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【 茶臼小屋での朝食風景 】
【 2015年9月22日 】
登山4日目
4:30朝食-5:45茶臼小屋出発-6:30茶臼岳-7:40喜望峰
-8:00仁田岳-10:30易老岳-12:45三吉平-13:50
静高平-14:05-イザルヶ岳分岐(イザルヶ岳には登らず翌日回し)
-14:20光小屋(荷物を置く)-15:05光岳山頂-15:15
光石-16:15光小屋に戻る
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【 4日目の行程 】
今日がこの辺の山小屋の営業最終日で、昨日「飲料の大安売り」と夕食時のおかずの「大判振舞い」があったことはすでに書いたが、朝食も、昨日捌き切れなかった分の分配があった。聞くところによると、『聖平小屋』でも同様の恩恵があったそうだ。《最終日》に来るとこんなご褒美があることを今後のためにも覚えておかねばならない。
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【 茶臼小屋の朝食-今朝もおまけがついた 】
山小屋での楽しみは、汗をかいた後のビールと、同じ山仲間との交流である。昨日のように早い時間に小屋に到着した場合は、陽のあたるベランダで喉を潤しながらお互いの《自慢話》を交換しあうのもよい。
2本700円のビールを買い、合わせて自前のアルコールを加え、つまみも広げて話をしていると時間のたつのを忘れる。夕食時も交流の場所になる。混んでいたら次の組に席を譲らないといけないからあまりゆっくりはできないが、この日の『茶臼小屋』のように適度な人数だったら話も弾む。
この小屋は実にアットホームなのだ。山小屋には小屋の主人やその家族の他に数人の臨時従業員がいる。だいたい大学生のアルバイトとか《山が大好きで大好きでたまらない自由人》だったりするのだが、ここにもテキパキ働く飛び切り明るい女性がいた。期間の初めからずっと住み込みでいるのかなと思ったら、そうではなく、連休を利用して京都からきてこの間だけこの小屋にお邪魔しているという。更に話をきいてみたら、某中学の『ワンゲル』の顧問をしていて、学校があるからすぐにとんぼ返りしないといけないようだ。
同じ京都のよしみで、1枚撮らせてもらった。(M.T.さん遅くなってすみません。記事を書く約束の《1か月》を大きくオーバーしてしまいました。)同僚かと思ったもう一人の女性は、なんと『茶臼小屋』と『光岳』間を6時間で往復すると聞いてびっくり。どこにそんなパワーがあるのかと、こちらも1枚。
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【 京都から来た、山小屋の《臨時看板娘》のM.Tさん 】
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【 『小屋』から『光岳』を6時間で往復する謎の女性 】
今日は、昨日よりも早い出発を予定したので、朝食も早めに済ませ、外に出ると、日の出直前の東の空がオレンジ色に輝いている。『茶臼小屋』と富士山はほぼ同緯度にあるから富士山は真東の位置に見える。太陽は富士山の《左肩あたり》に上がってくるという話だったが残念ながら日の出の時刻にはガスがかかってその瞬間は見ることができなかった。残念!
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【 夜明け前の富士山 】
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5:45、小屋を出発。後ろから、M.T.さんがやってる。朝日に照らされ茜色に染まる『茶臼岳』の斜面を尾根道の三叉路に出るまで登っていく。
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M.T.さんは寸暇を惜しんで、『上河内岳』を往復するそうである。三叉路で右と左に分かれ、自分らは『茶臼岳』頂上への登りにかかる。
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鞍部の三叉路から頂上までの道はだらだらした登りで、山容もどこかしまりがない。登り始めはガスもかかっていて、頂上というよりちょっとした丘のように見えるだけで、威容さも感じられず山の名前を付けるほどでもないかと思ったが、後で反対側から見ればずっとすっきりした形で納得した。
【 ガスっていた『茶臼岳』と霧が晴れた『茶臼岳』】
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途中、斜面から見る朝日が雲海を照らし出し、神々しい雰囲気に思わずシャッターを切る。
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【 朝日に浮かぶ雲海 】
6:30分、『茶臼岳』の頂上に難なく到着。
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【『茶臼岳』頂上到着 】
写真を撮った後、すぐに反対側に下り始める。やはりこちらの方が多少傾斜がきつい。岩のゴロゴロしている急斜面を20分ほど下ると岩稜帯からすぐに草付きの斜面になり、下るごとに低木帯になる。
『仁田池』は神秘的な雰囲気の漂う場所だ。
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【 神秘的な『仁田池』】
後ろを振り向いて見れば、ガスは晴れて、通過してきた山々が見渡せる。『聖岳』は遠くになってしまったが、台形の屋根のような形でそれと分かる。『上河内岳』と『茶臼岳』が同じような姿で並んでいる。西から吹き付ける風のためだろうが。標高も2800mと2600mで『上河内岳』の方がずっと高いのであるが、ここから見ると同じくらいの高さに見える。
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【 流れる雲に浮かぶ『聖岳』と『上河内岳』】 【 同じよう姿の『上河内岳』と『茶臼岳』】
平坦な道を気持ちよく進むと、『仁田岳』への分岐点である『喜望峰』に到着。時間もたっぷりあるから、【眺めがよい】という『仁田岳』に向かう。
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【『仁田岳』への分岐点である『喜望峰』】
『仁田岳』は前評判のとおり、ぐるりと360度遮るものがない絶好の眺望地だった。
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【『仁田岳』への登りから振り返る(中央左『喜望峰』】
ここまで来ると、『聖』から遠かった山も、もう手に届くところにある。目指す『光岳』がそれとわかる。肉眼ではわかりずらいが、カメラの望遠で覗くと、『イザルヶ岳』と『光岳』の間の山腹に『光小屋』らしき建物も見える。
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【 だいぶ近くなってきた『イザルヶ岳』と『光岳』(右)】
『喜望峰』に戻り、左に折れ、元来た道を直進すれば『易老岳』をへて、いよいよ『光岳』への登りに入る。
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【 倒木帯 】
『易老岳』は樹木に覆われ、椀を伏せたような形のもっこりした山だ。ここからは帰り道の『易老渡』への下山道の分岐点になっている。
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【『易老岳』頂上標識 】
『易老岳』を下り、樹木が生い茂った、所どころぬかるんだ道を上下しながらシラビソの倒木帯を通過したりして、12:45分『三吉平』に到着。
ここからいよいよ本格的な登りである。
石のごろごろしたルンゼ状の谷間の暗い道を進むが、なかなか頂上が見えない。
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【『イザルヶ岳』の脇を這い上がるルンゼ状の道 】
どこまでつづくのだろう思いながら、傾斜が緩くなるのを期待するが、次のポイントまで行っても、また同じような登りが続く。
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【『静高平』の水場 】
ようやく傾斜が緩くなり、視界が開けてくると、そこが『静高平』だった。水場があり喉を潤す。ペットボトルの水がなくなりかけて、小屋まで持つか気になっていたが、幸いだった。
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【『イザルヶ岳』への分岐点のある湿地帯 】
『イザルヶ岳』への分岐はすぐだった。ここから湿地帯がつづき、木道をまっすぐ行けば小屋が見えるはずだ。『イザルヶ岳』に寄るかどうか迷ったが、雲も出てきたことだし、また明日この道を戻ってくることもあるので、翌日回しにして『小屋』に急ぐことにした。
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【 きれいな『光小屋』 】
昨日、『茶臼小屋』でも話題に上がった(実は『聖小屋』でも話をしていたが)《名物の女将さん》と対面しなければならない。食事はよっぽどのことがないと提供してくれないとか(50歳以上の定刻までに小屋に到着人は例外!)、話し方が《つっけんどん》とか、いい噂は聞かなかったが、どこか個性的で、ここまで話題に上る人とは《どんな人物》か興味が沸いていた。
午後2:20分、『光小屋』に到着。
いよいよご対面である。ザックを置いて声をかけると小柄な女性がお茶を持って現れた。山小屋の受付で【お茶で接待】を受けたのは初めてである。ガラガラ声でぶっきら棒の言い方であるが、愛想よく話しかけくる。【条件を満たしている】ので、夕食を注文すると、あっさり引き受けてくれた。
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【『光小屋』の女将と 】
小屋に荷物を置いてお茶をいただき小休止した後、『光岳』頂上と『光石』に向かう。
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【 標識だけがやけに立派な『光岳』の頂上 】
『光岳』は木々に覆われていて、その頂上といわれるところに立っても見通しもきかず、遠くから眺めてみても、どこが頂上かわからないのっぺりした形で、際立った魅力がないのに《どうしてこの山が百名山》なのか、その選考基準が理解できない。他にもっとわくわくする山があると思うのだが。
それに比べて、頂上を示す石造りの「標識」だけがやけに立派に見える。
早々に『光石』に向かう。
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【『光石』と私 】
『光石』は小屋ほどの大きさの一枚岩だが、昨年訪れた『金峰山』の『五丈岩』に比べるとずっと小さく、また『五丈岩』は『金峰山』山頂にあって、どこからでも見える「ランドマーク」的なシンボルになっているのに対し、『光石』はそばまで行かなければその存在すらわかりにくい、山頂から離れた場所にあるので『光岳』のシンボルというには迫力に欠ける。
でも、せっかく来たのだから上に登り記念写真を1枚。
『光石』を後にして小屋に戻る。《名物の小屋の女主》がお茶を持って迎えてくれる。想像していたより気さくな人柄だ。こちらの姿を見て(当然、50歳以上に見えたのだろう!--何せ、50歳未満の登山者には「そんなもの、自分で作れ」と言って、食事を提供してくれないそうだから。)何も注文を付けられることなく食事を用意してくれる。
きれいに清掃された部屋で、今日の疲れを癒す「ビール」を飲む。
「うちは、他所みたいに値引きはしないよ。もう売れきれてないから、これで終い。」 独自の信念を持っている人である。建物がきれいなのもそのせいかもしれないと思う。
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【『光小屋』でくつろぐ私 】
今回の山行の《最終目的地》にも来てしまった。長いと思った行程も済んでしまえば、こんなものかと思う。あとは明日、下山するだけである。-そう、『イザルガ岳』に立ち寄るのを忘れてはいけない。
【 最終回につづく 】
2015年9月聖岳から光岳へ縦走-その5(最終回)にジャンプ
2015年9月聖岳から光岳へ縦走-その4
【 2015年9月22日 】
登山4日目
4:30朝食-5:45茶臼小屋出発-6:30茶臼岳-7:40喜望峰
-8:00仁田岳-10:30易老岳-12:45三吉平-13:50
静高平-14:05-イザルヶ岳分岐(イザルヶ岳には登らず翌日回し)
-14:20光小屋(荷物を置く)-15:05光岳山頂-15:15
光石-16:15光小屋に戻る
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【 4日目の行程 】
今日がこの辺の山小屋の営業最終日で、昨日「飲料の大安売り」と夕食時のおかずの「大判振舞い」があったことはすでに書いたが、朝食も、昨日捌き切れなかった分の分配があった。聞くところによると、『聖平小屋』でも同様の恩恵があったそうだ。《最終日》に来るとこんなご褒美があることを今後のためにも覚えておかねばならない。
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【 茶臼小屋の朝食-今朝もおまけがついた 】
山小屋での楽しみは、汗をかいた後のビールと、同じ山仲間との交流である。昨日のように早い時間に小屋に到着した場合は、陽のあたるベランダで喉を潤しながらお互いの《自慢話》を交換しあうのもよい。
2本700円のビールを買い、合わせて自前のアルコールを加え、つまみも広げて話をしていると時間のたつのを忘れる。夕食時も交流の場所になる。混んでいたら次の組に席を譲らないといけないからあまりゆっくりはできないが、この日の『茶臼小屋』のように適度な人数だったら話も弾む。
この小屋は実にアットホームなのだ。山小屋には小屋の主人やその家族の他に数人の臨時従業員がいる。だいたい大学生のアルバイトとか《山が大好きで大好きでたまらない自由人》だったりするのだが、ここにもテキパキ働く飛び切り明るい女性がいた。期間の初めからずっと住み込みでいるのかなと思ったら、そうではなく、連休を利用して京都からきてこの間だけこの小屋にお邪魔しているという。更に話をきいてみたら、某中学の『ワンゲル』の顧問をしていて、学校があるからすぐにとんぼ返りしないといけないようだ。
同じ京都のよしみで、1枚撮らせてもらった。(M.T.さん遅くなってすみません。記事を書く約束の《1か月》を大きくオーバーしてしまいました。)同僚かと思ったもう一人の女性は、なんと『茶臼小屋』と『光岳』間を6時間で往復すると聞いてびっくり。どこにそんなパワーがあるのかと、こちらも1枚。
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【 京都から来た、山小屋の《臨時看板娘》のM.Tさん 】
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【 『小屋』から『光岳』を6時間で往復する謎の女性 】
今日は、昨日よりも早い出発を予定したので、朝食も早めに済ませ、外に出ると、日の出直前の東の空がオレンジ色に輝いている。『茶臼小屋』と富士山はほぼ同緯度にあるから富士山は真東の位置に見える。太陽は富士山の《左肩あたり》に上がってくるという話だったが残念ながら日の出の時刻にはガスがかかってその瞬間は見ることができなかった。残念!
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【 夜明け前の富士山 】
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5:45、小屋を出発。後ろから、M.T.さんがやってる。朝日に照らされ茜色に染まる『茶臼岳』の斜面を尾根道の三叉路に出るまで登っていく。
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M.T.さんは寸暇を惜しんで、『上河内岳』を往復するそうである。三叉路で右と左に分かれ、自分らは『茶臼岳』頂上への登りにかかる。
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鞍部の三叉路から頂上までの道はだらだらした登りで、山容もどこかしまりがない。登り始めはガスもかかっていて、頂上というよりちょっとした丘のように見えるだけで、威容さも感じられず山の名前を付けるほどでもないかと思ったが、後で反対側から見ればずっとすっきりした形で納得した。
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途中、斜面から見る朝日が雲海を照らし出し、神々しい雰囲気に思わずシャッターを切る。
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【 朝日に浮かぶ雲海 】
6:30分、『茶臼岳』の頂上に難なく到着。
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【『茶臼岳』頂上到着 】
写真を撮った後、すぐに反対側に下り始める。やはりこちらの方が多少傾斜がきつい。岩のゴロゴロしている急斜面を20分ほど下ると岩稜帯からすぐに草付きの斜面になり、下るごとに低木帯になる。
『仁田池』は神秘的な雰囲気の漂う場所だ。
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【 神秘的な『仁田池』】
後ろを振り向いて見れば、ガスは晴れて、通過してきた山々が見渡せる。『聖岳』は遠くになってしまったが、台形の屋根のような形でそれと分かる。『上河内岳』と『茶臼岳』が同じような姿で並んでいる。西から吹き付ける風のためだろうが。標高も2800mと2600mで『上河内岳』の方がずっと高いのであるが、ここから見ると同じくらいの高さに見える。
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【 流れる雲に浮かぶ『聖岳』と『上河内岳』】 【 同じよう姿の『上河内岳』と『茶臼岳』】
平坦な道を気持ちよく進むと、『仁田岳』への分岐点である『喜望峰』に到着。時間もたっぷりあるから、【眺めがよい】という『仁田岳』に向かう。
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【『仁田岳』への分岐点である『喜望峰』】
『仁田岳』は前評判のとおり、ぐるりと360度遮るものがない絶好の眺望地だった。
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【『仁田岳』への登りから振り返る(中央左『喜望峰』】
ここまで来ると、『聖』から遠かった山も、もう手に届くところにある。目指す『光岳』がそれとわかる。肉眼ではわかりずらいが、カメラの望遠で覗くと、『イザルヶ岳』と『光岳』の間の山腹に『光小屋』らしき建物も見える。
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【 だいぶ近くなってきた『イザルヶ岳』と『光岳』(右)】
『喜望峰』に戻り、左に折れ、元来た道を直進すれば『易老岳』をへて、いよいよ『光岳』への登りに入る。
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【 倒木帯 】
『易老岳』は樹木に覆われ、椀を伏せたような形のもっこりした山だ。ここからは帰り道の『易老渡』への下山道の分岐点になっている。
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【『易老岳』頂上標識 】
『易老岳』を下り、樹木が生い茂った、所どころぬかるんだ道を上下しながらシラビソの倒木帯を通過したりして、12:45分『三吉平』に到着。
ここからいよいよ本格的な登りである。
石のごろごろしたルンゼ状の谷間の暗い道を進むが、なかなか頂上が見えない。
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【『イザルヶ岳』の脇を這い上がるルンゼ状の道 】
どこまでつづくのだろう思いながら、傾斜が緩くなるのを期待するが、次のポイントまで行っても、また同じような登りが続く。
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【『静高平』の水場 】
ようやく傾斜が緩くなり、視界が開けてくると、そこが『静高平』だった。水場があり喉を潤す。ペットボトルの水がなくなりかけて、小屋まで持つか気になっていたが、幸いだった。
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【『イザルヶ岳』への分岐点のある湿地帯 】
『イザルヶ岳』への分岐はすぐだった。ここから湿地帯がつづき、木道をまっすぐ行けば小屋が見えるはずだ。『イザルヶ岳』に寄るかどうか迷ったが、雲も出てきたことだし、また明日この道を戻ってくることもあるので、翌日回しにして『小屋』に急ぐことにした。
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【 きれいな『光小屋』 】
昨日、『茶臼小屋』でも話題に上がった(実は『聖小屋』でも話をしていたが)《名物の女将さん》と対面しなければならない。食事はよっぽどのことがないと提供してくれないとか(50歳以上の定刻までに小屋に到着人は例外!)、話し方が《つっけんどん》とか、いい噂は聞かなかったが、どこか個性的で、ここまで話題に上る人とは《どんな人物》か興味が沸いていた。
午後2:20分、『光小屋』に到着。
いよいよご対面である。ザックを置いて声をかけると小柄な女性がお茶を持って現れた。山小屋の受付で【お茶で接待】を受けたのは初めてである。ガラガラ声でぶっきら棒の言い方であるが、愛想よく話しかけくる。【条件を満たしている】ので、夕食を注文すると、あっさり引き受けてくれた。
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【『光小屋』の女将と 】
小屋に荷物を置いてお茶をいただき小休止した後、『光岳』頂上と『光石』に向かう。
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【 標識だけがやけに立派な『光岳』の頂上 】
『光岳』は木々に覆われていて、その頂上といわれるところに立っても見通しもきかず、遠くから眺めてみても、どこが頂上かわからないのっぺりした形で、際立った魅力がないのに《どうしてこの山が百名山》なのか、その選考基準が理解できない。他にもっとわくわくする山があると思うのだが。
それに比べて、頂上を示す石造りの「標識」だけがやけに立派に見える。
早々に『光石』に向かう。
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【『光石』と私 】
『光石』は小屋ほどの大きさの一枚岩だが、昨年訪れた『金峰山』の『五丈岩』に比べるとずっと小さく、また『五丈岩』は『金峰山』山頂にあって、どこからでも見える「ランドマーク」的なシンボルになっているのに対し、『光石』はそばまで行かなければその存在すらわかりにくい、山頂から離れた場所にあるので『光岳』のシンボルというには迫力に欠ける。
でも、せっかく来たのだから上に登り記念写真を1枚。
『光石』を後にして小屋に戻る。《名物の小屋の女主》がお茶を持って迎えてくれる。想像していたより気さくな人柄だ。こちらの姿を見て(当然、50歳以上に見えたのだろう!--何せ、50歳未満の登山者には「そんなもの、自分で作れ」と言って、食事を提供してくれないそうだから。)何も注文を付けられることなく食事を用意してくれる。
きれいに清掃された部屋で、今日の疲れを癒す「ビール」を飲む。
「うちは、他所みたいに値引きはしないよ。もう売れきれてないから、これで終い。」 独自の信念を持っている人である。建物がきれいなのもそのせいかもしれないと思う。
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【『光小屋』でくつろぐ私 】
今回の山行の《最終目的地》にも来てしまった。長いと思った行程も済んでしまえば、こんなものかと思う。あとは明日、下山するだけである。-そう、『イザルガ岳』に立ち寄るのを忘れてはいけない。
【 最終回につづく 】
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2015年9月聖岳から光岳へ縦走-その4