大事なのはチームの勝ちで、完投ではない

藤浪が3勝目=プロ野球・阪神―DeNA(時事通信) - goo ニュース

 タイガースの高卒ルーキー・藤浪晋太郎が今日の横浜戦でも勝って3勝目を
挙げたが、球数制限をしている事に対してOB連中から‘投手は完投してナンボ’
という批判が出ているようだ。


 最近は‘肩は消耗品’という意識が日本でも浸透し始めたからか昨年ホークス
の高卒ルーキーだった武田翔太も球数制限をしながら育てられているのに対し
特に年配のOBから過保護だという批判を聞く。


 球数制限の是非はともかく純粋に勝利という事を突き詰めると最近の打撃事情を
考慮すれば球数制限を否定し完投に拘り過ぎるのは利口な事ではない。


 一昨年から‘飛ばないボール’といわれる統一球が導入されて以来ホームランが
激減していた日本のプロ野球だが今年に入ってホームランが増えているという事が
話題になっていて巷では‘メーカーがボールに細工したのでは’などという噂が
まことしやかに流れているのだが個人的には3年目にして打者がアジャストして
きたと思っている。


 その昔バファローズの名投手・鈴木啓示が‘投手は生身だが打者はバッティング
マシーンがあるので、その気になったら1日中練習できるから打者の進化の方が
早い’と語っていたのを思い出す。


 日本は巨人の星などに代表されるような投手を中心にした発想で野球を見て
来たので、エース同士の投げ合いで完封勝ちというのが最高の試合という価値
観だった。


 しかし30年前に高校野球で池田が打ち勝つスタイルで一時代を築いた事から
流れが変わり過度に投手に頼るスタイルが徐々に変わってきたし、打力のレベル
アップで1人の投手が完投&完封というのは難しくなってきた。


 もともとベースボールは先に21点取ったチームの勝ちという点取りゲームの
伝統があり現在でも9回を終えて1点でも相手を上回れば勝ちなのだが、なぜか
投手が試合を支配するのが好きな日本のマスコミは投手の完封&完投に拘る
傾向が強い。


 池田が一時代を築けたのは他の伝統校が1日の打撃練習で1人20本しか
打たずに残りは守備練習ばかりしていた時代に池田は1人最低20分は打って
いたからである。


 つまり1人の投手が3連投&4連投し完封&完投できたのも打撃レベルが
低かったからという要素もあり、池田の出現から智弁和歌山のように1人
1時間半バッティング練習をするというチームが出るなど打撃のレベルが30年
前とは比べ物にならないぐらい上がっている時代に1人の投手に完投&完封
勝ちを求めるのは賢明な事ではないだろう。


 考えてみれば大事なのは試合に勝つ事であり、1人の投手で完投&完封する
というのは あくまで手段に過ぎないので急激な打撃のレベルアップという時代の
流れを考慮すれば必要以上に完投に拘るのは時代錯誤だと思うのだ。


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