【2008年4月27日】 MOVIX京都
監督で主演者の一人としても出演しているロバート・レッドフォードはサンダンス映画祭をHNKと共に主導して若い人材の発掘とより良い映画作りに貢献していると思うが、作品となると別だ。
黒沢映画と比較しては酷かもしれないが、ともかく娯楽性に欠ける。面白くないのだ。ドキュメンタリー性の高い作品なら史実の裏づけで、それとの関連で面白さというか興奮度も高まるのだが、フィクションならその作品の中で完結性があり構成がしっかりしていないと、その中に入り込めないし、まるで楽しめない。要するに面白くないのだ。
今ちょうどNHKで黒沢特集をやっている。「椿三十郎」など何度見ても面白い。だから、リニューアル版の織田裕二主演のものなど見る気も起こらない。落胆するのが目に見えているから。あれ以上の完成度を求めるのは無理だし、第一、三十郎は三船敏郎じゃないと!「天国と地獄」「生きる」「七人の侍」「悪いやつほど良く眠る」「生き物の記録」・・・いずれも娯楽性の中にしっかりと世の中を見ている。後が楽しみだ。
アフガンはじめアメリカのおせっかいと利益誘導は世界中に害悪を撒き散らしている。それを知ってもらうことは必要だが、わかりやすくないといけない。娯楽性を優先させて単純化したり偽りがあってはならないが、何を言いたいのか、見る人の何に訴えたいか、はっきりしないというのは、困る。
「大いなる陰謀」-オフィシャルサイト