腐った鶏肉のから揚げ事件から28年

　今から28年前の今日81年6月14日は腐った鶏肉から揚げ騒動が起きた
日である。
　事は2日前に遡る。

　2日前の土曜日に前記した田川市長杯の決勝が行われた。
　決勝戦は14:00プレーボール。
　当時は午前中授業があったので弁当を食べて球場に走って行くと、1年生
部員の父親が一抱えある箱いっぱいの鶏肉から揚げを差し入れてくれた。
　町内の肉屋の から揚げで美味しいのだが‘試合前だから事で1・2個に
して試合が終わってから食べよう’という事で試合に臨んだのだが、ご存知の
ように勝てるはずの相手に負けてしまった。

　さすがに この負けは悔しく、とてもじゃないが試合が終わってから鶏肉
から揚げを食べるどころではない。
　そこで やむなく部室に置いて帰宅した。

　翌14日は直方での練習試合だったので、地元の我々は試合が終わって
自宅にそのまま帰ったが遠来組の日蓮クンは一旦部室に立ち寄って帰宅
した。
　そして立ち寄った部室でから揚げを2個ほど食べたらしい。

　そして15日に登校してホームルーム前に部室に立ち寄ると例のから
揚げが残っていたので5個ばかり食べた。
　すると一緒にいたNクンは

‘オイ、そのから揚げ大丈夫か？あれから2日経っとるんやぞ’

と言うではないか！　

　私は鶏肉から揚げは大好物なので本能的に食べたのだが、よくよく
見てみると匂いもしているし腐っているようなのだ。

 ‘ヤバイ、こりゃ当たるぞ’と覚悟していたが、昼になっても
吐き気や腹痛などの症状は現れない。

　一方で前日2個しか食べなかった日蓮クンは登校した時から顔色が悪く、
昼食時に聞いたところによると猛烈な腹痛と吐き気をもよおし保健室の
住人になったらしく当然のように練習も休んだ。

　ところが私は練習時間になっても症状が出ず、帰宅しても食欲は旺盛
ではないか。

　翌日も何ともないので結局 当たらなかったらしい。

　冷静に考えると私が食べたのは、まだ無事なから揚げだったという事
だが 周囲によって

‘腐ったから揚げを食べても大丈夫だった男’

という伝説ができてしまったのだ。