「あほリズム」 (224)

2012-07-04 20:24:14 | アフォリズム(箴言)ではありません



               「あほリズム」


                  (224)



 正義は、権力者にとっては手段に過ぎないかもしれないが、

 しかし、社会の目的は正義の実現以外に有り得ない。

 正義が権力によって歪められるなら、社会で生きる人々は

 抗わなければならない。


                    (225)

 

力を持たぬ正義は無力であり、正義を持たぬ力は暴力である。


                         パスカル「パンセ」


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「継続か撤退か」

2012-07-04 06:15:43 | 「パラダイムシフト」



           「継続か撤退か」


 「ひとつの容器には800ミリリットル、もう一つには200ミ

リリットルの水が入った二つの容器があります。どちらの容器の水

も同じ量になるように移し替えなさい。但し、量の多い方の水を減

らしてはいけません。」

 かつて、非正規雇用の問題や格差社会の問題が頻繁にマス・メデ

ィアに取り上げられて、格差の是正を如何に取り組むべきかがよく

テレビでも議論されていたが、何を専門にされている方かは知らな

いがある女性が、「是正するにしても、上を下げずに下を上げなく

てはならない」とおっしゃった。居並んだ他の専門家たちは黙って

聞いていたが、その時に上記した問題が頭に浮かんだ。そんなこと

が出来るなら何も格差問題は起きないはずだが、議論の場に於いて

この手のまやかしは、述べてる本人も気付かずに言っているのかも

しれないが、矛盾に気付かず見過ごされることが多い。嘘が堂々と

正論として語られ誰もすぐにはそれに気づかない。つまり、格差問

題が経済問題にすり替えられている。かの女性なら他から水を持っ

てきて少ない方に注ぐのかもしれないが、すると今度は注がれなか

った容器の方が不公平だと文句を言って同じ量を求め、結局、格差

問題はなくならない。そもそもそんな水は何処からもってくるのか

というと国債を発行して充てるしかない。つまり、格差を生む根本

的な構造を改めないで、「但し、量の多い方の水を減らしてはいけ

ません」を守らんがために借金ばかりが増え続ける。

 野田総理を代表とする民主党をはじめ自民党などの政界、さらに

は財界や官吏などといった既得権益にしがみつく指導者の下で、い

くら改革のスローガンの旗を掲げても、掛け声ばかりで旗倒れに終

わるのをこれまで我々国民は何百回見てきたことだろうか。彼等の

改革とは「上を下げずに下を」どうするかばかり語っている。しかし、

有史以来、社会改革とは「上を下げる」こと以外にないのだ。彼等が

社会福祉などの下の問題を取り上げる時は自分たちの既得権益か

ら眼を逸らさせるためなのだ。収縮する経済の下で「上を下げずに

下を上げる」方法など無いに決まっている。消費税増税は「上を著し

く下げない」ために執られた政策以外の何ものでもない。水の量が決

まっていて同じように減っていき遂には下は底が見えようとしているの

に、それでも上を頑として下げようとしないすれば、もうこれは階級闘

争だと言っても過言ではない。つまり、下の者は上の者から奪い取る

しかない、と言えば過激すぎるだろうか。




                                (つづく)