久々に「ほとり座」で映画を観た。
それも2本。
予想していた以上に感動してしまって、あらためて映画っていいなぁと思った。
1つは「ラストエンペラー」。
「ラストエンペラー」の日本公開は1988年1月23日とのこと。
私は高校卒業後の春休みに観たのだと思う。
そういうわけで、最初は、この子役の子は今どうしているのだろうとか、映っているのは1986-7年の空気なんだなーとか、懐かしの映画を観る目線だったのだけど、たちまちそんなことは関係なくなった。
映画の中の人々は、映画の中を生きている。
そして観ている自分には、2023年5月現在の体験として迫ってきた。
古いとか懐かしいとかじゃない、圧倒的に、今、ここ。
映画館に観に来てほんとうによかった。
いやーでも今もうこんな映画つくれないよね。今つくったら全編CG映像になりそうだけど、どんなに精緻なCGでもやっぱり全然違うと思う…
坂本龍一さんの甘粕大尉、当時はちょっと気恥ずかしく、浮いているように思ったのだけど、今見ると、いい。立花ハジメさんもしっかり目立ってる。日本人医師の役が生田朗さんというのにびっくり。
エンドロールであのテーマ曲が流れるのだけど、映像がすべて終わって画面が暗くなった後もテーマ曲だけは流れ続ける。暗闇の中で音楽だけというのが思いがけず、映画の余韻に浸って大感動してしまった。
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もうひとつは「人生フルーツ」
公式サイト→★
全然知らなかったのだけど、先日図書館で借りたイラストレーター杉浦さやかさんの『おたのしみ歳時記』にお勧め映画として書いてあって、観てみようかな、と。
丁寧な暮らしとおいしいもの、みたいなほっこりする映画なのかなと思っていたら、それ以上に深いものがあって、これまた予想外に感動してしまった。
「ラストエンペラー」の次に観たという特殊事情からの感想だけど、溥儀が収監された1950年に、津端さんご夫婦は出会ったんだなぁーなどと、不思議な感じがした。修一さんが戦争中、弟のように思っていた台湾人の男性は1950年に政治犯として処刑されたとか…日本は平和で良かった。
それはそれとして、「自分にできることをひとりでこつこつと進めていく。時間がかかってゆっくりでも」というの、自分もやっていこうと思った。