風忌(かざき)の門 ・15
最臥「レン・・・この子は、幼い頃に虐待をされていた
らしく、瀕死の状態で保護されたとの話でな・・・。
らしく、瀕死の状態で保護されたとの話でな・・・。
その時のショックからか、それまでの記憶が
ほぼ無いようなんじゃ・・・。」
透明「・・・・その後、ご両親は」
最臥「それがの・・・この子が保護された場所には、
同じく瀕死のご両親もいたらしいんじゃよ」
透明「・・・・それって、何か強盗とか」
最臥「いいや・・・そういった形跡は無かった
らしいんじゃが・・・・。」
最悪のケースが頭をよぎる・・・。
最臥「今、透明くんが考えている可能性を、
儂も考えたんじゃが・・・。」
透明「その当時、霧神さんは」
最臥「まだ、7歳だった・・・。」
透明「7歳・・・・小児厄ですね・・・。
私が能力に目覚めたのも、小児厄の5歳。
その時に、死線をさまよった経験には、
何か因果関係がありそうですね
でも、もし霧神さんが、過度の精神的圧迫を
もって、死線をさまよい、突然能力に開花したの
だとしたら・・・。」
最臥「まさに、暴発じゃよ」
透明「・・・・・。」
最臥「まあ、これはあくまでも現状証拠を並び立てて
無理やり繋げただけの予想じゃから、
本当のところは分からん
じゃが、もしこの子が、その現場を見ていたり
記憶していた場合を考えると、不憫でな
記憶していた場合を考えると、不憫でな
この子の記憶は、引き出されない方が幸せな
気がしていたんじゃよ」
透明「だからフィルターを・・・。」
霧神「・・・・今となっては、無意味でしたが ・・・。」
ALL「」
その場にいる者が、一斉に距離を取る
霧神「・・・・・。」
最臥「・・・起きていたのか」
霧神「まあ、途中からですが
今更、何もしませんよ
あまり、距離を取らないでくださいな・・・。
あの~ここは、地獄でしょうか」
揚羽「何を言っておるのじゃ
ここは、先程の公園じゃ」
霧神「あらあなた、先ほどと・・・」
突然、慌てて周りを見渡す霧神さん
霧神「ど、どういうことですか
風忌の門は
あなた達は、一体
ま、まさか、風忌の門を 」
うわ~っ思いっきりパニクってる・・・
狩理「レンファン落ち着け
風忌の門なら、お前の大好きな透明が消し去って
くれたぞ
きっと、お前を守るために奇跡を起こしたんじゃ
ないのかニヤニヤ」
透明「しゅ~~~り~~~~っ 」
揚羽「この痴れ者が~ 」
六羽「しれももんが~が~~」
留鬼「六羽さん」
最臥「ははははははっ」
霧神「な、何が、可笑しいんですか
・・・・透明さん・・・本当に、私を」
透明「い、いや、いやいや
ここにいる、全員をというか、ココらへん一帯を
というか・・・」
霧神「嬉しい」
透明「狩理~」
狩理「おっと、これは度が過ぎたかな
だが、お前はこの場の全員を守ったということ
だけは、本当のことだからな」
霧神「・・・・・。」
最臥「霧神さんや自分のしでかした愚かさくらいは、
わかっておるのだろう」
霧神「・・・・はい・・・・。」
留鬼「少しは正気に戻ったみたいですね」
狩理「いやいやわからんぞ~
こやつ、先程まで鬼のような形相をして
おったからなぁ~
コイツのように」
揚羽「あ~んキサマ消滅させてやろうか 」
狩理「お~怖~っ
確か、こんな顔した女を、透明は一番嫌い
だったはずだよな~」
だったはずだよな~」
霧神「」
揚羽「」
シュ~っという音が聞こえてきそうな煙幕がでて
元の姿に戻る黒揚羽くん・・・完全に、狩理のペースだね
揚羽「ご主人さまぁ~~~っ
揚羽~怖かったですぅ~~~っ」
揚羽~怖かったですぅ~~~っ」
かえって怖いんですけど・・・
霧神「・・・・私・・・怖かったですか」
それは、もお~
透明「いやいやいやいや
もう、その話は良いから
それよりも、さっきのこと・・・聞かせてくれませんか」
霧神「さっきのこと」
透明「はいあなたは先程、最臥さんのフィルターに対して、
無意味だったと言いましたが、あれは」
霧神「・・・そのままの意味です
施設に保護された私は、そこでも力に振り回され、
周りから気味悪がられました・・・。
その後、最臥師匠が私を引き取ってくれましたが、
徐々に記憶が戻ってくるに連れ、師匠の気遣いに
耐えられなくなり、家を出ました・・・。」
耐えられなくなり、家を出ました・・・。」
透明「それじゃぁ、記憶は・・・。」
霧神「ええ、大体は思い出しましたよ
あの日、両親は二人揃って、私を壁に押し付け
動けなくし・・・全身に痛みだけが走っていた・・・。
動けなくし・・・全身に痛みだけが走っていた・・・。
何をされたのかなんていうのは、思い出したくも
ないので、どうでもよいですが、その時の痛みで
能力が暴発したのでしょう
次に瞬間には、目の前に血だるまの両親が転がって
いましたよ・・・クククククッ ・・・いい気味です」
透明「・・・・。」
最臥「レンファン・・・」
霧神「師匠・・・勝手に家を飛び出したのは、謝りますが、
同情され続ける苦しさもご理解ください」
狩理「コイツ最臥様が、どれだけ心配して、どれだけ
探していたのか、知らんのか~~~」
霧神「・・・・。」
次回、霧神さんの目に涙が ・・・。
続く ・・・。
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