面白かった。一昨日の晩酌と昨日の晩酌のお供♪ いやぁ、世の中には色んな人間がいる。交通事故で、相手が死んでしまったのに、髑髏のトレーナー着て裁判に出る奴。セックスレスで悩みぬいてやった痴漢が触りじゃなくて露出な奴。薬物依存や、強制ワイセツ・窃盗などを繰り返す懲りない面々。色んな奴には犯罪者だけではなく傍聴マニアや裁判官・弁護士・検事も含まれていて、なかなか面白い読み物だった。
裁判のレポートとしての書き物ではなく、著者は、ある意味ワイドショー的な物の見方をしている。時には犯罪者の、弁護士の、そして被害者の家族の、裁判所に集う色々な人の心情に肩入れしながら話を進めていく。大きな事件の傍聴もしているが、それよりは新聞の片隅にしか載らないような、ちょっとした事件を多く取り上げている。その方が結構人間ドラマが合って面白いそうなのだ。
ひとつひとつの事件の話は、読んでいて気分がいいものばかりではない。でも、筆者の書き方が結構軽いのと、自分の意見を適当に散りばめながら読みやすく書いてあるためストレスは感じない。雑誌に連載されていたものを、一つの本にまとめたというから、軽いノリにも頷ける。これが、重々しく「人間の暗部」という部分にスポットを当てて書かれた物であったらこうは読めないもの。
最後は、傍聴マニアの座談会で締めくくられる「裁判長! ここは懲役4年でどうですか」という本、合計3時間ほどかけて読み終わる頃には、僕も裁判を傍聴しに行きたくなってきた。特に「いいなぁ」と感じたのは、自分が感じた事とほとんど同じような事が書かれていた、角田光代さんの解説。これがあってトンと締まった。そんな感じだった。もし、夏休みの宿題に読書感想文が出たら、この本選んで、解説をほぼ丸写しにして提出するな♪
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