秋に空き地などで咲き誇っていたセイタカアワダチソウも花期を終えて、今では少しにごった色の綿毛をこんもりさせて初冬の空気にとけ込んでいます。すっかり「厄介者」の汚名を着せられてしまったセイタカアワダチソウですが、そもそも名前の由来は、咲いた後の花穂をお酒の醗酵したときの泡に見立てて名前がつけられたものだそうです。私にはこれがまだ産毛の残っているひな鳥の背中にも似て、そのモコモコ感に妙に暖かさを感じてしまいます。花穂から数万個の種がつくられて、その種は風に乗って運ばれ、来年はさらにセイタカアワダチソウの分布を広げるわけですから、その生涯はしたたかと言えるのでしょう。だけど、まるで寒空に背中をまるめているようにも見えて、あわれにもみえるのでした。
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