国産の牛にはすべて個体識別番号がつけられ生産から流通の段階までのすべてがわかるようになっています。
うちの牛たちもみんな個体識別番号を記したこの黄色いピアスがつけられています。
昨日うちの社長が佐世保市内のとあるスーパーで買ってきた牛肉(ロースのブロック肉)の個体識別番号は1094090137でした。
これを家畜改良センターの牛の個体識別番号検索サービスに入力して生産履歴を調べてみます。
そうするとこの牛が生まれて肉になるまでの履歴の一覧が表示されました。
この牛はかなり複雑な移動をしています。
まず、平成12年10月14日生まれの黒毛和種の雌牛。
鹿児島県曽於市の繁殖農家の長崎さんのところに生まれ、平成23年までの約11年間、繁殖母牛として供用されています。
長崎さんは高齢になったこの牛を、平成23年12月の曽於家畜市場に成牛で出荷しています。
それを、同じく鹿児島県志布志市の永井さんが買い付け、翌24年1月の曽於家畜市場に出荷しています。飼養期間が一か月ちょっとと短い理由はわかりません。
曽於市場では、宮崎県都城市の梅ヶ谷さん(たぶん肥育農家だと思う)が購入し、24年7月までの約半年間肥育して、鹿児島食肉センターで屠畜されています。
これをみると子牛からの通常肥育ではなく、高齢の経産牛肥育であることがわかります。
しかし一つ疑問が出てきました。経産牛にしては初めの値段が高すぎるのです。
100㌘1280円(これを安売りで400円ぐらいで買ってきたのですが・・・)。
これは高級和牛肉の値段です。
しかも、ただの国産牛肉(経産牛肉と表示する義務はない)という表示だけで黒毛和種との表示もない。
なにか良心的でない気がします。
あしたの夕食はこの肉を使った焼き肉。100㌘1280円の価値がある肉かどうか味わってみることにします。