千代大海の勘違い

 大関の千代大海が、初日から6連敗と不振だ。
 先場所の14日目に白鵬から、とったりを受けて痛めた
肘が治ってないのが原因だろうが、元はといえば彼の
武器である突っ張りにある。
 以前出演していた‘ジャンク・スポーツ’というトーク番組で
千代大海は「高タンパク低脂肪の食事を心がけ、筋トレで
ビルドアップしたおかげで 逆三角形の自分でも見とれる
ぐらいの体になった」と自慢していた。
 これを見たときに‘コイツ、何か勘違いしてないか?」と
感じたのだ。

  元来相撲というのは、下半身主導で取るもの。
 したがって、どっしりとした下半身が何より求められるので
逆三角形どころか ピラミッド型の体系の方がいいのだ。
 千代大海の武器は、張り手を含めた突っ張りを主体にした
押し相撲だ。
 元来 突っ張りは、下半身と連動してこそ効果が あるわけで、
そのために力士の稽古は四股と共にテッポウをしっかり行う。
 ところが師匠の千代の富士は‘アイツはダメだ’と事ある毎に
言っている。
 どうやら筋力トレーニングばかり熱中し、肝心の四股踏みや
テッポウを疎かにしているらしい。

 千代大海が大関に昇進した頃は、まだ若かったからか突っ張りは
強烈な武器であった。
 ところが所詮、上半身の力のみでの突っ張りなので若い頃なら
それでもよかっただろうが、30歳を越えると筋力も衰えてくるのは
当然だ。
 だから最近は、肘を よく痛めていた。
 でも これは、基本であるテッポウを疎かにしてきた報いだと思う。
 確かに師匠である千代の富士や、ライバルだった隆の里はビルド
アップした素晴らしい体をしていた。
 ただし彼らは、四股やテッポウといった伝統の基本稽古で体を
作ってから筋力トレーニングで補完していたのだ。
 なのに基本稽古を疎かにして、筋力トレーニングのみで作り上げた
体の何と脆い事よ!
 やはり相撲は、地道な四股やテッポウをベースにしてこそ
栄光への道が開かれる
という事を 千代大海は反面教師として
知らしめているように見えるのだ。

  このままでは、来場所に大関の座を守れるか心配である。

コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-01-19 02:52:31
はじめて書きます。四股やてっぽうはインナーマッスルを鍛えるものでなかなか見た目は変化が分かりにくいです。近代的トレーニングは速く効果が出るからそちらに走りたくなるんでしょうか?それに四股は難しい鍛練でプロでも正しい四股ふむ人は限られてます。千代大海はへたです。一のやさんが書いてましたが前傾四股が大半です。てっぽうは更に難しいでしょう?親方は引退すると鍛練しないで口頭で指導する人が大半。例外は寺尾さんとか若い親方だけ。長く書きすぎました。失礼します。
 
 
 
そうなんですか (mm)
2008-01-19 16:50:28
相撲にも合理的で科学的で正確なトレーニングの理論や、指導システムが必要という事ですね。

新米力士は全部親方に教わるんでしょうか、親方の教え方の上手い下手もあると思うので、1年目はみんな学校形式で教わるシステムにしたほうが、良いように思いますが。
 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2008-01-20 00:05:46
>Unknown様
 いらっしゃいませ、初めまして。
 やはり四股やテッポウはキツイし、難しいですからね。どうしても楽で見てくれのいい方に流れやすいでしょうね。
 詳しいコメントありがとうございます。
 よかったらこれからも書き込み宜しくお願いします。

>mm様
 やはり教えるのが下手な親方もいます。
 どうしても昔の世代の親方は、阿吽の呼吸や上位下立つで理論を勉強してない連中が多いですからね。
 イマドキの若い力士は、それでは言う事を聞きません。
 
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