10月18日 昨日の雨はすっかりあがり、天高く秋の空が広がっていました。
7:10 出発
この分なら雨の心配もなく、穴の開いているトレッキングシューズでもなんとかなりそうと、民宿で用意してくれたお弁当の大きなおにぎりを持って出発です。
民宿の主人に昨日の到達地点まで送ってもらいました。
7:30 唐沢の一里塚跡
国道から脇道を上がると唐沢の一里塚跡がみえてきます。日本橋より51里目で左右の両塚が残っている一里塚は道中でもとても貴重なのだそうです。
道幅の狭い古道に深山の趣があり、
早朝もあって心身清められる思いがありました。
7:50 和田峠登り口
いよいよ峠を目指して登り始めます。
昨日降った雨でたっぷりと草木は湿っていたのですが、
靴にはほとんど影響なく快適な滑りだしでした。
峠を往来する人馬の無事を祈って祀った三十三体観音
この前日に、長久保宿のバス停で会った男性が熊と鉢合わせになり、熊に背中を見せたらいけないので少しずつ後ずさりして熊との距離をあけて難を逃れたとか、民宿ではなるべく2人の場合は話をしながら、単独行だったらラジオを付けながら行くといいと聞いていたので、熊除けの鈴を鳴らしながら、私は非常時の笛を持っていたのでこれも鳴らしながら歩きました。
日差しはとっても暖かく柔らかで、こんな平和な山なのに・・・と思いながら
8:45 接待茶屋跡
茅葺屋根の永代人馬施行所で旅人に無料で粥と焚火、牛馬には桶一杯の煮麦を施したと案内板に書かれていました。
一度国道を横切って再び山中に入ると、避難小屋もありました。
9:30 名水
長い登り坂の脇に水量の多く勢いのいい和田川が流れています。
近年長和町が設置したゴミ無し童地蔵が鎮座していて、人の姿かと思わずドッキリ
9:45 広原の一里塚
江戸日本橋より52里目 こんもりとクマ笹に覆われた一里塚跡でした。
10:00 東餅屋
苔むした石畳を過ぎて国道に出ると東餅屋跡がありました。江戸の頃には5軒の茶屋があったそうで、ここで旅人のお腹と喉を潤して一息入れたのでしょうか。
すでに廃屋となっている「東餅屋ドライブイン」
営業していたころは名物力餅も売られていたようです。
落葉樹の黄葉が見事でした。
10:10 ヘアピンカーブのビーナスラインを4か所ほど横切ります。
うち1か所はパイプトンネルを潜ります。沢の脇に人ひとりがやっと通れるこれも中山道でした。
10:40 長い坂を登りきったと思ったら、和田峠の頂上に着くことができました。
正面に見えるのは雪を被った霊峰木曽御嶽山
当時無事に和田峠にたどり着いた旅人の思いは・・・
私は民宿で用意してくれたおにぎりを食べました。
美味しかったこと!
下諏訪へむかって厳しい急坂の始まりのガレ場は賽の河原
11:20 石小屋の石垣
和田峠の西側は急坂で風雪の時は大変難渋し、この村の名主が石小屋を建てて人馬の避難や荷置場として施していたということです。この急坂を牛馬や重い荷物を担いだ旅人や、皇女和宮を乗せた籠が通ったこと自体、驚きです。
急坂から周りをみれば深いカラマツ林が続き、穏やかな秋の午後を感じました。
11:50 西餅屋立場跡
東餅屋同様、4軒の茶屋があり旅人で繁盛していたようです。
道祖神・牛頭天王
12:00 西餅屋の一里塚跡
江戸日本橋より53里目、このあたりのガレ場は崩落を繰り返していたようです。
現在も道幅は狭く左側は深く削られていました。
(写真は振り向いて撮ったので右側)
まもなく国道142に合流し、この後は交通量も多く、諏訪まで下りが続くのでスピードを出す車も多く、疲れた足には堪えました。
14:00 木落し坂
諏訪の御柱祭りは有名ですが、この諏訪大社下社の春宮と秋宮に立てる御柱8本は7年に一度、この坂から滑り落とすという神事で有名な「木落し坂」
江戸日本橋から54里目の桶橋の一里塚跡 桶橋茶屋跡
石仏石塔群・芭蕉句碑
まもなく国道から諏訪市内に向かって旧道に入ります。
14:50 諏訪大社下社春宮
人家も多くなってきた頃、「諏訪春宮」が右下にみえてきました。広い境内を回り込むようにして、この日のゴール「諏訪大社春宮」に到着しました。
もうヘトヘトだったので参拝は次回に回し、下諏訪駅から16:10の特急あずさで帰宅しました。なんとか難所和田峠を、長い道のりでしたがトラブルなく越えることができ一安心しました。頑張った穴のあいたトレッキングシューズと棒のようになった私の足を褒めてあげたい!
クマにも会う事がなくて何よりでしたね。一里塚ごとに往時を偲ぶ跡があり、その風情が素敵です。
まるで自分が歩いてきてような感覚で写真を拝見させて頂きました。ゆっくりと体力の回復をして下さい。
峠の頂上からの景色は本当に絶景ですね。写真に見入ってしまいました。峠越え、本当にお疲れ様でした!
今年はステイホームの影響で足腰もたぶん弱り、体力も落ちているような気がします。Akikoさん、さすがですね。よく身体をもとに戻したなぁ、と感心してしまいます。私も見習わなきゃ・・。峠越えはしませんけど。
今回宿泊された民宿は、情報提供や、お弁当の用意や、送迎等して下さって親切ですね。
クマの出没情報は怖いですね。クマを見ると逃げたくなりますが、冷静な判断が必要なんですね。
頂上からの木曽御岳山の景色も、頑張って登ったご褒美ですね。
いつも応援ありがとうございます!
今秋は特に熊野出没が多いようでしたので、心配しました。
でも、いざ山の中に入ってしまうと、山はとっても穏やかなので、つい警戒心を忘れてしまいそうになりました。
いよいよ中山道も街道らしい山間を歩くことになります。ちょっと心配でもあり楽しみでもあります。
>あやさん
いつも応援ありがとうございます!
トレーニングのつもりで、いつもウォーキングは続けていたのですが、1年前の中山道と比べると体力は落ちていますね。
年齢ですから、しかたないと思いゆっくり進んでいきたいと思っています。
>shigeさん
いつも応援ありがとうございます!
民宿は、渓流釣りのお客さんのほかは、和田峠を越えるための基地(?)のようにも思いました。
年間を通して、この民宿に泊まる方が多いようです。
熊はぬいぐるみでも絵本でも力持ちで優しいのに、現実はなかなかこわいのですね。