選挙取材歴25年の畠山理仁さんの取材の様子を撮ったドキュメンタリー。
「すべての候補者の主張を可能な限り平等に伝える。それが、選挙報道の任務を追ったもののスタート」と考え、全員取材するまでは書かない!というのが流儀です。
一人で選挙現場を走り回り、平均睡眠時間は2時間。本業の原稿書きもままならず、経済的にも苦しいなか、選挙の面白さを伝えるために国政から地方選、海外まで取材します。
泡沫候補を、敬意を込めて無頼系独立候補と呼び、真摯にその方達の声に耳を傾けます。
バレエダンサーの地位向上を目指すバレエ大好き党、トップガン政治という謎のキーワードを掲げる候補者、自らを超能力者と名乗り、全政界にテレバシーを発進し経済を回復させようとする候補者、スーパーマンの格好で選挙活動をするスマイル党、炭を全国でつくる党、ミルクおやじなどなど。
畠山さんは一人ひとりに話を聞くので時間もかかるしお金もかかります。
いろんな考えがあっていいんだ、ここまで自由でいいんだ、こんな生き方があるんだと、観ていて拍手を送りたくなりました。
畠山さんは「立候補している人と似ていると思うんですよ、自分が」と話されていました。
「誰からも相手にされなくてもやってる。自分がやりたいと思ってるからやってるところが似ていると思っていて。多額の借金をし続けて、選挙に出て、供託金を没収されて、みんなからバカにされてもずっと続けている姿は似ているなぁと思って。親近感が湧きますね。」
得票率2.4%で国から交付金がもらえるからこの選挙は私たちの勝ち、というN党と、フリーランスの記者を締め出そうとする参政党には違和感しかありませんでした。
特に前者は社会をよくしたいという理念が感じられず、ただ選挙をビジネスと捉えるだけに見えます。
「NHKをぶっ壊すをぶっ壊す会」というのを今、立ち上げました
トップガン政治の中川智晴候補者(65歳)はバッティングセンターで170キロの球が打てる、というのが特技だそうです。
これが最後のシーンに繋がるのが秀逸でした。
そう、バットは振らなきゃ当たらない。
高校生以上は観るべき映画だと思います。選挙に興味が湧くはずです。
予告編だけでも観る価値があります。
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