1963年の今日(12月11日)は小津安二郎 (映画監督『東京物語』) の忌日。<60歳>[1903年12月12日生]。
昨2003年は、小津安二郎の生誕100年ということで、日本だけでなく世界的にも評価の高い小津監督を顕彰するために、国際的な規模での小津映画の回顧上映と記念映画祭が行われていましたね。
又、NHKBSでも、生誕100年に合わせて小津映画の特集を組み、放映がされていたが、12月12日には、代表作「東京物語」(1953年)を放映していた。
「東京物語(Tokyo Story)」は英国映画協会が、1952年以来10年に1度実施されている世界の批評家と監督の投票による「映画史上ベストテン」の2002年版で堂々第5位にランクされている。第1位に輝いたのはオーソン・ウェルズの「市民ケーン」(1941年)。日本映画でベストテン入りしたのは、小津映画だけである。
田舎に住む笠智衆と東山千栄子演じる老夫婦はが上京して子供たちに会うことで、子供たちが変わってしまったことに戸惑うといった内容の「東京物語」は派手なところはいっさいない地味な映画で、感情を抑えた画面づくりが却って人のこころを打つ。小津作品らしい映画である。
しかし、私は、小津安二郎監督の遺作となった作品「秋刀魚の味」が好きだ。年頃の娘をもつ父親(笠智衆)が中学時代の恩師と昔は憧れたそのお嬢さんの孤独な晩年に接して愕然とし、あ わてて娘の縁談に熱心になるという・・何の変哲もない平凡な娘の結婚話を傑作に仕上げている。その手腕と俳優陣の名演技が実に良い。
小津作品では、低い位置からのカメラ・アングルでの、あくまでも感情を表面に表さない静かで穏やかな画面は、現実の人の動きと同じように進んでいく。そして、「いいよ、いいんだ、いいんだよ」といった単純な言葉の繰り返しや「そうかね、そんなものかね」といったオウム返しのような台詞回しが実に心地よいリズムを生み、まるで日常の生活をそのまま見ているような錯覚を起こさせる。各作品に共通するこのような独特の映像や台詞回しは、遺作ともいえる最後の映画「秋刀魚の味」でも、頑固に貫き通されている。それにしても、笠智衆は、小津作品になくてはならない俳優だったね~。
(画像はDVD「秋刀魚の味」)
参考:
小津安二郎生誕100年記念プロジェクト
記念イベント「Century of OZU」への提案の募集、略歴、フィルモグラフィー。
http://www.ozu100.jp/
昨2003年は、小津安二郎の生誕100年ということで、日本だけでなく世界的にも評価の高い小津監督を顕彰するために、国際的な規模での小津映画の回顧上映と記念映画祭が行われていましたね。
又、NHKBSでも、生誕100年に合わせて小津映画の特集を組み、放映がされていたが、12月12日には、代表作「東京物語」(1953年)を放映していた。
「東京物語(Tokyo Story)」は英国映画協会が、1952年以来10年に1度実施されている世界の批評家と監督の投票による「映画史上ベストテン」の2002年版で堂々第5位にランクされている。第1位に輝いたのはオーソン・ウェルズの「市民ケーン」(1941年)。日本映画でベストテン入りしたのは、小津映画だけである。
田舎に住む笠智衆と東山千栄子演じる老夫婦はが上京して子供たちに会うことで、子供たちが変わってしまったことに戸惑うといった内容の「東京物語」は派手なところはいっさいない地味な映画で、感情を抑えた画面づくりが却って人のこころを打つ。小津作品らしい映画である。
しかし、私は、小津安二郎監督の遺作となった作品「秋刀魚の味」が好きだ。年頃の娘をもつ父親(笠智衆)が中学時代の恩師と昔は憧れたそのお嬢さんの孤独な晩年に接して愕然とし、あ わてて娘の縁談に熱心になるという・・何の変哲もない平凡な娘の結婚話を傑作に仕上げている。その手腕と俳優陣の名演技が実に良い。
小津作品では、低い位置からのカメラ・アングルでの、あくまでも感情を表面に表さない静かで穏やかな画面は、現実の人の動きと同じように進んでいく。そして、「いいよ、いいんだ、いいんだよ」といった単純な言葉の繰り返しや「そうかね、そんなものかね」といったオウム返しのような台詞回しが実に心地よいリズムを生み、まるで日常の生活をそのまま見ているような錯覚を起こさせる。各作品に共通するこのような独特の映像や台詞回しは、遺作ともいえる最後の映画「秋刀魚の味」でも、頑固に貫き通されている。それにしても、笠智衆は、小津作品になくてはならない俳優だったね~。
(画像はDVD「秋刀魚の味」)
参考:
小津安二郎生誕100年記念プロジェクト
記念イベント「Century of OZU」への提案の募集、略歴、フィルモグラフィー。
http://www.ozu100.jp/