この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

「ルワンダの涙」-ホテル・ルワンダの再来

2007-05-04 22:49:44 | 最近見た映画
2007年5月4日 「京都シネマ」

 IT技術の進歩により、世界の出来事が瞬時に茶の間に伝わるようになり、湾岸戦争の時のように、ゲーム感覚で現実の戦争がリアルタイムで見られるようになった。だが、昔と変わらず-所詮1日は24時間であり、毎日はそのサイクルで流れ、その時間内ですることは以前と大して変わらず、放送局がニュースを流す時間も(見る時間も)1回で1時間が限度だ。だから流すニュースを選ばざるを得ない。
 テレビを見る時間、あるいは文字を読む時間も、人それぞれだが、自ずと時間は限られる。限られた時間内で何を見るか、読むかは各人の自由意志だ。

 湾岸戦争があったときに、ソマリアで何があったか、人々は知る由もないし、自分の子供が受験勉強に追われているときに、ルワンダで何が起こっているか、そんなことは関係ないし、阪神が巨人に「サヨナラ・ヒット」で勝った晩に、ボスニアで起こったことなど自分には全く関係ないことかもしれない。

 だから、あふれている情報の中で、自分に今本当に必要な的確な情報を得るということは、現代でも(現代ならではなおさら?)困難なことだ。


 「愛」に対置する言葉は「憎しみ」でなく「無知」であるとはよく言ったものだ。

 この映画は多くの人に見てもらいたいし、ここに描かれた事実は多くの人々に知ってもらいたいと思うが、1つだけ懸念することがある。

 一昨日は「憲法記念日」で、憲法改正の論議が日程に上がろうとしているが、この映画を見て、短絡的に武力行使や自衛権の行使の必要性から「憲法改正必要論」に肩を持ちはしないかということである。

 国連が「ルアンダ内戦」に不介入をとった事に対して可否の論議と、憲法第九条を見直すかということは全く次元が違う事である。

 アメリカが攻撃されるのを「友軍」である日本は黙って見ていてよいかと、という論議を仕掛けるのは、「南京大虐殺」を実行してきておきながら、それを無かったことにしようとしたり、国民を不幸に陥れた、かつての戦争を美化しようとしたりした系列の連中である。

 その同じ連中が今の憲法が邪魔だと思っているから、憲法を変えたいと言い出しているのであって、「時代に合わない」だの「押しつけられた」だの、抽象的な「自衛権」云々のレベルとは関係ない事を、忘れてはいけない。 

 安倍首相が変えたいのは《九条》なのだ。だから、今の憲法を変えてはいけない。

  「ルワンダの涙」-公式サイト


 「ルアンダ内戦」と「ソマリア内戦」-に関する参考サイト

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