観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

生活保護でギャンブルすることは違法ではないのか?

2017-11-07 23:53:54 | 政策関連メモ
「生活保護でギャンブル」を納税者は我慢しなければいけないのか(IRONNA 木曽崇(国際カジノ研究所所長))

生活保護者がJRAのPATに加入できないというのは初耳ですね。現物支給が生活保護で配られる商品のブランド低下に繋がるといった指摘もありますし、食べ物の好みぐらいあるでしょうから、現物支給にも問題があるという意見は分かります。ならば、ギャンブル業者は生活保護者相手に商売をしてはならないと決めてしまうのも一案だと思います。それができない憲法でもないでしょう。だとしたら、PATが生活保護者を拒否しているのは違憲になります。ギャンブルしたい人は、サークルでゲームするので我慢するとか、お友達どうしでチョコレート(本物にしてください)を賭けて遊んでもいいと思うんですよね。パチンコの年齢制限もありますし、警察が遊技場を時々巡回して、生活保護者に注意しても筆者は構わないと思います。そもそも生活保護で贅沢は許されないという基準はあるそうです。生活保護法の実施要領では当該地域の全世帯の70%程度の普及率を基準として物品保有を認めるとする条項があるのだとか。そもそも生活保護でギャンブルをすることが違法でないかと考えられます。

※筆者のfacebook投稿から再録。

「平和のプロ」日本は「戦争のプロ」ベトナムに学べ

2017-11-07 21:40:45 | レビュー/感想
「平和のプロ」日本は「戦争のプロ」ベトナムに学べ(毎日新聞社 大武健一郎 2015年2月)を読了。

トランプのアジア歴訪で改めてベトナムが気になり、本屋でチェックして買った2冊の本の内の1冊。本来は日本外交こそが重要な訳ですが、やはりアメリカがどう動くかによって、日本外交が左右されるところもありますので、目が離せないところです。

筆者は東南アジア諸国の中では、もっともベトナムが気になっているのですが、理由は(小国であるにも関わらず)中国に対して必ずしも屈しない姿勢があるように見えているからです。ベトナムのような国が頑張ってくれないと、東南アジアは中国が牛耳るところになってしまうでしょう。日本としてはそれでは困ります。

著者はベトナム簿記普及推進協議会理事長で、元大蔵省官僚(主税局長を経て国税庁長官)ですが、ベトナムに関する見解も然ることながら、日本に関する経済観も筆者に近いところがあるような気がします。例えば、実学軽視に警鐘を鳴らしています(70p~72p)。大正期の日本は、商業高校、工業高校をつくり実学をしっかり教育したことを挙げ、その結果、日本各地に中堅・中小企業が育ったと言います。良い例として、浜松のホンダ、スズキ、ヤマハで、当時浜松高専の卒業生と浜松商業の卒業生がタッグを組んで起業したそうです。筆者は特に中小だから支援すべきという立場に立たない訳ですが(大企業の方が効率がいいなら、大企業で構わないと思います)、日本の名だたる企業も今で言うベンチャーから始めた企業が多く、中小企業が成功していくストーリーが生きている国が経済で活力のある国なのかなと思います。これは時代の問題もあって、今車屋を始めたところで、電気自動車や自動運転の研究開発を総合して戦略を練るのは、資金面・人材面で厳しいのは間違いないと思いますが、例えば個別の技術に特化して(電気自動車に特化している会社としてはテスラが有名)、成功したら大手に技術や会社を売るとかそういうサクセスストーリーが必要なのではないかと思います。ITでも目ぼしい技術をグーグルが買ったりしますよね。やはり可能性を信じて自分でやらずに、何か他所様が開発したものをマネるだけなら、大手には絶対勝てない訳で、中小は小回りが利くことを活かして、これまでにないものを生み出してほしいですよね。勿論、それが成功に繋がらないと誰もそんなチャレンジはやらない訳で、中小が開発して成功したものを、大企業が対価も払わずコピーするようなことがあるとすれば、そんな国の経済に未来はないんだろうと思います。

ベトナムでは日本の中小企業が入って実学を学んでいるそうです。これから期待できる国かもしれませんね。日本も自らの良さを忘れず、かつ時代にあわせて対応していなかければなりません。

ベトナムの指摘で面白いのは、日本に賄賂の風習が無くなったことの指摘のくだりです(93p)。何でも戦争に負けて歴史も改ざんされて気の毒だけど、賄賂というアジア的風習が無くなって良かったじゃないかというんだそうですが、誉められているんだか何なのか何と言っていいか良く分からない指摘ですが、まぁ賄賂は少ないっちゃ少ないようですね。それは良いことですが、どうもアメリカに負けたからというだけでなく、これは清貧をむねとする武士役人の流れを汲んでいるのではないかとも思いますね。公共サービスのために賄賂、日本はアジア最低の0.2%、中国26%―国際NGO(Record China 2017年3月9日(木) 1時10分)>割合が最も高かったのはインドで69%、ベトナム65%、タイ41%と続いた。マレーシアは23%で9位、台湾は6%、韓国は3%だった。 ・・・日本や台湾を除いて筆者が好きな国ほど、賄賂が止められない国であるのは面白いというか、残念なところではあります。ベトナム人も必ずしもいいこととは思っていないようですが。

ベトナムは指導者層・上流階級が日本語を学ぶことが多いようです(138p~140p)。中間層が日本語を学んでくれることも大事とは思いますが、指導者層に日本ひいきが多いとすれば、こんなに心強いことはありません。やはり中国との対抗意識で近場で学ぶべきことがあると言えば、日本になるんでしょう。

この本にはベトナムの良いところも悪いところも書かれています。移民嫌いの人はそもそも読んではくれないでしょうが、本当はそういう食わず嫌い的な人こそ読んで考えてほしい1冊だと思います。今のままでは日本は急激に小さくなることは誰しも分かっているのだから(中国もいずれ少子高齢化時代が到来しますが)、そうならないために、あらゆる選択肢(移民と少子化対策しかない訳ですが)の検討が大事ではないかと思った次第です。

兎も角、東南アジアが中国に吞まれたら、いずれは時間の問題で日本も中国に吞まれるでしょう。筆者はチベットやモンゴルみたいになりたくないですから、中国傘下よりはアメリカ傘下の方が良いと考えるものです。幾ら日本が日本人だけで日本列島に閉じこもりたいと思ったとしても、国際社会はそれを許さないと思います。上手につきあっていくことが大切だと思います。