![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/33/b29dc181b2d85f5904d3b8d02823ab37.jpg)
版画村美術館。
相川金山に向かう途中の坂にある、旧裁判所の施設を利用した建築物に
島民が佐渡を題材にして彫り上げた作品が展示されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/14/222f20c564fc756572e47937aca88891.jpg)
施設は明治時代に建設された瓦葺の裁判所
存在は知っていたけれども、
ひかれる理由がなく、島民でありながらずっと行かずにいました。
実は恥ずかしいことなのですが、タカをくくっておりました。
美術館の説明にある「島民が彫る版画作品」というくだりに
「大したものはないだろう」という侮蔑的な感情が自分の中にありました。
しかし、毎年この美術館と相川町、ひいては佐渡島内を舞台に行われる
「全国版画甲子園」で見られる
全国高校生の版画作品のレベルの高さや、
佐渡病院に展示されている島民の版画作品を見るにつけ、興味がふつふつとわいてきました。
島内で唯一の「赤字をだしていない美術館施設」という新聞記事を読み
さらに興味がわきました。
この夏、知人が作品展を行っていることをきっかけに、ようやく足を
運ぶことができました。
感想は・・想像以上でした。
まず、作品に、純粋に感動することができました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/e2/f54400fd123cb0508fb77619e403dffb.jpg)
そこがこれまで見たどの美術館とも違うところでした。
美術館の芸術は、オルセーにしても国立美術館にしても、
アーティストのパワーに常に圧倒されてしまい、
見る側も「さあ見るぞ!」と気合いを入れて見なくてはいけないところがありました。
そうした感情からくる感動は、どちらかというと感動「させられる」部分もなきにしもあらず、
でした。
この美術館の作品は、そうではなりません。
アーティストの名前にも名声にもとらわれずに、作品を見る喜びが感じられました。
作品を見る前に解説を読む、なんてことをしなくてよいのです。
自然に感動・・・というよりも「共感」、できる作品が多くありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/7d/d08de4b61881531b087de98be8d01382.jpg)
低い窓からの中庭の風景も素敵です。
こんな施設が裁判所だったなんて、昔の人は雅だったんですねえ・・・。
島民が、普段の暮らしの中から、素材を探し出し、
その素材から得た
静かな発見と感動を、
版画におこしているからです。
そこには大きな技術は用いられていません。
だけど、見る者に大きな感動をひきおこします。
何故なら、誰よりもその彫った対象を知る人が
作ったものだからではないかと思います。
農民が使う農具を、農民が彫る
漁民が使う漁具を、漁民が彫る
佐渡に暮らす者が、佐渡を彫る
「素朴」とか「力強い」という言葉では表しきれない「何か」が確かに宿っています。
絵をかく上で一番大切なものが宿っています。
芸術家には入ることのできない範域に、
やすやすと入り込んで作られた作品が、そこに並んでいます。
今回、版画美術館では
佐渡の名所を題材にして彫り上げた100点の版画が一室に展示されていました。
その展示室に入った時は、
月並みな表現ですが「すごい」と思いました。
もっと月並みな表現ですが「すごいすごいすごい」と思いました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/24/9e94a7963a7a1fbeb11fcee083c05756.jpg)
著作権の関係で、作品はアップできませんので、
絵筆をにぎる息子と、鑑賞しているダンナをアップ。
100人の人が、それぞれ選んだ佐渡の題材に取り組んだ版画が展示されているのです。
全てがプロ級レベルの作品とはいえないかもしれないけれども、全てがあわさった時に
広がる感動は、想像以上です。
旅人にとってはなおさらでしょう。
例えば、ヨーロッパで旅した時に
同じようなものがあったら、やはりとてつもない感動におそわれると思います。
ヨーロッパの小さな過疎の村に建てられた例えば納屋を改装した美術館の中で、
その地方の人たちが、例えば銅版画でもって、村の風土や歴史を描いたものが
100点も飾られていたら・・・
この土地の人はどれだけ、この土地を愛しているかがわかります。
旅人は深い感動におそわれるのではないでしょうか。
ここは、版画という「絵」ではなくて、「心」を展示している場所なのだと思いました。
こんな素晴らしい「普通の人」達を、版画の世界へと引き込んだ、
版画村美術館の設立者・高橋信一とは一体どんな人なんだろう。
俄然、興味がわいてきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/12/5f493659226ac1e19af9c85a2b850927.jpg)
現在創設者の高橋信一氏の著作本を読んでいますが、良書です。
教育者として素晴らしい人だったんだなあ。
いやいや佐渡はまだまだスゴイものが潜んでいるね。
相川金山に向かう途中の坂にある、旧裁判所の施設を利用した建築物に
島民が佐渡を題材にして彫り上げた作品が展示されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/14/222f20c564fc756572e47937aca88891.jpg)
施設は明治時代に建設された瓦葺の裁判所
存在は知っていたけれども、
ひかれる理由がなく、島民でありながらずっと行かずにいました。
実は恥ずかしいことなのですが、タカをくくっておりました。
美術館の説明にある「島民が彫る版画作品」というくだりに
「大したものはないだろう」という侮蔑的な感情が自分の中にありました。
しかし、毎年この美術館と相川町、ひいては佐渡島内を舞台に行われる
「全国版画甲子園」で見られる
全国高校生の版画作品のレベルの高さや、
佐渡病院に展示されている島民の版画作品を見るにつけ、興味がふつふつとわいてきました。
島内で唯一の「赤字をだしていない美術館施設」という新聞記事を読み
さらに興味がわきました。
この夏、知人が作品展を行っていることをきっかけに、ようやく足を
運ぶことができました。
感想は・・想像以上でした。
まず、作品に、純粋に感動することができました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/e2/f54400fd123cb0508fb77619e403dffb.jpg)
そこがこれまで見たどの美術館とも違うところでした。
美術館の芸術は、オルセーにしても国立美術館にしても、
アーティストのパワーに常に圧倒されてしまい、
見る側も「さあ見るぞ!」と気合いを入れて見なくてはいけないところがありました。
そうした感情からくる感動は、どちらかというと感動「させられる」部分もなきにしもあらず、
でした。
この美術館の作品は、そうではなりません。
アーティストの名前にも名声にもとらわれずに、作品を見る喜びが感じられました。
作品を見る前に解説を読む、なんてことをしなくてよいのです。
自然に感動・・・というよりも「共感」、できる作品が多くありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/7d/d08de4b61881531b087de98be8d01382.jpg)
低い窓からの中庭の風景も素敵です。
こんな施設が裁判所だったなんて、昔の人は雅だったんですねえ・・・。
島民が、普段の暮らしの中から、素材を探し出し、
その素材から得た
静かな発見と感動を、
版画におこしているからです。
そこには大きな技術は用いられていません。
だけど、見る者に大きな感動をひきおこします。
何故なら、誰よりもその彫った対象を知る人が
作ったものだからではないかと思います。
農民が使う農具を、農民が彫る
漁民が使う漁具を、漁民が彫る
佐渡に暮らす者が、佐渡を彫る
「素朴」とか「力強い」という言葉では表しきれない「何か」が確かに宿っています。
絵をかく上で一番大切なものが宿っています。
芸術家には入ることのできない範域に、
やすやすと入り込んで作られた作品が、そこに並んでいます。
今回、版画美術館では
佐渡の名所を題材にして彫り上げた100点の版画が一室に展示されていました。
その展示室に入った時は、
月並みな表現ですが「すごい」と思いました。
もっと月並みな表現ですが「すごいすごいすごい」と思いました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/24/9e94a7963a7a1fbeb11fcee083c05756.jpg)
著作権の関係で、作品はアップできませんので、
絵筆をにぎる息子と、鑑賞しているダンナをアップ。
100人の人が、それぞれ選んだ佐渡の題材に取り組んだ版画が展示されているのです。
全てがプロ級レベルの作品とはいえないかもしれないけれども、全てがあわさった時に
広がる感動は、想像以上です。
旅人にとってはなおさらでしょう。
例えば、ヨーロッパで旅した時に
同じようなものがあったら、やはりとてつもない感動におそわれると思います。
ヨーロッパの小さな過疎の村に建てられた例えば納屋を改装した美術館の中で、
その地方の人たちが、例えば銅版画でもって、村の風土や歴史を描いたものが
100点も飾られていたら・・・
この土地の人はどれだけ、この土地を愛しているかがわかります。
旅人は深い感動におそわれるのではないでしょうか。
ここは、版画という「絵」ではなくて、「心」を展示している場所なのだと思いました。
こんな素晴らしい「普通の人」達を、版画の世界へと引き込んだ、
版画村美術館の設立者・高橋信一とは一体どんな人なんだろう。
俄然、興味がわいてきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/12/5f493659226ac1e19af9c85a2b850927.jpg)
現在創設者の高橋信一氏の著作本を読んでいますが、良書です。
教育者として素晴らしい人だったんだなあ。
いやいや佐渡はまだまだスゴイものが潜んでいるね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/2a/1d241406e279f88c131ad963e0c35642.png)
版画村美術館に行って来られたとのこと。
高橋先生は高校時代の恩師で、どんな下手な絵でも「上手い!天才だ。ここのところをこう描くと、もっと天才だ!!」と褒めて育ててくれたものです。
懐かしく読ませていただきました。
著作本に書かれたとおりの褒め方なのですね。
私も高橋氏の授業をうけて、頭が痛いと感じるほどの褒め方、されてみたいと思いました。