某日
ブラッド・ピット主演の『ブレット・トレイン』を観た。
全国公開の新作映画を映画館で観るのは、2020年の『鬼滅の刃 無限列車編』以来である。
(去年は単館の『映画:フィッシュマンズ』だけだったし。)
無限列車の次が弾丸列車というのも乙なものである。
久々の大スクリーンでの鑑賞には大いに満足。また映画、観に行こう。
しかし、年に1回しか映画を観ない私が言うのもなんだけど、これ、タランティーノが撮ったら百倍面白かったのではないかしらと思ってしまった。
何が違うのかなと考えるに、それは作品世界を成り立たせているものに対する愛の大きさ、だろうか。「偏執」とも言うが。
そもそも、こういうタイプの映画って古い時代のもののほうが、情報がなかった分、想像力がぶっとんでいて面白いような気がする。
あと、人間ドラマに深入りしない娯楽映画だと、演出や演じ方がかえって難しいんだなあと思った。
中途半端に登場人物の心理描写が入ると、なんか冷める。
真田広之さんはすごく格好良かったけど、なんというか、この映画世界に見合ったヌケ感とでもいうべき鷹揚さが、なかったかなぁ…と。
その点、ブラッド・ピットは、こんなバカっぽい映画の空気感に合わせるのもうまいよね。それがハリウッド・スターというものか。
でも、アメリカ人観客からみれば、ジャパニーズ・マフィア側の演技はあれで正解なのかな...生真面目っぽい感じで。
自分がハリウッド映画に思い入れがないからだけど「全世界の俳優が目指す憧れのハリウッド」ってこんなもん? 真田さんがもったいないようにも思ってしまった。アクションがやりたかったということならいいけど。
視覚的にはかなり好きだったけど(「モモもん」がイマイチかわいくないところもご愛敬。ネーミングは好きだけど。あと、最後に出てくるみかんはマンダリンじゃなくて日本の昔ながらのみかんであってほしかったかも)、エキストラもみんなオーディションで選ばれたのかなー何人くらいが日本語ネイティブなんだろうとか、そんなところに気をとられてしまった。車内販売員の女の子は日本語ネイティブっぽい感じだったけど、無名の女優さんだったらかなりうれしい抜擢ではなかっただろうか。
(↑後日この車内販売員の女の子はすでに有名なバイリンガルの女優さんと知る。失礼しました。ならこんな役でもうれしいのかなーと思っちゃうよ。)