晴耕雨読、山

菜園・読書・山・写真…雑記

渡渉の先の幌尻岳へ

2012年08月30日 | 

2012年8月、フェリー往復で10日間の北海道の旅。目的のひとつは念願の日高山脈最高峰の幌尻岳登山。沢沿いの踏み跡をたどって沢を渡ること20回近く、過去に増水の急流に流された死亡事故も発生、最難関の山のひとつと言われている。加えてヒグマの棲息地ということもあり、準備に時間をかけ意を決して出かけてきた。渡渉をクリアし、山頂を極めるという他の山では得られない二つの満足感を得た。同時に幌尻山荘の運営やシャトルバスの運行管理・乗車確認など地元山岳会・関係者の協力にも感謝したい。渡渉と時期の関係か高齢のツアー参加者が多く、山荘も定員どおりの50人で満員。とよぬか山荘に前泊した群馬からの2人、愛知1人の我ら単独行4人の出会い、思いがけずに群馬のSさんの個人ガイド・寺島さん(平取山岳会)によるコーヒー・紅茶やパスタのご馳走、地元ならではの面白い話など、楽しい時間が過ごせた。

① 8月22日(水):とよぬか山荘03:00=(シャトルバス/往復3,500円)=03:40林道第一ゲート530m 03:45  ~林道ゲート~05:35取水口750m<渡渉準備・靴履き替え>05:45~四ノ沢出合~07:10幌尻山荘980m<荷持デポ・靴履き替え>07:45~命の水1525m 09:15~1829mピーク09:45~11:00幌尻岳2052m 11:25~命の水13:00~14:05幌尻山荘(泊)②8月23日(木)山荘06:30~四ノ沢出合~07:55取水口<靴履き替え>08:05~林道ゲート~09:45林道第一ゲート11:30=(シャトルバス)=12:20とよぬか山荘

       緊張強いられた渡渉(スーパーガールさん、後ろ姿撮らさせていただきました)

      

 渡渉について:今回は膝くらいまでが殆んどだったが、数カ所で膝上のところも。浅いところ・深いところは目をこらし、ストック等で石の滑りもチェック。寺島さんの話では、へその深さまでが限界でそれ以上になるとザックの下端が流れに持っていかれて危険とのこと。(先週は雨による増水でシャトルバスが2日間休止された)渡渉点は行き帰りとも1・2度間違えたが、対岸の目印の確認と2通りあるような場合はどちらが安全か見極めることが必要。石に滑って転びかけたこともあり、慣れて気を抜くことなく最後まで慎重に渡ることが肝心と思った。

北カールを回り込んで山頂へ

登山コース:山荘より急登が続くが、やがて緩やかになると命の水へ。そして再び、さきほどよりもきつい登りを頑張っていると戸蔦別岳が左手に。稜線へ出ると全体を見渡せ、1829mなど小さなピークをいくつか越え、遠くに見える山頂へ意外と早く着いた。

  昨夜、満員(50人)の幌尻山荘は足の踏み場も無かった

   

Sさん個人ガイドの寺島さん(平取山岳会)のご馳走・お話で楽しかった山荘の夕暮れ(経験豊富で気さくなお人柄、安心・安全な幌尻岳登山と山の楽しさを教えてもらった)

  

幌尻山荘:素泊まり1,500円。床に敷く毛布1枚の配布だが500円の貸し毛布もあり、かさばるシュラフは持参しなくて良いかも。ビールは管理人さんが荷運ぶだけなので、売り切れあり。なお使用のトイレ紙は持ち帰る。(便槽内容物はボランティアで背にかつぎ、渡渉で下へ降ろすとのこと、頭が下がる)

装備:渓流クツは高いのでマリンシューズを購入。地下足袋やズック靴のような人も。他にはストック・熊鈴・短パン・タイツなど。

とよぬか山荘:1泊2食5,000円。寝床は2段ベット。夕食のジンギスカンはいい味。朝食はオニギリ4個(2個づつのパックで昼食にもなり、親切)。廃止された学校を利用したこの施設、全体的にアットホームで同宿者も同様の好印象。

温泉:後泊も兼ねて、びらとり温泉・二風谷ファミリーランド(500円)を利用。併設の簡易宿泊施設・ふれあい館は素泊まり2,000円。(夕食は温泉施設の食堂、朝食は自炊設備あり)


芭蕉の夢とともに『海の細道』

2012年08月19日 | 読書

51歳で亡くなった俳人・松尾芭蕉は最後の十年間を『野ざらし紀行』『鹿島紀行』『更科紀行』など旅にすごした。有名な『おくのほそ道』の後に西国をめぐる旅の計画があったが、途中で急逝のため夢となった。その「芭蕉の夢」を現代の俳人・長谷川櫂がたどる。行き先は芭蕉が訪れたであろう歴史・名所旧跡はじめ、遠くは敬愛した杜甫の国・中国。さらには東アジアの枠組みの中に日本の国と歴史がある、という著者の考えに沿った形で韓国・台湾、そしてヒロシマ・ナガサキ、沖縄なども。芭蕉の死後三百年を経て、最後に詠んだ句「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」と著者の句「春風や海の細道三千里」に、二人の旅姿がオーバーラップする。

                      


美味、初めての黄金小玉スイカ

2012年08月18日 | 市民農園

今年初めて小玉スイカの苗を1本植えた。場所を取らない立体栽培で、時折の液肥だけだったが大小6個が実ってきた。開花してから40日頃が収穫期とのことだが、結構大きくなったので少し早いが試しに採ってみた。包丁をいれてみると丁度いい頃合いだったようで、黄色い果肉は甘さ控えながらもなかなかの美味。種を保管して、来年はグリーンカーテンもいいかもしれない。

     試しに手前の1個を採取 


未来への『すべては今日から』

2012年08月17日 | 読書

昨年亡くなった読書家の著者が新聞・雑誌類に発表した書評やエッセイを収録した遺稿集である。紳士的イメージが強いが、日常の感情や人間性、芯の強さなどに触れることができた。引用されているマラルメの『この世の全ては1冊の本の中に入るために存在する』も含蓄ある。書評は洋書も多いが、国内ものでは『流星雨』(津村節子)、『像の背中』(秋元康)、『旅の半空』(森本哲郎)、『最愛』(真保祐一)、『叛旗は胸にありて』(犬飼六岐)、『八つ花ごよみ』(山本一力)、『還暦探偵』(藤田宣永)に興味をひかれた。本のタイトルは著者の好きなドイツ語の言葉「アプ・ホイテ」の意味からとか。

            

                   

 

 


昔も今も志賀高原、一沼

2012年08月15日 | 写真&旅

志賀高原には丸池はじめ、琵琶池・蓮池など湖沼が多い。車で通りがかりの際、水面に多数の白いものが見えて興味を覚えたので、Uターンして行ってみた。その小さな池は、絵を描く人、写真を撮っている人、ただ眺めている人、数人いるのみで静寂に時は流れていた。リゾート地として大いに賑わった昔の面影の無い志賀高原の中で、変わらぬ情景のひとつ。

可憐なスイレンの花、ヒツジグサ 


志賀・笠ヶ岳で、熊!と思ったが

2012年08月15日 | 

笠の形をした山のひとつ、志賀高原の笠ヶ岳へ。熊の湯のスキー場から歩き始め1時間、開放的なゲレンデから茂みの山道へ分け入って熊でも出てきそうな雰囲気。そう言えば地名も“熊ノ湯”、熊鈴を付けてくれば良かった、熊が出なければいいが、などと思っていると、50mほど先に黒い動物らしきものが出てきた。暗くてよく見えないが、少し茶色がかっているような気がして、日本カモシカと思ったが、ふっくらとしていて大きい。熊か?じっとこちらを観察しているので、後ずさりしながら来た道を急ぎ戻った。仕方なく車で1車線の狭い道を「峠の茶屋」まで行き、最短の30分で笠ガ岳の頂上へ。ともかく目的を果たした。帰りに峠の茶屋の人に聞くと熊も出るが、目があまり良くないので立ち止まって見る習性がある日本カモシカでは、とのこと。残念!(但し、今だから言えること)/2012年8月13日

 僅かだが急坂の先の山頂  

  白根山・草津方面の展望

   熊の湯からのゲレンデの登りで見かけた花々


まだ元気な野菜たち

2012年08月11日 | 市民農園

オクラが元気だ。もう終わりかなと思うが、しっかりと実を付けている。そして赤トウガラシがやっと名前のとおりに赤く色づいてきた。秋・冬野菜の土づくりに入りたいが、もう少し先になりそうだ。

 実と下の枝も切るのがいいらしい 

    

   丸茄子もまだ採れそうだ 

赤トウガラシと大きくて甘みがある万願寺トウガラシ             


終わり近付く夏野菜たち

2012年08月09日 | 市民農園

夏野菜が順次、終わりを迎えている。シシトウ・オクラ・トマト・丸茄子はもう少し採れそうだが、キュウリ・長茄子・ピーマン類は実が大きくならず葉も枯れてきた。一方、ジャガイモの収穫後に1本だけ植えた小玉西瓜が大きくなってきた。受粉から40日頃が採り頃らしいので、下旬の収穫が楽しみだ。

   今年はトマトが良かった 

           

   他に小さな実が2個 


涼風献上、薬師岳・黒部五郎岳

2012年08月05日 | 

黒部源流の二つの山を登山口での車中前泊と山小屋2泊で登ってきた。約7時間のロングドライブで到着後、天然クーラーとはならなかったための睡眠不足と強い日差しの中の行動で初日から相当疲れた。そして登山2日目の黒部五郎岳のピストンは距離の長さと登下降もあって、近年では一番キツかった感じがする。下界と同様に稜線までの暑さには閉口したが、壮大な山岳展望と花畑を巡る山旅に満足。 ① 2012年8月2日(木)折立1350m  5:15~三角点 6:50~五光岩ベンチ8:15 ~9:25太郎平小屋9:55~薬師峠~ケルン~12:00薬師岳山荘12:30~13:20薬師岳2926m 13:40~14:15薬師岳山荘14:30~ケルン~薬師峠~15:40太郎平小屋(泊)②8月3日(金)太郎平小屋5:30~池塘~分岐~北ノ俣岳2661m 7:25~赤木岳2622m 8:00~中俣乗越8:40~10:30 黒部五郎岳2840m 10:55~中俣乗越12:30~赤木岳13:10~14:00北ノ俣岳14:15~分岐~池塘~15:50太郎平小屋(泊)③8月4日(土)太郎平小屋5:40~五光岩ベンチ6:20~三角点7:25~8:45折立   <駐車場:立山ICより1時間、下山日の土曜は路肩にも長い車列、無料のキャンプ場併設につきトイレ・炊事施設あり/亀谷温泉・白樺ハイツ:600円/有峰有料林道:往復1,800円>

  到着日(水)の駐車まだ余裕あったが     倒した後部座席と荷物室で寝床を確保

     

    薬師岳  

   黒部五郎

      雷鳥にも遭遇