あっという間に1月も半ば、昨暮に旅行した四国高松の旅行記を年明けにと思っていましたが
すっかり遅くなってしまい、なんとか忘却の彼方にならないうちに・・・。
私にとって小豆島と言えば、オリーブ畑の広がる温暖な気候をイメージしていましたが、
12月22日宿泊した高松市内は冷たいアラレ混じりの夜でした。
明けてフェリーで小豆島に近づくと道路の脇は薄っすらと白く、前夜は雪が降った模様でした。
これにはちょっと驚きました。
直島と違って小豆島は、瀬戸内では淡路島に続く2番目に大きな島。山地が多く、高い山が海岸にまでせまった
変化の富んだ地形にレンタルサイクルという訳にもいかず、レンタカーで回ってみることにしました。
島出身の作家、壷井栄の書いた二十四の瞳の作品が舞台となった映画「二十四の瞳」のオープンセットを
改築した「岬の分教場」にまず行ってみました。
昔はこの映画の主人公大石先生に憧れて先生を志した人も多かったと聞いたことがありますが、
若い人に壷井栄って知っていると聞いたら「知らない!」と言われてしまいました。
この舞台となった島の分教場へは、車でも海岸線に沿うように岬の先端までだいぶ走ります。
当時、対岸の村から通った若い女性教師とそこで受け持った12人の子供たちが過ごした木造校舎は、
私の世代ではとても懐かしく、教壇、机といす、海風に絶えず廊下のガラス窓がガタガタ鳴って、
教室に入り込んだ午後の陽までが、子供の頃の空気そのままに思い出されるような場所でした。
小豆島は素麺やお醤油などの生産地として知られていますが、オリーブは国内栽培の発祥の地として
知られるところです。
高台にあるオリーブ公園からは、穏やかな瀬戸内海の風景をみることができます。
小豆島と姉妹島提携を結んだギリシャ・ミロス島との友好の証として建設された白い風車は、
瀬戸内海の海と青い空によく映えていました。
キラキラ光るオリーブ畑でゆっくり過ごしているうちに、時刻は午後4時を回り、ホテルで聞いていた、
この日の干潮時刻を大幅に回ろうとしていました。
島の南西部に位置する海岸の沖にエンジェルロードがあり、1日に2回、干潮時に海の中から現れる
砂の道を歩いて沖の島に歩いていくことができます。
大切な人と手をつないで渡ると、砂州の真ん中で天使が舞いおりてきて、願いをかなえてくれると言われている
「恋人の聖地」で、約束の丘展望台では「幸せの鐘」を鳴らすこともできるのだそうです。
日暮れの迫った海の風は、強く冷たく早々に引き揚げましたが、ただ日没と重なった海は素晴らしく、
しばらく寒さを忘れて見とれてしまいました。