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地球低軌道環境観測超小型衛星「てんこう」

2019-05-21 05:44:58 | その他 施設など

「てんこう」は低軌道上の様々な環境観測を行い,次世代の衛星開発や現在運用中の衛星にも有益なデータを提供することを主な目的とした超小型人工衛星です。
2018年10月29日に種子島宇宙センターから打上げ予定であるJAXAの温室効果ガス観測技術衛星「GOSAT-2(いぶき2号)」とドバイ政府の観測衛星ハリーファサット(KhalifaSat)の副ペイロード(相乗り)として、高度約600㎞の太陽同期軌道に分離されます。

目的① 地球低軌道環境の観測と情報の即時公開
 近年大学やその他研究機関による超小型衛星の開発が活発になる中,高度2000㎞以下の低軌道上での故障がしばしば生じています。これらの原因の多くは太陽などからによる様々なエネルギーレベルの宇宙放射線に関するものであるといわれています。

 これらの不具合を防ぐために,私たちの開発する「てんこう」は地球低軌道の様々な宇宙環境をリアルタイムで測定し,情報を即時公開することを目的としています。

目的② 先進材料の宇宙環境劣化観測
 「てんこう」では,次世代の工業製品を支える先進材料の宇宙環境での劣化を測ることも目的の一つとしており,各研究機関から注目されています。

 >ミニマムサクセス
6か月にわたる低軌道上の放射線,磁束密度,電子密度の空間分布測定
6か月にわたる先進材料の宇宙環境劣化具合の観測
通信技術を用いた社会・世界貢献
  >フルサクセス
1年間における低軌道上の放射線,磁束密度,電子密度の空間分布測定
1年間にわたる先進材料の宇宙環境劣化具合の観測
>エクストラサクセス
2年間における低軌道上の放射線,磁束密度,電子密度の空間分布測定
2年間にわたる先進材料の宇宙環境劣化具合の観測

2.概略仕様
直径約500mm の準球形状であり,周囲は太陽電池で覆われている.実験機は,構造部,熱制御部,衛星制御部,通信部,電源部のバス系,およびミッション部から構成される.
 >サイズ:H465×W500×D500㎜以内
 >質量:約22.3kg

【開発メンバー】
・開発責任者 :奥山 圭一 (奥山研教授)
・プロジェクトマネージャー:Aleksander Lidtke (奥山研研究職員)
・構造設計:川内 諒 (M2) 、宮﨑 雅之 (M1)
・熱設計:松岡 美珠々 (M2) 、山縣 尚史 (M1)
・電源設計:Gonzalez Llorente Jesus David (D2) 、畑中 健 (M1) 、Juan J.Rojas.M.Sc  (趙研究室)
・ペイロード系:Fajardo Taipia Isai (D2)
・マテリアルミッション:浦上 直也 (M2) 、Farhan bin Abdullah (D1)
・通信系:Rafael Rodriguez (浅海研究室)、Sidi Ahmed Bendoukha (奥山研研究員)、Mohamed Elhady(浅海研究室)
・姿勢決定系:Rigoberto Reyes Morales (平木研究室)、Dmytro Fajardo(平木研究室)

 


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