今日はクリエにて「ブラッド・ブラザーズ」を観てきました。「私生活」以来のクリエですが、相変わらずの詰め込み客席で
でもハコの規模はそんなに大きくないので後ろでも十分に観やすい感じ←がん見する必要もないので
ギリギリまで迷ってたんですよ~~行くなら8月の方のキャストがいいな~と思っていたので。そしたら友人の悪魔の囁き……いえいえ
心惹かれる感想に「やっぱり行かねば!」ということで急遽テレザで予約
残り少ないA席、21列目の下手のお席で堪能してきました。
じい、実はこの作品を観てるんですよね~~ずっと昔に
当時夢中だった某俳優さんにナマでどうしても会いたくて
まだ学生だった頃でチケットは決して安くないし、そもそも田舎育ちでチケの買い方なんて知らないし(ネットなんぞありませんでしたから
)、プレイガイドといえば市街地の家電量販店の中にある地元企業がやってる…って感じのところだったので。なので、こっちに住んで昔は我慢を重ねていたこういう経験ができるのが夢みたいで……確かお小遣いを溜めたのか?バイトをしたのか??忘れちゃったけど、とにかく行きましたね~~当日券、しかも千秋楽という
まぁ今考えれば無茶なことですが……ただね~~一番印象に残っているのは、千秋楽で、特別カテコがあって、客席降りがあって、お目当ての人に握手をしてもらったこと
ヘタレ以前の問題ですよね~~でも、音楽な耳
は健在だったようで、じいの体のどこかに残っていたみたいです。今日観劇してて最後のナンバーは聞き覚えがあって少しだけですがちょっとだけ当時を思い出したので
おっと……昔話はこれくらいにして、本日の観劇記、行きまっす
(ネタバレありなのでご注意を
)
この作品は1983年のローレンス・オリビエ賞の受賞作で、というと2007年受賞は……フフフ
北九州の話になりそうなので止めときます
どちらかというと古典的な作りかな~~ミュージカル特有の突然歌い出すところがあったし、無理にそこで踊らなくても~と思うような場面も結構あったので。ま、歌というよりもストプレ部分が多い感じ
耳に残るナンバーといえば「マリリン・モンロー」とか「嘘だと言って」くらい???派手なナンバーがあるわけではないので。
あらすじは
こちら 最後は悲劇的な結末です
ミッキーがエディを撃ったと同時にミッキーは会場に入ってきた警察官たちに射殺される。ラストの演説会場は思いっきり客席を使うんですわ。ミッキーとエディが舞台上で対峙し、客席真ん中の通路に警官たちが銃を構え、後ろから母親2人が入ってくる。じいの席の真横には久世さん演じるライオンズ夫人が!!!ふと気配に気づいて斜め後ろをみたら立っていてビックリでした。ある意味威圧的な存在感、、、凄かったです
あと、、、演出というか伏線の入り方
ちょっと露骨過ぎ
不吉な未来を予感させる迷信=テーブルの上に新しい靴を置く、というのはいいとして、子供時代の遊び道具におもちゃの銃を登場させるところとか、ミッキーに双子の片割れは赤ん坊の時に死んだ話をする歌の中に天国だの裕福な暮らしだのを想像させる歌詞が出てきたり、因果応報な内容=借金や買い物の支払いを彷彿させるような歌が繰り返されたり。。。悪くはないけど、あまりやり過ぎると安っぽい感じになるような気がするので
ただね~~最後は予想外にダダ泣きでした
いや~~ここまで涙涙になるとはっっっ
銃弾に倒れた二人に寄り添う本当の母親……そして二人の手を繋がせるんですよ。もし二人が一緒に育ってたらどうだったのか考えると必ずしもこの悲劇を避けられたとは言えないし、ミッキーが最後に母親に言った「どうして僕の方を預けてくれなかったの?」という言葉は二人を同じように愛し続けた母親の気持ちを思うと切なくなるし、エディは裕福な暮らしをしていたけど決して幸せだったとは言えないし……だからこそ、プラスにもマイナスにも引かれ合う二人が真実を知らずに並んでいる姿は悲しかったし、真実を知った後→二人とも死んで倒れていたという姿は堪らなかったですね~~
それに、ずっと観てて思ったんですが、ライオンズ夫人は完全に悪役なんですよね。子供を1人分けてと言って、いつでも会いに来ていいと言っておきながら秘密がバレるのが恐くて引っ越す、愛情のかけ方がどう見ても間違っている、、、正直その身勝手さにムカつきました
でも、実の母親のジョンストン夫人にも罪はある。どんな理由があっても子供は手放すべきではなかった。そのことにおいて罪は消えないわけで……ただ、それも環境がモノ言う部分はあると思いましたね~~ギリギリのところで生活していて、世間に対してあまりにも無防備なところがある。知識がないから無茶な生活をしたり、その場限りの浅はかな判断で子供を上げることにしてしまう……許されない罪と自分の力ではどうにもできない現実。そういうものを全部含めて涙が溢れたのかもしれないなぁ~
あと、やっぱり階級制度も外せないかな~~ミッキーとエディが18歳で再会した時に、ミッキーは失業中でエディは大学生活を満喫中。あまりにも生活が違う二人がぶつかり合うシーンがあるんですよ。ミッキーは「お前みたいな境遇なら子供のままでいられるけど俺は違う」と言ってエディに対して羨望と憎悪を投げつける。一方のエディは「今は仕事よりもクリスマスを楽しもうよ。お金だって僕が持っているから大丈夫」って。ふと思い出したのがミーマイ。ジェラルドが「朝起きて仕事に行くなんて、そんな恐ろしいこと」と言ってるんですが、上流階級の考え方が表されたセリフだと思いましたわ。しかも悪気はないんですよね~~ただ“知らない”だけ。でも、今回はこんな風に溝のあるやり取りをするのが本当は同じ出自で血の繋がりのある双子だけに、その「溝」がより深く、より広く、そしてあまりにも哀しい、そしてすご~く皮肉めいたものを心に埋め込まれたな~と思いました。
キャスト感想。一部思いっきり毒吐きありですが
主役の二人、めちゃめちゃ素晴らしかったです
特に子供時代は抜群
ずっとずっと前に観た時は、、、スミマセン
どう見てもオジサン二人が子供の服を着て、一歩間違うとコントですか?みたいな感じだったので
聞かん坊でやんちゃな悪がきのミッキーの武田君、可愛かったですね~~思わずヨチヨチ
としてあげたくなっちゃう感じ。反対に岡田さん演じるエディはガキ大将にいいように使われるヘタレ少年。世間知らずのボンボンで素直に悪知恵を教え込まれていくところが凄く面白くて
二人とも絶対にこういうの、近所にいたよね~~と思うキャラクターでした。今の子供たちには分からないかもしれないけど、野原で年の違う近所の子供たちが一緒に駆け回る経験をした世代なら実感できると思います。人差し指と中指をクロスするネタとか、めちゃめちゃ懐かしかったわ~~
子供時代はミッキーの方が好み
でも、2幕で成長してからは完全にエディに恋してました……はい、白状いたします
またもや浮気の虫が
岡田さん、素敵ですぅ~~
本当はミッキーの彼女のリンダが好きだけど本心が言えなくて、そしたらリンダが薬中毒になったミッキーのことで相談しに現れるところで、二人が昔3人で無邪気に遊んでいた頃のようにデート(ある意味……ね)する場面、思いっきりハートを飛ばしまくりでした
勝手にリンダになりきってお姫様気分
実は、、、マリウスの時も同じ感じだったんですわ。彼だけがやる演技にも惚れたんですが……コゼットになりたかった
もうぅぅ~~じいが浮気しちゃうのは本命がちゃんと捕まえてくれてないから!と勝手に責任を押し付けちゃいます
母親役のTSUKASAさんはハスキーボイスでジャズシンガーっぽい歌い方
この作品はかなり……っていうかほとんどこのジョンストン夫人が歌っているんですよね~~冒頭シーンはちょっと年を取りすぎな感じがあったけど、後半は母性に溢れた母親にピッタリ。もう一人の母親・ライオンズ夫人の久世さん、確か前にお会いしたのはM!の時の男爵夫人だったかな~~あの時も悪くなかったし、今回も上流階級の夫人を見事に演じていたと思います。最初はちょっと、、、ジョンストン夫人同様に……ね
ただ欲を言うならもう少し強い存在感が欲しかったかも
リンダの鈴木亜美ちゃん。じい、ASAYANでデビューする過程から知っていますが、ずいぶん線が太くなったというか、男よりも成長が早くてませている女の子っぷりが良かったです。昔はいかにも男受けするような雰囲気が何だかな~
と思っていたんですが、大人になりましたわ~~亜美ちゃん
そして、、、ストーリーテラーの下村さん。言っちゃっていいですか~~
邪魔 かつらのせいもあるんですが見た目が思いっきり千の風の人
それも気に入らなかったのですが、それ以上に存在がとにかく目障りで……確かにアクが強い、どす黒い雰囲気が必要な役だと思うんですよ。ただの狂言回しじゃなくて、ラストの悲劇を予感させるものを随所に埋め込む大事な役どころ!それなのに存在が邪魔ってどういうこと???歌は確かに上手い……と言っても特別凄いわけではないし、オレ様的な歌い方や仕草があるけどそれが許させるだけのものがないんです。例えば、この前まで吸血鬼だった人は他はどうであれ(爆!)「~様だから」と許される部分はあるし、時に派手すぎる存在感でヘキヘキすることがあるジャベでジョンな人もその華やかさで納得させるものがあるんですよね。でもね~~それがないんです、、、大根以外の何者でもない……某劇団にいれば他もそうだから(爆!!)主役を張って目障りになることもないんだと思うんですけどね~~何だかこれならマンネリ化してでも兄ルキの方がマシに思えてきた…
最後は毒吐きになっちゃったけど、この点を除いたら良い観劇でしたわ
初日付近に行かなくて良かった~~通ってた可能性大!ま、それはそれでもっと深いところまで探れた作品だと思いましたが……1回では観切れない、感じ切れない多くのものが潜んでいると思うので