晴耕雨読、山

菜園・読書・山・写真…雑記

われあり、ゆえにわれ求む『杖ことば』

2015年01月30日 | 読書

最初の1ページに「杖ことば」とは、人生の苦難の旅路を<杖となってささえてくれる言葉>と紹介。<ことわざ力を磨くと逆境に強くなる>という副題がついたこの本、36のことわざが筆者の手で磨きなおされている。それらは後年、影響を受けたという仏教思想が深く投影、しかし、違和感は無い。「人生に迷ったとき」「人間関係をささえる」「よりよい日々をひらく」「苦難をのりこえる」「老いをささえる」の各章、心に染み入る言葉が続く。もともと仏教用語であった「他力本願」は、通常使われている意味とは違う。生まれたとき以来、「他力」に支えられてきたのであり、「自力」の源泉、母としての<人まかせの考え方と正反対の思想が真の「他力」>と説く。36番目、最後は「われあり、ゆえにわれ求む」。そこに書かれている<世界中の誰ともちがう自分だけの「生きる目的」を見出すこと>は難題だが胸に刻んでおこう。

                  

             


幻想冬夜、湯西川・ミニかまくらの灯列

2015年01月27日 | 写真&旅

湯西川温泉の「かまくら祭」を目的に栃木に向かう。途中、時間があるので寄り道で華厳の滝。気温は0℃、だが凍結することなく激しい流れが眼前に。この後、中禅寺湖へ。陽が射して気持ち暖かいが観光客も少なく、氷結していないもののボート・遊覧船もちろん休業中。ところどころ凍結のいろは坂を慎重に下り、鬼怒川・川治温泉を経由、そして会津西街道を別れ、平家の落人伝説の残る湯西川温泉に着く。ひと風呂浴び、厚着防寒で早めに湯西川沿いの会場に行くと既に大勢の見物客。夕闇の深みとともに「日本夜景遺産認定」という約800個のミニかまくらの灯りが幻想的に広がる。『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』はどうかと思うが、一度は目にしておきたい光景だった。

水量は少な目か 

男体山頂上は見えず 

以前登った社山は中央に 

木曜は休み 

 


『更級日記』から「知の巨人」へ

2015年01月23日 | 読書

県民活動センターの講座「『更級日記』を読む(後期)」の初回冒頭、NHK・Eテレの番組「日本人は何をめざしてきたのか―知の巨人たち」(吉本隆明)の紹介があった。そして氏の言葉「人間は知性が無いとダメ」とともに川上講師より“本を読んで学んだら、目の前(の現実)と結びつけなければ意味がない”という主旨の話があった。いつもの横道に入った軟球ではなく、正月明け早々に投げかけられた直球。“学び始め”の日にその原点ともいうべき内容、良い話が聞けた。続いての『更級日記』の通読に際し、“(日記の)言葉がどこから出てきているのか”その<言葉の出所(でどころ)>―どういう時・場所・状況の中から出てきた表現なのか、読み解くことの大事さを言われた。前の話とも重ね合せながら、孝標女が置かれている現実とその時々の心理が投影される作品、この後どのような展開をたどるのか楽しみだ。後日、録画した番組を観たが、『共同幻想論』はじめ数々の著書、講演内容など、吉本隆明その人となりが多少分かった。まさに“自らの言葉で立つ”“知の巨人”は誇大広告ではない。だが難解、番組を消去せずに残した。『「反核」異論』も今度読んでみたい。講座のおかげで、また新たな世界へ小さな一歩。

                   

<試練と困難>がことばの出所 (川上定雄講師作成の資料より)

作者が<親を越えた瞬間>に関連、紹介された二人の詩。特に伊藤整の詩は、同じように北海道から出てきた自分に重ね合わせて感じるものがあった。(資料、同様)


冬の夕景、そのグラデーション

2015年01月19日 | 雑記

以前、車で通りかかったときに並木と夕焼けが印象に残っていた場所。ここ吉見運動公園は自宅から近い荒川河川敷に広がる公園。名前のとおり、車窓から見かけるテニス・野球などの運動以外は関係無いと思っていた。初めて園内に入り、掲示板を見るとゴルフ場も含めた広大な敷地、そしてスイセン・菜の花・ヒマワリ・コスモスなど四季折々の花の楽しみもあるようだ。ともかく今回は夕焼け写真が目的。並木はメタセコイアという杉の木の一種らしい。陽が傾き始めたころから16:50過ぎの日没、17時の閉園時間前まで粘って撮影。この時間、わずかに犬の散歩やウォーキングする近所の人たちのみ。ひとり、北風に吹かれながらも、雲一つない西空の色の変化に見入っていた。

 

陽が傾いて 

日没、宇宙を夢想するとき 

 

 

 


闘志は健在『シャボン玉 日本』

2015年01月18日 | 読書

作家でありながら歌手や政治の世界にも顔を突っ込んだり、40代になってからのラグビー・キックボクシング、大島渚との派手な殴り合いなど話題に事欠かなかった著者。「迷走の過ち、再び」と副題のついたこの本、今は脳梗塞でリハビリの身ながら政治から社会の隅々まで目を向ける。<日本は何を守るべきか―憲法改正>など「憲法」や「戦争の記憶」は、代表作『火垂るの墓』を書いた戦争体験にもとづくものだ。その記憶は<浮かれている場合か―東京五輪決定><日中国交正常化から四十年><農を棄てる気か―田植えの時期に思う><収束は国民が決める>など、背負ってきた<戦後の歪み>を放置している日本人一人ひとりにも問いかける。そして<日本という国><高齢化社会>を考え、最後の章<若者たちへ>では、本を読み、自分の足で旅をせよ、と語りかける。自分の頭で考え、行動、<すべての責任は自分>の言葉は、今を生きる大人にも鋭く伝わってくる。

                 


氷柱の三十槌で秋に再会

2015年01月16日 | 雑記

先日の秩父・三十槌は、あのとげとげしい氷柱(つらら)だけではなかった。氷壁の反対側、陽が差し込む岩壁には氷漬けされた木の葉があった。この寒さの中、濡れて岩肌に張り付いていた葉が石清水や冷たい雨で凍ってしまったのだろう。そして河原の凍結しているところに閉じ込められた木の葉も。風邪を引いたが、その場に長くいたおかげで過ぎ去った秋との意外な再会。そういえば、受講中の”けんかつ”の『更級日記』の中にこういう歌があった。<秋をいかに思ひ出づらむ冬深み 嵐にまどふ荻の枯葉は>

氷海に眠る 


美しき氷柱に心奪われ

2015年01月14日 | 写真&旅

先日の3連休のときに秩父の氷柱(つらら)を見に行ってきた。今の身分で言えば365連休のようなものだから混むような日に行かなくとも良いのだが、天気と気分が足を向かわせた。心配していた渋滞も無く、秩父市内を通り抜けて大滝温泉の先を三峯神社方向に左折、わずかで三十槌(みそつち)に。周辺の小鹿野や横瀬にも氷柱の名所があるが人工とのことだ。ここには人工もあるが自然の氷壁が見れる。”ありのままに”冬の厳しさがじかに伝わってくる感じが良い。まだ大きくなるらしく小ぶりというが結構見ごたえある。だが11時頃までの1時間半、陽射しが入らず寒かった。そうだろう、長靴で氷柱の河原を行ったり来たりしたのだから。次回来るときは靴下2枚重ね、さらなる防寒で今度は風邪を引かないように。

 

駐車場より眼下に   

これで小ぶり   

 天然がいい 


殺し文句には弱い

2015年01月12日 | 雑記

年明け早々のメール。件名が「不要不急のメールです」。うっかりすると迷惑メールとして削除しかねない。茶目っ気たっぷりのこの差出人は現役時代にお世話になった方。以前も同タイトルの本の出版案内があったが、その2巻目。前回は内容が業界関係のものであり、デジタル版なので購入を見送った。メールには前回の販売結果について、人望と人情を嘆きながらも購買者リストを見て<感涙が止まりませんでした>と。続けて、デフレ脱却への意気込みを期待、法律的な思考法は身につくなど。但し<その読む時間を別のことに使った方が有意義と言われれば、その通りですと答えるしかありません>。振込め詐欺の被害予備軍と言われるかもしれないが、情に訴えられることにはめっぽう弱い。“法律的な思考法も身につく”(かもしれない)。もちろん、現役離れても相談事に気安く乗ってくれる好人物からの要請、迷わず購入することに。いつもの年賀状・暑中見舞いも大体こんな調子で、商売柄の口達者が文章にも発揮されている。民事専門のはずだが、殺し文句も大得意だ。

            


凍る朝、川島の白鳥に会いに

2015年01月09日 | 雑記

前日の予報によると朝方は風が止むらしい。5時起きで川島町の白鳥に会いに行く。お茶を沸かし、防寒支度、ヘッドライト・ホッカイロを携行、大型トラックが行き交う真っ暗な道を30分ほど。日の出40分前に着いた臨時の駐車場はすでに5・6台の車。自分と同じ熊谷以外に大宮・所沢ナンバーなど、寒いのにみんな熱心だ。堤防を越えて歩いているうちに東の空がほんのりと紅色に染まってきた。目をこらすと白鳥が上流から下流に少しづつ固まっている様子。期待した川霧は現れなかったが朝日が出て、何羽か飛び立つまで1時間半ほど撮り続けた。朝焼けの舞台と、いろいろな表情を演じてくれた白鳥に感謝、次回はもう少しましな写真を。

06:40 

07:02 

みんな首長く、美形 

全部で140羽ほどいるらしい 

カメラマン20人ほど 

07:40 

 

 


1日1ミリ、冬野菜の成長に負けられない

2015年01月07日 | 市民農園

今日は真向法体操会の新年初日。正月をよいことに惰眠を貪っていた身体に心地よい刺激となり、やっと日常モードに切り替えが出来た。そんなわけで北風にもめげず午後から市民農園の畑に。収穫もあるが、ダイコンを抜いた後に蒔いた葉物野菜第3弾が気になる。不織布で覆い、さらにビニールトンネルとしたが、まだまだ小さい。通常だと1か月少しで食べられるが、この寒さに悪戦苦闘しているようだ。会で配布された真向法の新聞『健体康心』1月号に「1日1ミリ目標に、できるなら朝夕二回、三分間でできる、たった四つの体操」とある。一向に上達しないが、寒さに頑張る野菜に負けてはいられない。

トンネルの中で 

小松菜 

ホウレンソウ 

先陣の野菜たち 

 

       

地中で芽が 

初心に帰って 


2015謹賀新年、さきたま古墳で

2015年01月01日 | 雑記

新しい年、2015年を迎えた。初日をどこで見るか。いつものさきたま古墳群か、あるいは川島町の白鳥の写真を撮りに、などと考えていたが今朝の強風。これでは川霧も無いだろうと古墳のほうへ。他の地の悪天候の影響か少し雲があったものの初日をしっかり拝むことができた。光り輝く、力強い太陽を目の当たりにして、願わずにはいられない。日本列島、去年のような災害が無い一年でありますように。これは自らの戒めとしても。