おまけ 札幌市内にはふくいと呼ぶ地名が2か所あります。
札幌市東区の福移(ふくい)は…
福移地域は明治15(1882)年、木野束氏を筆頭とする旧福岡藩黒田家士族40余戸が入植したのが
始まりで士族たちは「北海道移住開墾社」を組織するなど、少しずつ開墾を進めていき、明治25年
には63戸、明治31年ごろには140戸、人口600人を数えるようになりました。
しかし、明治31年、37年に起きた石狩川の大洪水が、この開拓地を徹底的に痛めつけ多くの
農民が村を離れていきました。また、石狩川の治水対策によって蛇行した流れを直線化したこと
により水没した農地もあります。
福移という地名の由来ですが、明治17(1884)年、福岡藩士の高崎国丸氏を教師に迎えて寺小屋教育
が始まり、明治25年には、小さな掘っ立て小屋を篠路教育所の仮分教場に昇格。
高崎氏が、福岡の「福」、移住の「移」をとって「福移分教場」と命名。
後に、これが定着して、「福移」の地名になったそうです。
福移分教場は、大正3年、石狩川治水工事のため、現在地に校舎移転となり、今の福移学園に至っています。
福移が正式な字名となったのは昭和12年で、それまでの篠路村字当別太は、篠路村字福移に地名変更。
この辺は「中当別太」から「中福移」と呼ばれるようになりました。昭和30年には、札幌市と篠路村の合併で
篠路町福移に。
昭和47年、札幌市が政令指定都市に移行する時に中福移地区は北区と東区に分割、東区では中沼町の一部となり
現在に至っています。
「福移」の地名が付く 札幌市立義務教育学校 福移学園(旧福移小・中学校)の所在地は東区中沼240番地
天文台があるのですか!
(口径35cm反射望遠鏡で旧西岡天文台から平成20年に移設されたそうです)
福移神社
(東区中沼町238番地)
御祭神 天照大神・大己貴命・少彦名命・倉稲魂命・埴安姫命
篠路神社の境外末社です。
境内には
昭和6年9月15日建立の福移開拓五十年碑
昭和56年9月15日建立の 福移開拓百年碑
福移開拓の歴史は、厳しい自然との闘い、特に「水との闘い」であったといっても過言
ではありません。
困難の連続であったこの地の開拓も、築前魂で乗り切って、現在まで農業を続けている家もあります。
札幌市東区ホームページより
札幌市西区にも(福井)(ふくい)という場所があります。
こちらは、明治19(1886)年に伊藤太治兵衛や鈴木善兵衛ら最初の移住者が入植します。
彼らは福井県出身であったため、この地も「福井」と名づけられた。
彼ら開拓者たちは水田耕作を志したものの、農業用水が不足したため、炭焼きや造材運搬に従事して糊口をしのいで
いたが、発寒川を水源とする本格的な用水路が完成しました。
昭和17(1942)年には字名改正が実施されたが、「福井」という地名はそのまま採用となりました。
福井の地名が入る、札幌福井郵便局 (札幌市西区福井3丁目1-35)
開拓記念地蔵尊 (西区福井7丁目14)
碑の背面には
「明治三十三年福井地区 開拓記念地蔵尊として祀る 平成五年五月 山崎友彦氏建立」と刻まれています。
東区の福移は福岡県からの移住者に因み
西区の福移は福井県からの移住者に因んでいました。
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