今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

新聞広告の日

2005-10-20 | 記念日
今日(10月20日)は「新聞広告の日」。日本新聞協会が1974(昭和49)年に制定。
「新聞週間」の中で覚えやすい20日を記念日としたそうだ。
今、マスメディアとしての新聞は、テレビの普及や、インターネットの発達によって、その地位を脅かされているかに見えるが、三菱総研の1998年4月28日プレスリリース(HP)の「情報収集の手段としての新聞の役割」を調査した結果を見て、総合すると、「インターネット・ユーザは、インターネットをそれぞれの個別のニーズに応じた情報源として活用しているものの、依然として新聞の重要性を高く評価する結果となっている。」とあり、私の耳には、最近新聞をとっていない若者が多いなどと言う声も聞こえてきており、多少意外な感じがしたが、ほっとした気分にもなれた。
ただ、最近は、新聞の購入も、期間を限定しての契約制で購入する家庭が多いようであり、我が家も、先日、期限切れになるので、代理店と2年間の購入契約をした。このような、期間限定の契約をするようになったのも、代理店の話では、やはり、新聞を購入しなくなった家庭が増えており、そのような中で、新聞社間の顧客獲得競争が激しいから、サービスをしないと、すぐ他の新聞に乗り換えられるのだとか・・・。そして、こういう契約の仕方をすると、普通に黙ったまま契約を続けているより、かなりの特典がある。
この新聞の広告は、わが国の日刊新聞がスタートした1870(明治3)年12月の「横浜毎日新聞」に、すでに掲載されており、新聞の発足と同時に始まっている。
1876(明治9)年頃からは、売薬の広告が急増し始め、この時代は売薬と書籍の広告が大半を占めるようになった。
しかし、この頃の売薬の広告には、誇大広告、欺瞞広告と呼ぶしかないものが多く、それを見かねた、福沢諭吉が、「時事新報」に「売薬論」を連載し、業界を告発し、その為、業界から訴えられると言う事件もあったそうだが、この事件があって、売薬の広告は、一時自粛されたが、明治30年代になって再び活発化する。これを、見た、三共商店(現三共)の2代目社長塩原又策氏が、「タカジアスターゼ」の宣伝にあたって、「薬は人名にかかわるものである。絶対に誇大広告をしてはならない」と、言明し、1枚1枚チェックしたと言われている。この2代目社長、塩原又策氏の卓見が、今日の薬品広告の原点とされているというのである。
明治時代の広告は、初めのうちは、活字を並べただけのものであったが、やがて大きな活字が踊るようになり、絵入りの凸版が出現すると、とたんに華やかになる。1905(明治38)年頃からは、写真入りの広告も見られるようになるなど、人の目を引くべく、様々な工夫が凝らされるようになり、今日に至っている。ただ、印刷メディアの独壇場だった媒体広告に放送メディアも加わり、やがてテレビに トップの座を明け渡すことになる。
日本新聞協会のHPで、「新聞広告への接触状況」を見ると、「一般生活者が日ごろ、新聞広告を見ている人は全体の87.8%に達しており、新聞とは距離があると思われている15-19歳、20歳代も7割以上が新聞広告を見ている」そうである。だから、新聞広告の必要性が失われた訳ではな く、これからも、好・不況の時代を反映しながら、存続してゆくのだろう。
我が家人などは、新聞よりも、新聞に織り込まれているチラシから目を通す。家庭を切り盛りしている主婦にとっては、そのときの経済や政治のニュースより、その日のスーパーのチラシの方が気になるのか???(^0^)
私は、昔から、新聞や雑誌などの広告には、非常に興味があった。さまざまな言葉やイラストなどで彩られた広告からは、その時々の様子や時代の雰囲気などが伝わって来る。時代を読み解くヒントやエッセンスが凝縮された新聞広告は、暮らしの移り変わりを知る上でもってこいの資料なのである。 
(画像、右:塩原又策のめがねにかなったタカジアスターゼの新聞広告。左:明治37年8月2日付けの新聞の題字と並んで載った最初の広告。朝日クロニクル週間20世紀より借用)
参考:
新聞博物館/熊本日日新聞社
http://kumanichi.com/museum/museum.html
幕末明治のメディア展ー新聞・錦絵・引き札ー
早稲田大学図書館所蔵貴重資料 デジタル化による WEB展覧会
http://www.wul.waseda.ac.jp/TENJI/virtual/bakumei/
Dentsu:資料室
http://www.dentsu.co.jp/marketing/index.html
アド・ミュージアム東京(財団法人 吉田秀雄記念事業財団)
http://www.admt.jp/parent_J.html
新聞広告賞 受賞作/新聞広告賞受賞作品(86年~03年)
http://www.pressnet.or.jp/info/hyosho/koukokusyozyusyo.htm