のような勢いに乗れるタイプならとっく
の昔に横綱に昇進していたのではないかと思ってしまうぐらい協会の
首脳陣も頭が痛いのではないか。