読み聞かせ日記@矢野学習教室(千葉県山武市)

矢野学習教室で読んだ本をご紹介。塾の日記も。

『おとうさんのちず』(小4・小6に読んだ本)

2017年10月29日 | 想像の翼を広げる本
10月第3週の小学生国語道場では、こちらの本を読みました。
おとうさんのちず
クリエーター情報なし
あすなろ書房

戦争で故郷を追われた主人公(男の子)の家族がたどり着いたのは、夏は暑く、冬は寒い東の国。
彼らは、小さな部屋でよその夫婦と一緒に暮らすことになりました。
寝るのは、土を固めた床の上。

ある日のこと、お父さんはパンを買いに市場へ行きましたが、買ってきたのは、なんと地図!
お母さんは落胆し、男の子は怒ります。

けれども、翌日、壁一面に地図をはると、男の子の気持ちは一変します。

男の子は、何時間でも飽きずに地図を眺めたり、細かいところに見入ったり、書き写したりするようになりました。

そして、男の子は心の中でどこへでも飛んでいけるようになるのです!


この絵本は、作者の実話です。
1935年、作者はポーランドのワルシャワで生まれます。
しかし、1939年、ワルシャワは大空襲でめちゃめちゃになりました。
それから間もなく、作者はポーランドを出て、当時のソ連で6年間暮らしました。
そのうちのほとんどは、中央アジアのトルキスタン(現在のカザフスタン)で暮らしていたそうです。
この物語は、家族がトルキスタンで暮らし始めたころのお話です。
最後のページに、実際に作者が10歳の頃に描いた地図や、13歳の頃に描いたトルキスタンの中央市場の絵などが載っています。

このお話が実話だと知ったお子さんたちは、お父さんの英断に驚いていました!
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