今年は世界陸上開始から40年目

　早いもので昨日からハンガリー・ブタペストで世界陸上が
開幕しているのだが、考えてみると世界陸上は今年で40年目
になる。

　そもそも世界陸上は80年にモスクワ五輪をアメリカをはじめ
とした西側諸国がボイコットしたため、五輪は政治色が付き過
ぎるからという理由もあって新設された大会で第1回はロス五輪
の前年83年にフィンランドのヘルシンキで開催された。

　この大会で名を売ったのがカール・ルイスでプロを公言するア
スリートとして100ｍ・400リレー・走り幅跳びの3種目で金メダ
ルを獲得している。

　ところが日本は当初この大会に、ほぼ注目せず。

　というのも放映権はTV朝日系だったが時期的に8月7日～14日と
夏の甲子園と被るし平日は熱闘甲子園終了後放送していたし、何
と言っても参加標準記録が五輪より厳しく当時日本が世界相手に
戦えるのは男子マラソンぐらい。

　そのマラソンは12月4日に行われる福岡国際マラソンが一発選考
レースになっていたため、有力選手は世界陸上に出場しないという
事から注目度も低かったのだ。

　それでも第1回は中継が福岡国際を主催する朝日系のTV朝日とい
う事で問題にしなかったのだが、第2回以降5回まで中継した日テレ
の読売新聞は第2回の時に世界陸上連盟会長が`なぜ日本は有力選手
を派遣しないのか？’的な問題提起をするなど物議をかもした。

　実際日本マラソン界が金メダルを期待したソウル五輪で中山竹通
は4位に終わり、金のジェリンド・ボルディンは前年世界陸上の3位
で銀のダグラス・ワキウリは優勝者、銅のアーメド・サラは2位と
世界陸上の上位3人が翌年の五輪でも表彰台を占めたのに次の東京
大会では開催国がメダルを捕れないとマズいと判断したようで谷口
浩美が金メダルを獲得した。

　このように日本はどうしても五輪＞世界選手権という価値観があ
るのだが、それに輪をかけたのが93年から世界陸上は西暦の奇数年
に開催＝2年に1度になったのでサッカーやラグビーW杯と違って
ありがたみが薄れた感が強い。

　だからか4年前の9月に東京五輪マラソン代表選考レース・MGCを
開催したおかげで、9月27日から行われたドーハ世界陸上に有力選手
が出場できなくなった例もある。

　だから今回のブタペスト大会も男女マラソンは有力選手が出場し
ないのか？という憶測もあり、短距離あたりを中心に取り上げるの
ではないかと推測する。

　もっとも先日ベスト8進出したサッカー日本女子代表が出場した
女子W杯は直前までTV中継が決まらない方が話題になっていたが、
日本が活躍すると盛り上がったように大事なのは日本の選手の活
躍という事になるのだろう。