目指せ!ゼロウエイストな暮らし

モノを減らして、ゼロウエイスト。田舎でイラスト描いて暮らしています。

女神たち」を著した 小田まゆみさん

2016年07月17日 | とてもえらい人

「料理も畑仕事も絵を描くことも
環境のために働くことも、
日常の中で自分の創造性をどう使うかの違いだけ」

という言葉がいいな、と思った。
そう心から思えるならば、
自分がどんな暮らしをしていたって
劣等感なんて何も感じる必要はないな、と思った。


そんなふうに思ったのが
おそらく30年くらい前の話。

さて、自分はどうなっているんだろう。

と、ふと洋服のはしを両手でつかんで、自分を眺める。

はて?




光あふれる野山を自転車で駆ける文殊菩薩、
楽しそうに空を舞う雷神、海藻と戯れる海女…。

日常にとけ込んだ「女神たち」の版画は自由で気高く温かい。
それは、時々の自分の理想像だという。
画家としての活動の中心は米国で、作品の多くはボストン美術館や
クリーブランド美術館などにある。

この画文集も1981年にまず米国で出版され、89年にはカルフォルニア出版協会
から賞を受けた。
日本でも誘いはあったが
「格好いいものにしようとしてくれて、うまくいかなかった」。
バブル景気で落ち着かない日本に買えること自体が苦痛だったこともある。

今回の出版が実現したのは、偶然の出会いからだった。
昨夏、石川県の白山に登ったとき、ばったり再会した高校時代の友人が出版社に
勤めていたことから、トントンと話が進んだ。

打合せ中に竹を原料にした紙があることを知り
「竹は成長が速いし『世界の森を食べる』と批判されている日本でできればいい」
と飛びついた。

しかし、珍しい紙で印刷は試行錯誤の繰り返し、
「奇麗な色がでないなら」と、損を覚悟で発刊をあきらめかけた時もあった。
和紙にも似た手触りの生成りの紙の美しい本ができあがった時は
「うれしくって泣きました」。

東京芸大在学中に結婚、66年の卒業と同時に渡米。
夫だったジョン・ネイサン氏は、三島由紀夫などの翻訳を手がける文学者。
今も「大切な友人」だ。
カルフォルニアに移り住んだ頃、ちょうど仏教ブームで覚えた座禅は
「五感を働かせるための日課」という。

核廃絶を目指す団体「プルトニウムのない未来」の創設者でもある。

「ハードコアでしょ(笑)ずいぶんロビー活動もしたのよ」

「料理も畑仕事も絵を描くことも環境のために働くことも、
日常の中で自分の創造性をどう使うかの違いだけ」


世の中を見据える目、強い意志の持ち主。
はっきり「NO」と言える厳しさと、人を安心させる空気を併せ持つ。

「これからの混沌とした時代に、日本や中国が古代から持っていた知恵が
大切になってくると思う」。

ここ数年、日本が居心地よくなってきている。



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