過日お会いしたご相談者(経営者)様
顧問税理士から自己破産しなさいって言われました。
飛び込みで相談した弁護士3名の内2名から自己破産を勧められ
お一人の弁護士さんから
「何か助かる方法があるかもしれないからこの人紹介してあげる」
と言われ先生(←私)にご相談した次第です。
開口一番ご相談者の目から涙が溢れました。
私に相談できたという安ど感からだったようです。
会社の現状を説明頂き
相談に来た社長の思いを聞き
現状を試算表で確認して
私なりの厳しい答えを導き出しました。
が、
その前に
ここに至るまでの企業再生への苦労をお聞きするにつけ
専門家の「またか・・・。」という
机上の空論のアドバイスを聞かされてしまいました。
ここに至るまでの専門家のアドバイスは異口同音
「売上を上げて経費を減らしなさい」
「経費節減に人件費も例外ではありません」
その結果が窮地に追いやられた「今」でした。
私 「売上を上げなさいの具体的アドバイスは有りましたか?」
社長 「もう一度取引先を回って営業しろと。。。」
私 「営業の仕方は教えてくれましたか?」
社長 「チラシを作って持って行けと。。。」
私 「その営業で御社に注文来ると思いますか?私は来ないと思いますが」
社長 「無駄だと思っても「やれ」と言われました。。。」
私 「労力ほどの成果は出ないですね。」
社長 「そうなんですね。。。」
私 「具体的には、(ナイショ!企業秘密)」
社長 「あっ!そこはどなたもアドバイスしてくださいませんでした。」
そして、経費面
私 「これ以上経費節減できないですよね。」
「何か節減できるものありますか?」
社長 「無いです。」
私 「無いですよね。役員報酬も微々たるもの、
従業員給料だってこれ以上下げると辞めるレベルでしょう。」
社長 「(私の)給料はこれ以上下げられないし、
従業員も生活が有るから辞めたいって。。。」
「実際私は生活のため夜中のバイトにも行っています。」
「これ以上、どうすれば良いんでしょうか?」
私 「経費下げるんじゃなく
売上伸ばすことに目を向けないとさらに悪化しますよ。」
社長 「私どうすれば良いのでしょうか?」
私 「会社倒産をする必要はないし、自己破産する必要もないです。」
「社長に今後短期間で売上を伸ばす行動をする気力体力があるかどうかです。」
「気力体力が無いなら事業を譲渡(株式譲渡ではない)して会社は廃業方針。
社長は、一生かけて少しずつ借入返済しながら自己破産はしない。」
「選択肢は無限にあります。あとは社長の今後への思い次第です。」
社長 「自己破産する前にやれることは無限にあるんですね。」
私 「自己破産は自分に気力体力が無くなった時にいつでも取れる手法です。
まだ何かやれるんじゃないかと思っているときに選択すべき手法じゃないです。」
社長 「そうなんですね。
何人もの先生に「もう終わりだ」と言われ不安しかなかったです。」
「ああ、、、もっと早くにお会いできていれば良かった。。。」
その後、相談前とは全く異なった血の気の戻った顔つきで相談者は帰って行かれました。
経営不振から疲労困ぱいして
精神的に追い詰められて事業から撤退する
そんな必要が無いのに。。。
言葉足らずの専門家のアドバイスを聞き更に混迷する。
この職業についているからこそ
もっともっと相談者に分かりやすいアドバイスをしなければと痛感しました。
この世から
「もっと早くに出会いたかった。。。」
という言葉を無くせるようにしたいと思い精進します<(_ _)>