今、ドラマでもしている「まっすぐな男」そして「曲がらない女」
自分に正直で曲がった事が嫌い、自分の信じる道を突き進む・・・。
とても生きにくい世の中。少しくらいいい加減でないと世渡りは出来ないよね。
そう思いながらドラマを見ていました。
でも、私もいっちゃんさん(主人)も結構まっすぐなんだと実感する出来事が・・・。
私の町は不燃物の分別がとても厳しく、アルミ・スチール・透明瓶・茶色瓶・その他の瓶・スプレー缶・乾電池・電球・陶器、ガラス等細かく分類が分けられています。
収集は月に一度しかないため、その日に出さないとまたひと月ありません。
うちの地区の収集日は22日(月曜)だったので、20日(土曜)には収集用のコンテナが並べられていました。
私は分類された缶や瓶などをコンテナに入れるために、土曜の夕方そこに行くと、そこにはコンテナ6~8個分くらいの不燃物が山のように入れられています。
そして、それはちゃんと分類されていなくて、いろいろなものが混じっています。
途方にくれていると「さっき軽トラで2人連れが山のように降ろしていたよ。」と通りすがりの人が教えてくれました。
他所から無断で運び込まれた物のようです。
分類されていない不燃物は収集されないので、その場に置いていかれます。その上、山のように積まれているので、肝心のこの地区の人はゴミを入れる事が出来ません。
1軒のお宅に相談に行きましたが、「そのまま置いておけば・・・。誰かがするだろうし・・・。」という返事で、途方に暮れ、とりあえず家に帰ったのですが、夜にお店を閉めてから意を決して、片づけに行きました。
でも、それは想像以上でアルミ缶の中にスチール缶が入っているとかいうのではなく、缶のふた、割れたガラス、割れた陶器、鉄の破片、混じった瓶、山のようなスプレー缶。
トルエンまで
消防法による危険物(第四類 引火性液体、第一石油類)に指定されており、一定量以上の貯蔵には消防署への届出が必要である。
人体に対しては高濃度の存在下では麻酔作用がある他、毒性が強く、日本では毒劇法により劇物に指定されている。
ラッカーうすめ液
消毒用アルコール
気がつくと手を何かで切り、血で右手が真っ赤に染まっていました。どうしても止まらないので、またバンドエイドを取りに家に戻ったところ、
「どうしたん?手、血まみれやんか。」
いっちゃんさんが驚いた様子です。
「もう、ママって。僕もホントは嫌やのに・・・。」と叫びながら、上着を着て軍手をして、分別を手伝ってくれました。
違う家に電話をしたところ、そこの奥さんや旦那さんも慌てて駆けつけてくれて、片づけを手伝ってくれました。
片づけているとスプレー缶に学校の名前がサインペンで書かれている物が何個も見つかり、これはすぐ近くの県立高校のゴミなのだと確信して、その後、区長さんやその学校の関係者にも連絡をとりましたが、休日の夜と言うこともあり、みんなが蚊帳の外のようで・・・。
部名の書かれたたくさんのスプレー缶
スプレー缶だけで100缶近くあります。
(現場を見てもらおうと思ったのですが・・・)
「放っておけばいい。誰かがする。」それもひとつの選択肢。
誰かは自分でない誰か。もちろんそれも正しいのでしょう。
でも、現実に困るのは自分達で、困らないのは部外者の人たち。
2時間足らずかかり、何人かで片づけられるものは全部片付けて、その場を後にしました。
(その夜は寒くて、本当に大変な作業でした。)
このゴミはすべて1台の軽トラが運んだものです。
分別して、綺麗に並べました。
(朝撮った写真です)
そして日曜日、役所の担当者が現場確認に来て、証拠となる大量のスプレー缶も差し押さえ、学校に事情確認と指導をするという報告が来ました。
片づけは大変だったけれど、それでみんなのゴミも出せたし、これで二度とこんなことがなければ本当にいいと思っていました。
でも現実は月曜の夜に近くの高校の教諭から電話があり、
「あのゴミはうちの高校のものに間違いはないけれど、業者に出したものなので、学校は全く責任はありませんから。」という連絡でした。
電話に出たのはいっちゃんさんでしたが、とても落ち込んでいました。
なんだか頭が痛い。
確かに業者が悪いのかもしれませんが、学校のゴミには間違いはないのだし、何時間もかけて片づけたのです。
一言、ご迷惑をかけて・・・という言葉があってもいいのでは?
私達も多分業者なのだと思っていたのですから。
もちろん勝手に片づけたのは私達です。でも、片づけなければ困るのも私達なのです。
(何だか本当に淋しい世の中です。)
今回のことでいろいろなことが見えました。
ゴミひとつにしても、出した責任というのはないということなのですね。
どれほどめちゃくちゃな大量ゴミで、どれほど迷惑したかということも、わからない人にはわからないということです。
自分の手を離れれば責任はないということです。
どうして欲しいということではなかったのに、気持ちの問題なのに、とても悲しい気分でした。
わたしの血まみれの手を見て、手伝ってくれたいっちゃんさん。
一緒に片づけてくれた近隣の方々。
本当にありがとうございました。
「馬鹿じゃないの。」って、笑われているのかもしれないけど、私達はやっぱりちょっとまっすぐな男とちょっと曲がりにくい女なのかもしれません。
少し救われるのは、私が片づけ始めた時、旦那さま(いっちゃんさん)が手伝ってくれたこと。
血まみれの手を見て、「馬鹿じゃないの?」って言われると思っていたから・・・。
こんな主人で私は幸せだと思います。
この文章を下書きし、悲しい気分でその夜は眠りました。
(どうしてもupする気になれなくて・・・)
でも、次の日の午後、学校関係者の方がお詫びにきてくださいました。
業者には出したけれど、出した後の責任はあります。対応が悪かったと・・・。
その業者は回収だけの業者なのだそうです。
やっと一件落着です。とても長く感じました。
また同じ事が起こらなければいいのです。
わざわざ来てくださって、本当にありがとうございました。
気分がすっーと晴れました。
役場の担当の方にも大変お世話になりました。
本当にありがとうございます。
学校のことも嫌いにならずに済んで、本当に良かったです。