沙河無二の輪会(さかむにのわかい)・１７透明「ぐっ
(いっ・・・て～～～～～～～っ
く～ぅぅぅぅぅ
いい加減目を覚ませ
)」私の右手・薬指が反対側に折れている
透明「ふぅ～～～～～っ
よし
動いた
」呪術による呪縛は、通常の催眠よりも強力に
脳を支配する
脳は、送られた信号を現実として察知し、
その状況を自ら作り出し、本当の主である肉体を
縛られた状態と同じ状況にしてしまう
こういった呪術による縛りは、簡単には
解くことができないが、流石にその信号を上回る
脳が放っておけないような刺激があれば、
脳はそちらを優先せざるをえない・・・。
私は、印を結べなくならないように、
右手の薬指だけを関節の反対側に折る
その痛烈な痛みで、脳は我を取り戻した
「パキッ
」透明「ぐっ
」反対に曲がった指を無理やり元に戻す
透明「ふ～～～っ
・・・うん、我ながら綺麗に折れてる
って、感心してる場合じゃない
六羽
」六羽「ご主人たま～っ
だ、だ、だ、大丈夫」透明「大丈夫
大丈夫呪縛に脳が縛られると、お前たちとの
繋がりも一時的に遮断されてしまうからな
それよりも六羽
音叉(おんさ)使うぞ」六羽「は～い
」六羽が光の塊りに姿を変える
透明「霊波には霊波だ
六羽
１６番撃て」六羽「ム～～～ウ～～～～ッ
」六羽には、普段から必要な音の波形を
２０パターン程覚えさせている
私は、巻き込まれないように耳を塞ぐ
六羽「キーーーィーーーーーン
」音の波形は、霊波と同調する
そのため耳には直接聞こえないような超音波でも
脳は敏感に受け取ってしまう
そして、それは呪術でも同じこと
高質力の音波は、呪術の霊波と同調し、
相反する音をブツケられれば、自ずと瓦解する
透明「六羽
最大質力」六羽「キーーーィーーーーーン
」空気が振動している
呪物から発せられている呪術が、徐々に
分解されているのがわかる
透明「もう一息だ
」続く・・・。
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