【2013年10月29日】
この数日、NHK朝のテレビのトップニュースも新聞の第一面も『阪急阪神ホテルズのメニュー偽装問題』の事ばかりだ。《誤表示》か《偽装》かでもめている。
中国産のウナギを国内産と偽ったり、加工用の米を主食用と偽ったり、産地を偽ったりするのは、確かに消費者を裏切る犯罪行為だ。だからといってそれしかニュースが無いかのように連日トップで、《偽装》を認めた、認めないでそればかりを追いかけるのは、【『もっと大事な問題』から国民の目をそらす行為】としか思えない。
「レッドキャビア」か「トビウオの魚卵」か、「オマールエビ」かそれとも「別の安いエビ」かなどと言うことは、どうでもいいとは言わないが、大多数の庶民にはほとんど関係のないことである。『食の安全』や『産地表示』を問題にするなら、それよりももっと肝心で大多数の人間に影響を与える、『GM食料』や『残留農薬』のことを、なぜもっと報道しないのか。
『キャビア』だの『オマールエビ』だの言っていられない《食糧危機》の問題をどうして追及しないのか。
《ニュース》、《情報》は社会にあふれている。限られた紙面や、限られた放送時間の中で扱えるニュース・報道は、当然限られる。一昔、前の【大本営発表】のような明らかな《うそっぱち》は少なくなったとはいえ、《どうでもいい》事柄の羅列で、【本当に伝えなければならないこと】がその影に隠され、大多数の国民は真実を知ることから遠ざけられる。
一方、今国会では『特定秘密保護法案』が閣議決定され、本国会で成立を図ろうとしている。中国が、今回の爆破事件をはじめあらゆる局面で国民の目をふさぎ事実を隠そうとしていることに対し、言葉を荒げて激しく避難するくせして、国内に向けては、国民の目を覆い耳を塞ぎ、知る権利を奪おうとしている。
マスコミは今『1%』の利益のために乗っ取られようとしている。「みのもんたの息子がどうこうした」という個人的な話は、社会にとっては大きな問題ではない。
『報道』を『99%』の大多数のためのものにするためにも、『99%』はもっと声を上げるべきである。