フランス・ブルゴーニュ地方のワイン生産者=ドメーヌの家の長男として生まれ育ったジャンは世界を
旅するため故郷を飛び出したが、父親が末期の状態であることを知り、10年ぶりに故郷ブルゴーニュ
へ戻ってくる。家業を継ぎ、ワイン作りに励む妹のジュリエット、そして別のドメーヌの婿養子となった
弟のジェレミーと兄弟3人の久しぶりの再会を果たすが、間もなく父親が亡くなってしまう。残された
葡萄畑や相続などさまざまな課題に直面する中、父親が亡くなってから最初の葡萄の収穫時期を迎え、
兄弟たちは自分たちなりのワインを作るため協力し合う。その一方で、長男は離婚問題、長女は醸造家
としての方向性、次男は義父問題と、それぞれが打ち明けづらい悩みや問題を抱えていた。
一見ヒューマン映画なようにも見えましたが、情熱はドキュメンタリー映画の様でした。父の残した葡萄畑
を残そうと頑張兄・弟・妹の姿がとても素敵でした。収穫時期になると、アルバイトを募って一斉に葡萄を
収穫する姿は昔の日本の稲刈りに共通する部分を思い出させてくれます
葡萄は品種ごとに分かれているため、ワインの味も葡萄の種類によって様々。収穫時期や種類によって異なる
味わいを、三兄弟たちが細かく品定め・・父の仕事を一番よく理解しているのは、長女のジュリエットでした
彼女の判断によってワインの渋さ酸っぱさ、味わい深さを決めていく。。。父の教えを受け継ぎながらも
自分独自の味を追求していく彼女のこだわりに感動しました。日本酒とよく似た所があるのでは無いでしょうか?
そんな素晴らしいワインですが、畑の存続はかなり危機的状況に、病気で父が亡くなってしまったため、畑の
相続税問題です。大切にしてきたワイン畑を売りたくはないけれど、お金の問題は切実。
更には兄妹一人一人の問題も抱えており・・・兄の嫁との関係が微妙・・・弟は嫁の義理の父・母との関係が・・
そんな中、一人独身の長女は強かった!!不甲斐ない男性の中、ワインに情熱を注ぎこみます(フランスでも女性は強かった)
女性の意見を尊重する兄弟たちの優しい姿も素敵ですが、男に負けじと畑の存続に奮闘するジュリエットの直向きな
努力に感心させられました。 余りなじみの無いワインですが、たまに頂くときには日本酒と同じくありがたみを
持って味わいながら堪能しようと思います。ストーリーだけでなく、映像からもワインの素晴らしさを存分に感じられる
作品だったと思いますね。 じんわり・・・じっくり沁みてくる作品でした ☆☆☆☆