【2012年10月28日】 TOHOシネマズ二条
テーマは、過去に何度も取り上げられた《ありふれたもの》ものだったから、見ようかどうしようか迷ったが、周防監督の『SHALL WE ダンス!』以来のコンビの配役とあって、見ることにした。
冒頭、検察からの呼び出しで草刈民代が検察庁に入る所が映し出された後、過去のシーンに遡って、話が展開していくが、前半はテレビドラマでもよくあるパターンで、新鮮味も何もなく《やはりはずれだった》かなと思う。
何とか《周防正行らしさ》が垣間見れたのは後半だ。大沢たかお扮する塚原検事が折井医師(草刈民代}の《殺人》を立証していく過程だ。
検察の《取り調べ》とはこんなものなのかと感心してしまう。
なるほど、人工呼吸器をはずしたら《静かに息をひきとる》と思っていたところ、予想外に苦しんだ姿を見せられた後には、検察の主張も当然と思えてくる。
なんなく《殺人》を認めさせられ、夕方には帰れると思った折井医師はその場で逮捕され収監されてしまう。
『それでもボクはやってない』(2007年)の緻密な論証、執念ともいえるきめの細かい描写と比べてみたら、やはりどこか平凡だ。『Shall We ダンス!』のようなときめくものもない。
周防監督と期待したが、前二作と比べるとやはり物足りない。
『終の信託』-公式サイト