再び去年の旅に戻ろう。
3日目、11月21日。
後楽園を出たのが15時前。
夕食までにまだ行動できる時間があるが、さて、どこへ行こうか? と考えた。
続いて岡山城を徒歩散策する体力もなさそうだし、すぐそばの夢二郷土美術館には5年前に来ていることだし、それならクルマで竹久夢二の生家に向かおうと、いったんホテルの駐車場に戻った。
後楽園からおよそ23km、距離だけで考えるともう少し近いつもりでいたのだが、到着した時にはすでに16時を回っていた。
空が再び雲に覆われてきて、日没前に暗くなりつつあった。
カーナビの案内通りにクルマを進めると、目の前にどうみても通行するのが大変そうな道が現れたので、夢二の生家まで歩いて、駐車場のありかをたずねてみると、もう少し先に行くと駐車場があるとの案内を受けて、駐車場にクルマを置く。
ついでに閉館の時刻をたずねてみると、17時前後らしい。
あまり時間が無いので、急ぎ気味に夢二の生家と少年山荘を巡回してみる。
夕暮れの空気の中この場所にいると、(特に少年山荘では)今でも夢二がそこで創作活動のイメージを喚起させているような錯覚に陥ってしまった。
おみやげに図録と翌年のカレンダーを買って、邑久町をあとにした。
月が変わっても破ってしまうのがもったいないよう夢二カレンダーは、今、ワタクシの寝室で微笑んでいる。