「あほリズム」再掲載 2020-08-15 11:16:45投稿
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そもそも閣僚が靖国神社を参拝しようが、それを他国からとやか
く言われる筋合いはないというのはもっともなことだが、ただ、決
して忘れてはいけないのは、かつて日中国交正常化交渉(1972年
9月)において、故 周恩来首相が日本に対して戦争の「賠償請求の放
棄」を認めたのは、『「日本人民と中国人民はともに日本の軍国主
義の被害者である」として、「日本軍国主義」と「日本人民」を分
断するロジックによって「未来志向」のポリティクスを提唱し、共
同声明を実現させた。』(ウィキペディア『日中国交正常化交渉』)
からであって、ところが、喉元の短い我ら大和民族は過ぎ去った熱
さをすぐに忘れて、1978年にいわゆる東京裁判において処刑さ
れたA級戦犯、つまり「日本軍国主義」の指導者たちが、「日本人
民」である英霊が眠る靖国神社に合祀されたことによって「周恩来
の遺訓」(保阪正康)は踏み躙られ、
https://home.hiroshima-.ac.jp/utiyama/ISIS-12.3.W.html
「未来志向」のロジックは忘れ去られた。つまり中国からすれば、
その経緯を蔑ろにしているのは日本側であって、以来、彼らは日本
軍国主義者(A級戦犯)が合祀されている靖国神社への閣僚の参拝を
非難しているが、我々は何故彼らがそんなことにまで干渉するのか
さえ解らない。私から見れば、中国の反発は尤もように思えるが、
さらに言えば、「台湾は中国の一部」であることも二国間で合意さ
れている。
果たして、我々はこの約束を守れるのだろうか?
追稿 2021年8月15日
戦後わが国の主権者は「日本人民」に変わり、その代表である代
議士が「日本軍国主義」者が祀られている靖国神社への参拝を行な
うということは、「日本人民」がそれを支持したということにほか
ならない。中国政府からすれば、日本人民は国同士の約束を守らな
い「嘘つき」の人民ということになる。いずれその不信感は思わぬ
ところで報復されるが、我々は何故彼らが日本人民に敵対するのか
さえ解らず、ただひどい国だとしか思わない。