逞しく成長したホルヘ・リナレス

王者リナレスあばら痛めても奮闘五輪王者に判定勝ち

 日本時間の24日昼前にイングルウッド・フォーラムで行われた
WBAライト級タイトルマッチは王者のホルヘ・リナレスが、ロン
ドン五輪金メダリストで1位のルーク・キャンベルに2-1の判定
勝ちで2度目の防衛に成功した。

 長いリーチを誇る挑戦者を相手にリナレスは前半からプレッシ
ャーをかけ2Rには高速連打でダウンを奪うと右目下をカットさせ
るなど優勢に試合を進めたのだが、4Rあたりに肋骨を骨折した事
からペースダウンして挑戦者にペースを握られる形になってきた。

 それでも終盤王者の意地を見せ残り2Rで猛攻を仕掛けポイントを
奪い返し115-112、114-113、113-115と2-1の判定勝ちだか
ら残り2Rの攻勢が効いたという事だろう。

 とりあえず帝拳ジムとすれば5月に村田諒太がアッサン・エンダ
ム相手に‘まさか’の判定負けを喫してから7月に三浦隆司、8月に
山中慎介と亀海喜寛、9月に入ってローマン・ゴンサレスと立て続
けに敗れていたので ようやく連敗を止めた形になった。

 とりあえず三浦と亀海は勝つのには厳しい相手だったので仕方な
い負けではあったが、山中とロマゴンは‘まさか’の負けになった
ので嫌な流れの中での防衛戦で特にジャッジにイギリス人がいた事
が不穏な雰囲気に拍車をかけた。

 懐の深いキャンベル相手にアウトボクシングをされると厳しいと
思われていたが前半は巧く距離を詰めてダウンまで取って快勝モー
ドと思いきや、途中から肋骨を痛めるアクシデントで失速する嫌な
流れだったのを何とか終盤の攻勢で逆転勝ちしたわけだ。

 以前のリナレスは華麗さはあってもファン・カルロス・サルガド
戦での1RKO負けやアントニオ・デマルコ、セルヒオ・トンプソンに
連敗するなどもろさも目立っていたが、ここに来てイギリスでのア
ンソニー・クローラ相手に連勝など逞しさが見られるようになって
きたわけで試合中の肋骨骨折というアクシデントにもめげずに勝ち
切ったのは大した事だ。

 最近の日本ボクシング界は世界王者を多く抱えているものの60㌔
から上のライト級王者はリナレスのみという状況だけに、しっかり
勝ち進んでビッグネームとガンガン戦って行って欲しいものである。

 

 

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