

しばらく放心状態の霧神さん・・・。
最臥「しかし・・・記憶というのは、恐ろしいもんだ

透明「ええ

全く違う記憶が出来上がる・・・。
霧神さんが怪我をした際に、虐待を疑われて
いた為か、この事故も虐待と結びつけられて
しまったのかもしれませんね

最臥「う~む・・・

狩理「しかし、この記憶が戻ったからと言って、
それを信じて生きてきたコイツは、そう簡単に
変われるものじゃないだろう

透明「それは、そうだけど、事実を知らないで、大切なご両親を
誤解したままというのは、何だか嫌で・・・。」
狩理「まったく


最臥「確かに、狩理の言うとおりじゃ

透明くんに怪我をさせたことも、風忌の門を開いたのも、
記憶のせいにはできんじゃろう

透明「良いんじゃないですか

最臥「えっ

狩理「な、なに


透明「う~ん

問題は無かったワケですし


最臥「透明くん


確かに、風忌の門は君のおかげで閉じることが
できたが、君に怪我をさせた事実は変えられん

狩理「最臥様の言うとおりだ



透明「う~ん

彼女には、救いも必要なんじゃないでしょうか

狩理「なっ

最臥「まったく


透明「あははっ

麻痺してしまっているのかもしれませんが


この出会いにも、きっと意味があるのだと思います

結果的に、奇跡のタイミングで最臥さんが黒揚羽や六羽を
連れてきてくれた

今、こうして喋ることができるのも、そういった事象から
導き出された結果でしかありません

私も今回は、何故か死を覚悟しなかった・・・何処かで
なんとかなるような気がしていたんです

そう考えると、この出会いには意味があるように思えて

最臥「だから、救うか・・・。」
狩理「はぁ~


霧神「ダメです

透明「

最臥「レンファン

霧神「透明さん


透明「はい~


揚羽「では、私が

六羽「アゲハ


揚羽「うっ


霧神「・・・私は・・・あなたを、救いたかった・・・

透明「えっ

霧神「・・・なのに・・・私が、私だけが救われるなんて、
絶対にダメです

透明「何を言って


霧神「さようなら

霧神さんは、懐のナイフを取り出し、自分の喉へ

留鬼「そこまで

留鬼のとっさの対応で、ナイフは宙を舞う・・・

霧神「・・・・・

最臥「・・・レンファン

いるんだ

霧神「・・・私が・・・私が貴方を・・・救いたかった・・・

狩理「言っている意味が分からんぞ


霧神「・・・私は、誰からも愛されず、生きてきたと・・・
思っていました

感じたんです・・・この人も、同じなんだと・・・

透明「・・・・。」
霧神「彼の孤独・・・彼の心を救えるのは、同じ境遇にいる
私しかいないと

同士じゃないと・・・理解できないと・・・。」
最臥「・・・透明くんが、誰からも愛されない

霧神「ええ


彼を慕っていると言う者は、彼の能力を慕っているに
すぎない・・・。」
断定されちゃったよ


狩理「もし、それが事実だとしても、それはお前もだろう

さっき、透明から聞いたが、お前は透明の骨を狙って
いたんじゃなかったのか

それは、透明の能力を

霧神「違う

狩理「

霧神「・・・・私は、彼の骨で・・・彼の能力を使って、
彼の能力を消し去ろうと思った・・・。」
透明「

霧神「彼は、この特殊な能力に呪われている

だから、もし今がダメでも、彼が死を迎えた後でも、
彼を苦しめた、この呪いを私が未来永劫消して
やろうと思ったの

私の独りよがりだった

その子の歯を使って呪術は完成できるとさえ
思っていたのに・・・私は・・・彼と同じでは
なかった・・・

最臥「やれやれ

揚羽「あんた



同じ境遇でなければ、愛せないとか

理解できないとか

そんなこと言ってるから、自分も愛せないでしょうが

透明「揚羽・・・。」
揚羽「人を愛するなんて、独りよがりで良いじゃない

一生・・・結ばれない愛だって・・・あるんじゃないの

自分がその人を好きなら・・・それで・・・良いじゃない

六羽「あげは・・・いい子いい子~


黒揚羽の頭をナデナデする六羽先輩・・・


透明「霧神さん・・・もしかしたら、私は君が言うように
本当の意味で愛されない人間かもしれない

でも、この能力も私の一部なんだ

だから、私は常に能力も含めて愛されるように、
努力をしているよ

君の言うことが、本当だとしても、私は人を
愛することをやめない

愛されないのであれば、愛すればいいだけだよ

貴方は、沢山の人に愛されて生きてきた・・・
だから、今度は本当の意味で人に愛を与える
人になってよ

今回のことは、きっと、君を救おうとしている
誰かが、与えてくれたチャンスなんじゃないかな

霧神「私を救おうとしている

透明「感じない


そっと、霧神さんの額に手をおく・・・。
透明「君は、ずっと守られている・・・君を最後まで愛して
くれた人達に・・・オン・アボキャ・・・・。」
霧神「あ・ああ・・・・・

狩理「光明か



霧神「お・とう・さん・・・おか・あさ・ん・・・あああっ


霧神さんが、その場で泣き崩れる・・・。
彼女にとって、この涙はきっと、殺伐とした毎日を
洗い流してくれるだろう・・・。
そして、しばらくして・・・

最臥「透明くん


透明「いいえ


霧神さんも土下座までして、修業のやり直しをしたいと、
最臥さんに懇願してくれたので、ホッとしています

きっと、彼女は変われると想います

狩理「まったく、透明よぉ

お前もそのお人好しを少しは直しておけよ

留鬼「いいえ


また、是非、私にも色々教えてください

狩理「やれやれ


霧神「・・・・揚羽さん・・・・。」
揚羽「な、何よぉ~


霧神「貴方に言われたこと・・・かんしゃ・・・。」
揚羽「えっ



霧神「・・・絶対に負けませんから


次に会う時には、透明さんを虜にさせてみせます

覚悟しておいてください


揚羽「ムキ~~~ッ



六羽「キツネ~~~~


ALL「


そんなこんなで、慌ただしく別れを告げた私たちは、
一路、懐かしの自宅へ・・・


揚羽「ただいま~~~~っ

六羽「だいま~~~っ

揚羽&六羽「げっ



透明「あっ、あは、あははははっ

揚羽「なんですか~~~~この、ゴミ屋敷は~~~


透明「し、しかた・・・クラッ・・・あ、あれっ


「バタン

傷の影響か・・・熱が・・・

六羽「わぁ~~~っ



揚羽「あ、熱っ




六羽先輩




それよりも、救急車呼んでくれ~~~っ


この後、なんとか病院に行った私は、結局、7針縫うことに・・・


でも、何だか、いつもの日常・・・嬉しいかも

透明「改めて、二人とも

おかえり

揚羽「皆様


六羽「たらいま~~~~っ




完







http://guardian-jewelry.com/







ポチしてくれると励みになります

応援よろしくお願いします

↓ ↓


にほんブログ村ランキング
↑ ↑
応援ボタン2箇所

