【 横尾から前穂頂上を望む-台形状の平たい頂上に続いて右側に2峰〜4峰が見える 】
【 2018年7月18日 】山行4日目(最終日)
5:00起床-5:30朝食-6:35涸沢小屋出発-8:40本谷橋-9:50横尾(ラーメン・ビール)
-10:55同出発-12:05徳沢園着-(小休止)-12:30同出発-13:20明神橋-14:20
上高地バスターミナル着-(バス予約変更・シャワーで汗を流す)-15:40直通バスで上高地出発
-21:00京都駅八条口着-22:00自宅到着
朝、5時に起床する。連休も終わり宿泊客の多くない山小屋内にはもうほとんど人がいない。今から下山する人は自分くらいで、他の宿泊者の多くはこれから北穂や奥穂の頂上を目指し登る人ばかりだから、5時には大半が出発してしまった。同じ部屋の二人の姿ももうない。朝食に先を争い並ぶ必要もないので、朝食の前にテラスに出る。「屏風の頭」方面の東の空にはまだ太陽は上がっておらず、まだほんのり暗い。そのうち空が白みはじめてくる。
ここ涸沢小屋は、涸沢ヒュッテより高い位置にあり、北穂よりに位置しているから涸沢カールの反対側に位置している前穂の北尾根が良く見渡せる。昨日の夕陽とは反対方向の朝日が当たる北尾根を見上げる。頂上から3峰までが王冠の様な1つの頂に見える。
朝の景色を見終って中に入り朝食をとる。
【 実に質素な朝食 】
質素な朝食だったが、下山するのでそんなに食べる必要もないと思う。部屋に戻り、慌てず下山の準備をする。今回の山行には4泊の日程を予定していたから、急いで帰る必要はないのだが、ここから下り上高地あたりでさらに1泊取るのは、どう考えても意味のないように思えた。出来たら早めに下山してバスの時間に間に合うようにしたい。ただ、足がいうことを利いてくれるかが問題である。
6時半過ぎ、涸沢小屋を出発する。おそらく最後の人だったと思う。とりあえず、下るしかない。時間を計り、そのペースで行けば何時ころ上高地に着けるか考えながら進むことにする。
【 涸沢小屋から-いよいよカールともお別れ 】
涸沢ヒュッテへの分岐とも別れ、いよいよ下りである。雪どけ水の清流に沿って順調に進む。この道は何年前に通っただろうか、ふと思い起こす。下山はおろか、涸沢まで往く時もほとんどは「パンラマコース」経由で入るから、めったにこの道は通った記憶がない。以前1回だけ下りた記憶があるが、その時は本谷橋までの下りの大きな石の段差に悩まされたのを覚えている。その時と比べれば、今回のはずいぶん楽なような気がした。幸い足の方も順調に働いてくれる。大した痛みもない。
【 涸沢の見納め-涸沢岳とザイテングラード 】
左手に大キレットからの横尾本谷と合流して、ここから右に大きく道を取る。
【 大キレット方面を見る 】
8時40分、「本谷橋」に到着。ここで多くの人が休息をとっていた。
【 本谷橋 】
コースタイムよりはかなり時間がかかっているが、昨日に比べれば、まあペースは順調である。足も痛まないし、傾斜が緩くなってきた分、軽快になってきた。小休止の後、すぐに出発。
【 屏風岩 】
【 林間の道 】
左手に屏風岩の大岩壁を木々の間から見ながら進む。林が切れ視界が広がり右手を見れば、前穂の大岩壁が見えるではないか。こんな前穂の姿を見るのは初めてである。穂高・涸沢には20回、いや30回ほど行っているが、横尾を通るのは3〜4回しかなかったし、いつも急ぎ足で通過するか天候が災いしそんな機会がなかったのかもしれない。
興奮してシャッターを押し続ける。
【 前穂の頂上が顔を見せる 】 【 前穂頂上望遠 】
9時45分、ほどなく横尾橋に出る。
【 横尾橋と前穂 】
【 橋上から下流を見る 】
横尾山荘の食堂に入る。思っていたより早く着いたので、景色を眺めながら休むことにする。
【 ラーメン 】
窓の外の前穂を眺めながらラーメンを食べながら、今ここにいて「あー良かった!」と感じた。やはり山は天候が第一である。今回の山行で快晴の天気の恩恵をどれだけ感じたことか!
【 「横尾」の標識 】
景色を堪能して午前10時55分、バスターミナルに向け出発する。ここから上高地まではほぼ平坦な道だ。横尾からバスターミナルまで、途中の徳沢園、明神池で分けられた区間の所要時間はそれぞれ約1時間だから、見通しをつけるにはわかりやすい。コースタイム通り行けば午後2時にはつけることになる。3日前、入山した時に帰りのバスを「15時発の京都行」で予約しておいたが予定が1日詰まったので変更する必要がある。そのためには多少早めに着いておかなければならない。と、少し焦る必要がある。改めてそう考えると、足の運びを速める。
途中、野生の猿が姿を現す。逃げようとしないで、ややもするとエサを奪いに観光客を襲うという。1匹ではないようだ。視線を合わさないようにやりすごす。
【 ニホンザルの姿が 】
視界が開けた場所から、前穂がまた姿を現わす。横尾から見たのと、また多少角度が変わっているが、台形状の前穂の頂上と奥又白谷の雪渓がはっきりと見てとれる。
新村橋、11時45分到着。この橋は何度渡ったことか。
【 新村橋 】
【 新村橋からの前穂 】 【 左の拡大 】
12時5分、徳沢園に到着。歩調を速めたせいか、ほぼコースタイムで来れた。遅くとも2時半までにはターミナルに着けそうだ。少し安心をする。ここでまた小休止。
【 徳沢園 】 【 キャンプ場 】
【 徳本峠への入口分岐点 】
鋭気を養い、出発。快調なペースで進む。昨年来た徳本峠の分岐点を通過する。
ここまでくると、前穂の頂よりも明神岳の方が高く見える。さらに進めば、前穂は明神岳の後ろに隠れ見えなくなる。
【 明神岳の末端 】
穂高神社奥宮参道から明神岳の末端・5峰を仰いでから小梨平にくれば河童橋はもう目と鼻の先だ。小梨平には登山者も入れる入浴施設もあった。4日分の汗を流したいと思ったが時間が気になる。帰りのバスの便を確保せねばならないのでバスターミナルに急ぐことにする。4日ぶりの河童橋を着く。Yさんと別れたことが昨日のことのように思える。
【 河童橋に戻ってくる 】
14時20分バスターミナル到着。バスの予約は簡単に変更できたので、風呂に入れるところはないかと探す。やっぱり小梨平に戻らないと風呂には入れないようだが、シャワーだけならターミナルにある観光センターにあるという。スポーツジムの、3つしかないパーティションとカーテンだけで区切られたような狭い場所で、3分100円のシャワーをコイン3枚分のお湯を浴びて汗を流す。大きな湯船にゆったりとした気分で浸かりたかったが、無いよりましだ。
15時30分発のバスに乗り込む。同時刻発車のバスが2本あって、1つは1000円高い1列3席のデラックスタイプだった。ここは奮発してデラックにした。21時、京都駅八条口到着。地下鉄とバスを乗り継いで22時、自宅着。
今回の山行は、西穂・焼岳には行けず、己の体力の限界を知ったが、満足のいく旅だった。
横尾橋から前穂頂上を望む(YouTubeへ)
『2018年7月、いざ穂高へ!-その1』-へ戻り最初から見る
【 2018年7月18日 】山行4日目(最終日)
5:00起床-5:30朝食-6:35涸沢小屋出発-8:40本谷橋-9:50横尾(ラーメン・ビール)
-10:55同出発-12:05徳沢園着-(小休止)-12:30同出発-13:20明神橋-14:20
上高地バスターミナル着-(バス予約変更・シャワーで汗を流す)-15:40直通バスで上高地出発
-21:00京都駅八条口着-22:00自宅到着
朝、5時に起床する。連休も終わり宿泊客の多くない山小屋内にはもうほとんど人がいない。今から下山する人は自分くらいで、他の宿泊者の多くはこれから北穂や奥穂の頂上を目指し登る人ばかりだから、5時には大半が出発してしまった。同じ部屋の二人の姿ももうない。朝食に先を争い並ぶ必要もないので、朝食の前にテラスに出る。「屏風の頭」方面の東の空にはまだ太陽は上がっておらず、まだほんのり暗い。そのうち空が白みはじめてくる。
ここ涸沢小屋は、涸沢ヒュッテより高い位置にあり、北穂よりに位置しているから涸沢カールの反対側に位置している前穂の北尾根が良く見渡せる。昨日の夕陽とは反対方向の朝日が当たる北尾根を見上げる。頂上から3峰までが王冠の様な1つの頂に見える。
朝の景色を見終って中に入り朝食をとる。
【 実に質素な朝食 】
質素な朝食だったが、下山するのでそんなに食べる必要もないと思う。部屋に戻り、慌てず下山の準備をする。今回の山行には4泊の日程を予定していたから、急いで帰る必要はないのだが、ここから下り上高地あたりでさらに1泊取るのは、どう考えても意味のないように思えた。出来たら早めに下山してバスの時間に間に合うようにしたい。ただ、足がいうことを利いてくれるかが問題である。
6時半過ぎ、涸沢小屋を出発する。おそらく最後の人だったと思う。とりあえず、下るしかない。時間を計り、そのペースで行けば何時ころ上高地に着けるか考えながら進むことにする。
【 涸沢小屋から-いよいよカールともお別れ 】
涸沢ヒュッテへの分岐とも別れ、いよいよ下りである。雪どけ水の清流に沿って順調に進む。この道は何年前に通っただろうか、ふと思い起こす。下山はおろか、涸沢まで往く時もほとんどは「パンラマコース」経由で入るから、めったにこの道は通った記憶がない。以前1回だけ下りた記憶があるが、その時は本谷橋までの下りの大きな石の段差に悩まされたのを覚えている。その時と比べれば、今回のはずいぶん楽なような気がした。幸い足の方も順調に働いてくれる。大した痛みもない。
【 涸沢の見納め-涸沢岳とザイテングラード 】
左手に大キレットからの横尾本谷と合流して、ここから右に大きく道を取る。
【 大キレット方面を見る 】
8時40分、「本谷橋」に到着。ここで多くの人が休息をとっていた。
【 本谷橋 】
コースタイムよりはかなり時間がかかっているが、昨日に比べれば、まあペースは順調である。足も痛まないし、傾斜が緩くなってきた分、軽快になってきた。小休止の後、すぐに出発。
【 屏風岩 】
【 林間の道 】
左手に屏風岩の大岩壁を木々の間から見ながら進む。林が切れ視界が広がり右手を見れば、前穂の大岩壁が見えるではないか。こんな前穂の姿を見るのは初めてである。穂高・涸沢には20回、いや30回ほど行っているが、横尾を通るのは3〜4回しかなかったし、いつも急ぎ足で通過するか天候が災いしそんな機会がなかったのかもしれない。
興奮してシャッターを押し続ける。
【 前穂の頂上が顔を見せる 】 【 前穂頂上望遠 】
9時45分、ほどなく横尾橋に出る。
【 横尾橋と前穂 】
【 橋上から下流を見る 】
横尾山荘の食堂に入る。思っていたより早く着いたので、景色を眺めながら休むことにする。
【 ラーメン 】
窓の外の前穂を眺めながらラーメンを食べながら、今ここにいて「あー良かった!」と感じた。やはり山は天候が第一である。今回の山行で快晴の天気の恩恵をどれだけ感じたことか!
【 「横尾」の標識 】
景色を堪能して午前10時55分、バスターミナルに向け出発する。ここから上高地まではほぼ平坦な道だ。横尾からバスターミナルまで、途中の徳沢園、明神池で分けられた区間の所要時間はそれぞれ約1時間だから、見通しをつけるにはわかりやすい。コースタイム通り行けば午後2時にはつけることになる。3日前、入山した時に帰りのバスを「15時発の京都行」で予約しておいたが予定が1日詰まったので変更する必要がある。そのためには多少早めに着いておかなければならない。と、少し焦る必要がある。改めてそう考えると、足の運びを速める。
途中、野生の猿が姿を現す。逃げようとしないで、ややもするとエサを奪いに観光客を襲うという。1匹ではないようだ。視線を合わさないようにやりすごす。
【 ニホンザルの姿が 】
視界が開けた場所から、前穂がまた姿を現わす。横尾から見たのと、また多少角度が変わっているが、台形状の前穂の頂上と奥又白谷の雪渓がはっきりと見てとれる。
新村橋、11時45分到着。この橋は何度渡ったことか。
【 新村橋 】
【 新村橋からの前穂 】 【 左の拡大 】
12時5分、徳沢園に到着。歩調を速めたせいか、ほぼコースタイムで来れた。遅くとも2時半までにはターミナルに着けそうだ。少し安心をする。ここでまた小休止。
【 徳沢園 】 【 キャンプ場 】
【 徳本峠への入口分岐点 】
鋭気を養い、出発。快調なペースで進む。昨年来た徳本峠の分岐点を通過する。
ここまでくると、前穂の頂よりも明神岳の方が高く見える。さらに進めば、前穂は明神岳の後ろに隠れ見えなくなる。
【 明神岳の末端 】
穂高神社奥宮参道から明神岳の末端・5峰を仰いでから小梨平にくれば河童橋はもう目と鼻の先だ。小梨平には登山者も入れる入浴施設もあった。4日分の汗を流したいと思ったが時間が気になる。帰りのバスの便を確保せねばならないのでバスターミナルに急ぐことにする。4日ぶりの河童橋を着く。Yさんと別れたことが昨日のことのように思える。
【 河童橋に戻ってくる 】
14時20分バスターミナル到着。バスの予約は簡単に変更できたので、風呂に入れるところはないかと探す。やっぱり小梨平に戻らないと風呂には入れないようだが、シャワーだけならターミナルにある観光センターにあるという。スポーツジムの、3つしかないパーティションとカーテンだけで区切られたような狭い場所で、3分100円のシャワーをコイン3枚分のお湯を浴びて汗を流す。大きな湯船にゆったりとした気分で浸かりたかったが、無いよりましだ。
15時30分発のバスに乗り込む。同時刻発車のバスが2本あって、1つは1000円高い1列3席のデラックスタイプだった。ここは奮発してデラックにした。21時、京都駅八条口到着。地下鉄とバスを乗り継いで22時、自宅着。
今回の山行は、西穂・焼岳には行けず、己の体力の限界を知ったが、満足のいく旅だった。
横尾橋から前穂頂上を望む(YouTubeへ)
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