「手のひら返し」
かつてベルリンでのオリンピック開催決定後にドイツの政権を握
ったヒットラーは、彼が率いる「ナチス党が、ドイツ国民の支持の
元にユダヤ人迫害政策を進めて」いて、「当初オリンピックを『ユ
ダヤ人の祭典』であるとしてベルリン開催に難色を示していたが」
(ウィキペディア)、ところが、国威発揚のプロパガンダになると諭
されて積極的にオリンピックを利用して大会は歴史的な成功を収め
、独裁政権の足掛かりにした。しかし、開幕前にはユダヤ人差別政
策を行なうナチス政権下での大会に異を唱えた西欧とアメリカは各
国にボイコットを呼びかけたが、するとヒットラーはまさに「手の
ひらを返して」強硬政策を緩和して、対外的に平和で寛容なドイツ
をアピールした。つまり、オリンピックとはたとえ人種差別政策を
行なうナチス独裁政権下であってもそんなこととは無関係に国民は
大きな関心を示すものなのだ。だとすれば、コロナ禍の下でのオリ
ンピック開催に反対することと、しかし開催されたオリンピックを
「手のひらを返す」ように声援することはまったく次元の違う話で
、それはオリンピックの成功がコロナ禍を終息させることなどない
ことからも明白である。
別の話を繋げるものは感情である。