観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

民主党の「決断」は怪しいというネタ、本日3度目

2010-01-09 20:10:06 | 護憲勢力と仲間達
MSN産経ニュース(普天間「決断、知事にお願いするかも」 平野官房長官、会談で表明)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100109/plc1001092116011-n1.htm

>「知事…。私の方も知事の決断をお願いするかもわかりません」

>9日午前。沖縄県庁6階の知事応接室では仲井真(なかいま)弘多(ひろかず)知事と向かいあっていた平野博文官房長官が突然、こう切り出した。

>政府の迷走にすっかり「県外移設論」に傾いていた知事は一瞬凍り付いた。

>政府の最終結論は、知事が否定する「県内移設」かもしれない-。平野氏の発言をサインだと理解した知事は「恐ろしいですね…」とつぶやいた。

これは分かり易い。確かに恐ろしい。仲井真知事の主張並びにこれまでの経緯(他の県内はもっと無理)を理解していれば、決断の意味は遠まわしの「辺野古にしたから気持ちは反対だろうが合意してね」ということでしかありません。しかし、鼻の効く(?)平野長官はこう逃げます。

>平野氏は同日夕、記者団に発言の真意を聞かれ「これで決めたから(知事に)飲めという意味ではない」と語った

じゃあ、どういう意味さ。

>社民党は「辺野古は自然の宝庫」(阿部知子政審会長)と断固反対で、民主党の小沢一郎幹事長も「沖縄のきれいな海を汚してはいけない」と繰りかえす。選挙結果を受け入れにくいムードがある。

何遍でも書きますが、それは衆院選の時、その後も民・社・国は県外移設を中心に、辺野古案見直し(自民党政権の否定)ということで散々吹いてますから。今更ゴメンナサイは言いにくい。この記事には書いていませんが、反対派候補の公認をしてしまっている(取り消しのニュースは確認できていません)という問題もあります。

>防衛省の長島昭久政務官は9日、拓殖大学海外事情研究所主催のシンポジウムで「市長選の結果が(辺野古案)推進の方向に出ても実行には相当な覚悟と困難を伴う」と指摘する。県外移設の期待が高まる中で辺野古移設を進めれば、反対派が建設阻止行動を激化させかねないからだ。

だから、民・社・国の辺野古否定のムード作りが党利党略で問題であり、解決するためにはゴメンナサイをして(これまでの主張の誤りを認めて)悪者になった方がいいと言っています。それで済まなくなっている可能性もあるのかもしれませんが、それは正しく煽った人の責任でしょう。

>長島氏は9日のシンポジウムで、こう語った。

>「現行案より良い案が出てこない限り、米国は受け入れることはない。ということは、いまの普天間飛行場の危険性は継続する…」

それはそれで問題だということです。デリケートな問題を民・社・国が大した考えもなしに政争の具にしたから、こうなってしまったと。社民がその中でも強硬ってのは分かりますが。いずれにせよ、私は自民党(野党)支持者ですから遠慮なく、政権を担当する民主党が政策的な間違いを認めて辺野古移設案を進めればいいんじゃないかという線で、行ける所まで行かせてもらいます。

以下話はそれて蛇足の人物評になりますが、民主党の防衛族の中で長島氏の政策的な正直ぶりは私は好感が持てるところがあります。妙に(政策的に)シンクロするところがありますから。

MSN産経ニュース(「普天間県外移設」を批判 長島防衛政務官「あっち行けといえるか」)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091208/stt0912082002010-n1.htm

彼の意見は政策的にはほとんど違和感を感じたことはありません。ソマリア海賊問題当時も正直にしゃべって、「小沢外交政権取れば豹変」発言(時事2月4日)で、政局的な意味で総スカンをくらったことがあります。実際には豹変しなかっので、政局的な空気を読む力はゼロに近いのかもしれませんが、そこに面白みを感じます。

民主党防衛族の代表格前原氏は最近は違うみたいですが、県外移設を言った(12月 4日ロイター)ように、多分苦手なのに変に空気を読むからでしょうが、時々あれっと思うことがあります。それはつい先日記事にしましたし、(専門家ではないからかもしれませんが)八ツ場ダムでも党の意見に従い失敗しているように見えます。

北沢氏は大臣として(間違った)内閣の方針に配慮しているだけなのかもしれませんが、空気を読みすぎで、大臣としては政策的信念に欠けるきらいがあるような気がします。どうも政策的にこうだと引っ張る感じがないので物足りなさがあるということです。

政争に利用される永住外国人に対する地方参政権(選挙権)付与法

2010-01-09 19:11:21 | 護憲勢力と仲間達
MSN産経ニュース(外国人参政権「通常国会で必ず成立」 山岡氏)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100109/stt1001091713008-n1.htm

>山岡氏は「日本は一国至上主義でやってきたが、これからはそういうわけにはいかない。あらゆる国の人が結集するのが強い。合衆国みたいにしないと日本の明日はない」と述べた。

えー、この人何を言っているのでしょうか。この問題は、永住外国人に対する地方参政権(選挙権)付与法案の問題ですから、要は、既に永住しており自己認識以外ではほぼ日本に同化している言える永住外国人に地方の参政権を与えるかどうかという問題です。だから成立したって、ちっとも合衆国のようにはなるわけではありません。それは外国人移民の問題で、この話とはまるで関係ないことは明らかです。さすがに山岡氏がそんなことを知らないアホだということではないと私は思います。

仕方がないので、この発言の意図を解読するとこうなります。

公明党さんに向けて放った観測気球。あるいは社民・国民新に向けて放った牽制球。

公明党さんはかねてから永住外国人に対する地方参政権の付与にむけて動いてきました。民主党は参議院で過半数を制しておらず、鳩山政権は連立政権の運営に苦慮しているようにも見えなくもありません(私はそんなタマかと思いますが)。元々真の代表こと現民主党幹事長氏やその腹心山岡氏は公明党と一緒に新進党で活動していました。知らない人が読んでいるとは思いませんが、いるなら「新進党」でググってください。公明党現代表も新進党の一員であり、民主党の小沢一郎幹事長と「一・一ライン」と呼ばれる関係を築いた公明党の市川雄一元書記長が8日、党常任顧問に就任しています。

MSN産経ニュース(「一・一ライン」の市川氏が公明の常任顧問に 民主連携の布石か)
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100108/stt1001081754006-n1.htm

公明党は元々中道左派よりなので民主党とはそんなに政策的に遠いわけではありません。そういうわけで普通に見ると、公明党さんを意識しているということになります。あるいは多少穿ってみれば、思い通りに動かない社民・国民新に向け、乗り換えることも出来るんだゾとカードを切って見せているのでしょう。有りもしないメリットをブチ上げて、永住外国人に対する地方参政権(選挙権)付与法案をプッシュするには、それだけの理由があるはずです。

このブログでは既出ですが、私は改めて反対です。実態的にはほぼ同化していながら、帰化はしたくない気持ちが強い永住外国人さんの主張を知らぬでもないですが、デリケートな領土問題を地方政治から煽るのではないかという現実的な懸念が理由です。まず結果として当該国との亀裂は深まる結果となるでしょう。

沖縄県民の被害者感情

2010-01-09 18:14:47 | 政策関連メモ
沖縄県は元は琉球王国という独自の王国で、それが江戸時代、薩摩藩に事実上支配され、更に明治時代、琉球処分で沖縄県となりました。そして、第二次大戦において沖縄戦で本土の犠牲となり、アメリカの統治下に入ります。そして1972年、本土復帰し、今に到るわけです。

そうした歴史的経緯がある以上、被害者感情があっても止むを得ません。そんなことは誰しも分かっており、負担軽減のため、辺野古移設案が成立しました。当然、鳩山政権が成算なきまま迷走しているだけならば、辺野古移設案で早期決着し、沖縄県の負担を早く軽減すべきだということになります(ずっと私は辺野古だろうと言っています)。(そうは見えませんが)もしも成算があるなら、グズグズして沖縄県民の気持ちを弄ぶべきではありません。伊江島や下地島は既に検討済みで反対もはっきりしています。白々しいアリバイ作りの視察パフォーマンスがあるのではないかと疑問を持っています。

MSN産経ニュース(平野官房長官が普天間移設で下地、伊江両島を上空から視察へ)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100107/plc1001071945017-n1.htm

投げっぱなしを再確認

2010-01-09 17:32:54 | 護憲勢力と仲間達
asahi.com 政治 2010年1月9日11時42分 官房長官「負担減考慮し移設先決定」 沖縄で知事と会談
http://www.asahi.com/politics/update/0109/TKY201001090152.html?ref=rss

>「知事のご決断をお願いするかもしれない」とも述べ、移設先を決める段階では知事の了解を得たいとの考えも示した。

この発言は朝日でも取り上げられていますが、大事な話なので再度取り上げます。移設先がもしも県外に決まるなら、知事は諸手をあげて大賛成するでしょう。いちいちニュースにすることではありません。まず有り得ないと思いますが、万一辺野古以外の県内の何処かに決まれば、想定外もいいところでしょうが、仕方なく反対はしないのではないか。移設先が辺野古(=現行案通り)なら、知事があえてストップするという話はないということが前提だったはずです。朝日の記事を読んでいると、辺野古に決めたから、了承を得に来たように見える。

>一方、仲井真氏は基地移設による普天間の危険性除去を改めて求めた。また、「今の普天間の運用レベルを下げて頂きたい」と述べ、移設完了までの間も、普天間に常駐するヘリコプターの訓練を別の基地で実施するなど負担軽減を求めた。

鳩山政権に求めるようなことではありません。ヘリコプターの訓練なんかは米軍が決めていることです。政府にやれることは、沖縄県民の要望を米軍に伝えることのみで、それは常々懸案であったから、市街地にある普天間の負担軽減をしましょうということで、沖縄県民によりベターな案として、辺野古移転案が出来、日米政府が合意するという経緯になっています。アメリカにしてみれば、辺野古移転案が(民主党のせいで)潰れれば、元通りということに当然なってしまいます。白紙の段階から、どういう合意が出来るかは定かではありません。

沖縄県知事の意志も沖縄県民多数の意志も既に相当程度明らかです。アメリカの主張もはっきりしています。(かつて政権を担当していた)自民党の意見もはっきりしています。決められないのは鳩山政権のみで、ゆえに迷走しているようにしか見えません。今必要なのは、鳩山政権が真摯になることだけでしょう。まずはあなた方がシッカリしてください。

沖縄県民の思い

2010-01-09 17:16:38 | 護憲勢力と仲間達
民主党web-site 2010/01/08 沖縄県民の思いの理解を 鳩山総理

>「まずは、沖縄県民の思いを官房長官に十分に理解をしていただき、その中からアメリカにも理解をしていただけるような解決策を見だしていきたい」と期待を示し

普天間が危ないと沖縄県民の思いを受けて、当時の橋本政権が努力して作り上げたのが現行の辺野古移設案です。出来もしないことを吹いて、沖縄県民の気持ちを弄ぶのを即刻止めて、辺野古移設案で決着しては如何でしょうか。もしも勝算がおありなら(散々難しいと言っているのだから、ないはずですが)、少なくとも沖縄県民には、そう説明すべきでしょう。

オープンの看板に偽りあり

2010-01-09 12:56:35 | 政局・政治情勢
民主党自慢の情報開示ですが、党首討論も逃げまくっているように、都合が悪くなれば(誰が見てももっともなことでも)コソコソ逃げ回り始めます。私に言わせれば、まるで肝心なことに答えず、堂々空虚な抽象論で煙に巻く鳩山流討論術で、前政権の頃からそうした傾向は見えていましたが、堂々チキンということでしょうか。民主党自慢のオープンに偽りありと私は考えます。以下、してみたい質問。

①住民重視とか言っているが、八ツ場ダムで住民の要望を無視したことはどう考えるか。しかも、コストが余計にかかるそうだが、一体何のつもりか。

②普天間問題は第一に国がアメリカと交渉しながら決めることで、自民党政権からの引継ぎ事項だが、ちゃんと理解しているのか。現行移設案はこのままでは(民主党の不手際で)潰れると思うが、普天間が市街地にあるという状況をどう考えているのか。

③党首討論からどうして逃げるのか。現行党首討論は一方的な野党からの質問だけに終わらず、与党に有利な逆質問の権利が認められている。よほど隠したいことがあるのではないか。党におまかせしていると言うが、代表としてリーダーシップがあまりにも欠けているのではないか。

④社会保障費の自然増をどう考えているのか。前政権はヘソクリと税収の区別はついていたが、鳩山政権は区別出来ないようである。ただでさえ危ないのに、ヘソクリを使ってローンを組んでいるようだが、大丈夫なのか。

⑤得意の直接バラマキだが、貯金に回ると景気の浮揚にはならない。理解出来ているのか。ましてや財政が悪化すれば、いずれ返してもらわなければならない。ここも理解出来ているのか。出来ているなら、何故今国が出て行き、もれなく家計を暖めようとするのか。デフレは今の明らかな傾向で、お金を使わない傾向に国民はあるのではないか。民主党の政策は物凄く無意味に見えているが、答えてもらいたい。必ずしも貯金が悪とは思わないが、国が配るのであれば、目的を持って使うところに回さないといけないのではないか。

etc...(鳩山首相が憲法談義を言って、自民党が憲法改正を言って、憲法改正が前に進まない不思議な問題もありましたね)キリがないのでこれぐらいにしておきますが。

麻生政権は真面目に不人気な定額給付金(不景気の時の一時金/商店街などの努力もあり一定の効果はあったと考えられる)も含め、オープンに答えたと思います。民主党は過去の政権のやったことは(核密約など必要かどうかをどれだけ検討したかは怪しいものですが)暴露しようとしますが、自分のやった都合の悪いことは逃げの一手です。党利党略以外に何があるのか疑っているので、疑問を解消してほしいところです。「先送りに決めました」とか「自民党のせいで」とか「検討中です(そろそろ決まっていなければおかしいから聞いているのだが)」とか「誰それに任していますので(実際にはそこに権限がないことが多い)」とか、いい加減聞き飽きてきました。世論・マスコミ・野党に期待したいと思っています。

これは酷い、鳩山投げっぱなし政権

2010-01-09 11:54:07 | 護憲勢力と仲間達
MSN産経ニュース(普天間「決断、知事にお願いするかも」 平野官房長官、会談で表明)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100109/plc1001091036006-n1.htm

>米軍普天間飛行場(同県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題の早期決着を要望する知事に対し、平野氏は鳩山政権が5月までの決着を目指す中で、「知事に決断をお願いするかもしれない」と述べた。

仲井真弘多知事の立場は、県外移設が望ましいが、国が決めれば(止むを得ず)容認するというものであったはずです。県外に知事の権限は及ばないので、平野氏の言うことにはまるで意味はありません。国が決断すれば、県も決断せざるを得ません。誰がどう見ても元々そういう順番です。国防政策・外交問題を権限のない県に丸投げするとしか読めないことを官房長官が言うなんて!嘲笑・怒りを通り越して、あまりの無能さに呆れ果てるしかありません。

>平野氏は「決断」の意味について会談後、「諸課題を個別に詰める中で政治判断が入るところでは、お願いをしなければ止まってしまう」と記者団に語った。

民主党お得意の困った時の屁理屈、出ました。決断=決めることです。中学生でも分かる話です。決断の意味を聞かれること自体、意味不明瞭な言葉で煙に巻こうとしていることの証明でしょう。県知事と話し合うことは大切ですが、基地問題は国が決めるしかありません。県が容認するかどうかの問題で、仲井真知事は望ましくはないが、国の決断には従うということでしょう。言っていることに間違いがあるわけではありません。問題が止まっているのは鳩山政権が決断出来ないから以外の何ものでもありません。

早期に決着しないと、自ら煽った炎がドンドン燃え広がり、結局ダメージが大きくなることでしょう。そんなことを理解出来ないとは考えにくいので、寧ろ煽った火を利用する(基地反対の世論を盛り上げてアメリカを悪者にして事実上追放する)つもりではないかと疑われているということです。名護市はこれまで曖昧派が勝ち続けています。国がさっさと悪者になればいいだけの話です。

与謝野氏の著書と鳩邦政局

2010-01-09 08:27:48 | みんなでやろうぜ
MSN産経ニュース(「民主はミクロの決死隊」自民・与謝野氏が経済政策批判)
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100109/plc1001090804005-n1.htm

>自民党の与謝野馨元財務相が今月下旬に2作目の著書「民主党が日本経済を破壊する」(文春新書)を出すことが8日、わかった。

私も与謝野氏の言葉で増税は政策的に必要だと腹を括ったクチですから、引き続き注目しています。ただ、私も経済成長にともなう租税収入の増加により日本の財政再建を実現するという上げ潮派の主張は根本的には成り立たないと思いますし、そんなことを試す余裕もないと思いますが、財政再建派は相当上手くやらないと世論の支持を得ることは難しいだろうとも思います。

>昨年の衆院解散直前に当時の石破茂農水相とともに、麻生太郎首相に退陣を迫ったときの経緯を紹介。

私もたかだかブログ上のことですが、少々その辺に手を出しましたしね。麻生政権発足直後から喧嘩を売り続けた議員さん達の反乱に関して今更蒸し返すことは致しませんが、国会閉会で仕事のないタイミングで、然るべき人が内々に申し入れをするのは有りだと思います。経緯が明らかになるなら、これも興味のあるところです。

>鳩山邦夫元総務相と西川善文前日本郵政社長の進退問題では、「けんか両成敗」の同時決着シナリオから、麻生氏が「ブレた」としている。

ここは与謝野さんと違うところです。あれは鳩山邦夫氏が西川善文氏を追及するという構図だったのであって、両成敗をすべき「けんか」だったとは思えません。「お互いメンチ切りあって殴り合いに発展しました」なら、「どっちもどっち」でしょうが、鳩山邦夫氏が明らかに仕掛けた以上、鳩山邦夫氏の言動が妥当かどうかを(西川善文氏の自己弁護を聞きながら)判断していくのが基本的な流れでしょう。当時鳩山邦夫氏は自身の主張を高々掲げ一歩も引く気配はなかったと思います。それは自らの正義を信じる鳩山邦夫氏にしてみれば当然だったのであって、けんか両成敗で治まりがついたかは非常に怪しいと言わざるを得ません。この問題における麻生氏の最終判断は今でも正しかったと私は思います。やや脱線気味ですが、鳩山邦夫氏退任が妥当だったと思うものとして、最後にこの政局についていくつかフォローしておきます。

①支持率が下がったではないか→鳩山邦夫劇場にそもそも問題ありというのが私の立場。麻生政権の当初方針に問題があったのではないか。その結果支持率が下がったということ。政局的には、郵政民営化派の反乱で自民党は木っ端微塵になりかねない危機を回避出来たメリットは非常に大きかったと今でも思います。とにかく、まるで根回し出来ずに(自民党を纏めきれずに)鳩山邦夫氏が猪突猛進したことに問題があったとしか思えません。

②かんぽの宿の売却値段が安すぎた→ランニングコストの問題もあります。西川善文氏を全面的に擁護する気もありませんが、経営判断として、そう外れてはいなかったのではないか。

③西川善文氏は犯罪を犯したのではないか→立証できていません。少なくとも本人は明確に否定しています。私は犯罪者を擁護するつもりはありませんが、このようなデリケートな問題を堂々公開して、「間違えました」では本来済まないはずです。また、解任権があるにも関わらず「自発的辞任をせまる」というのは根本的に矛盾しているのは明らかで、それ自体間違っているということです。これは予め合意して「自発的辞任ということにした」というケースではありません。要するに素人大臣が気軽にデリケートな問題に手を出して、ショー化したがゆえに当人性格的なものもあって後に引けなくなり、迷走した(私が正しいという結論だけ変えないために言動がブレざるをえなかった)というだけの話で、始めから犯罪を立証してバッサリやるということであれば、誰からも文句は出ていませんし、途中で退くことも可能です。

④鳩山邦夫氏は西川善文社長をクビにしたかった→始めからそのつもりで必要な手続きを取ってやっていれば、反対は出来ません。鳩山邦夫氏はそうしたことが可能なポジションにありました。問題は考えなしのポピュリズムで不完全な不祥事を創り出した鳩山邦夫氏のマッチポンプにあります。

⑤民営化反対!→ユニバーサルサービスの観点から、採算の合わない地方をどうするかの視点は必要で、その意味において、完全民営化出来るかは疑問もあるのですが、(特に郵便事業の)合理化自体は必要なはずです。そうやって日本郵政を強くすることは、競合他社が強くなるということで、寧ろ民間会社の反発を受ける可能性が高いでしょうが、それも必要なことだと思います。株式売却で得た資金で借金の穴埋め・景気の下支えが可能になることを考えると、いろいろ(傾聴すべき)反対意見はあるかもしれませんが、政策的には民営化は大きなメリットがあると判断するのが妥当だと思います。キチンとやれば、世論の支持を得ることも可能だと思います。麻生政権が民営化反対だったとは思いませんが、結果として民営化反対派を勢いづかせたことは否めません。